JOQRテーマ一覧

「オプション」商品、実際、避けるべき? 買ってもいいの?

大垣 きょうね、ちょっと先日ね。ある銀行筋の方とね、話す機会がありましてね。わたしも元銀行員だったっていうことで、ちょっと心を許されてたのかもしれないけどね。オプションっていう商品があるでしょう。デリバティブのね。これを買った人が結構損しちゃったときがあってっていうような話になったときに、「そりゃお前、自己責任だからよ」「あれ儲かるからまたやるかも」みたいなことを言っている人がいてね。あ、結構懲りてないんだな、この人たち、って思っちゃったもんだから。

 皆さん、オプションって、ちょっとこれ気をつけて欲しいんですけど。先物が怖いっていうのは、お分かりになってる方が多いんですけど。オプションっていうのは、怖いのと怖くないのがあるので、そこを少し分かっておかれるといいかもしれないと思って。オプションっていうのは、前からちょっとお話ししてるように、コールっていう、買うほうについていうと、最初にちょっとお金を払うんですね。手数料。そうすると、決めた価格よりも、株とかなんでもいいんですけど、物が、為替とかね。値段が上がった時は上がった分はもらえるんだけど、下がった時は何もなしっていう。下がったとき払わないといけなくなるのが先物で、これは怖いんですけど、そういう意味では、下がないので。その代わり、最初に手数料を払わないといけない。そういうもんなんですね。そういう意味では、そういうことだけ聞いてるとなんとなく、手数料だけ損すればオッケーなのねって思いがちだし、本読むとそう書いてあるんですけど、現実に銀行の人とかが商品にして持ってくるときは、実はそういうものを持ってくることはまずないんですね。それで、これは組み合わせのオプションと言って、合成オプションとか言ったりしますけど、最初にやっぱりそういう美味しい話なので、手数料が高いですよね。高いんで、実は高くならないようにするためにちょっと工夫をするんですね。どういうふうにするかっていうと、オプションを買った人はそうやっていいことが起きますよね。ということは逆にいうと、その相手方になれば、最初に手数料はもらえるけど、損は無限大になる。ちょうどわたしがいい思いをできるのと反対側になるわけですから、最初にお金をもらえて、その代わり、悪い方はいくらでも悪くなるっていう側の商品もあるんですね。それで、これをオプションの買いと売りっていう言い方をするんですけど。買ってるほうは上がるだけでお金がいる。売ると、最初のお金が入ってくるんだけど、あとが怖い。そうすると、ちょっと条件をずらして、売りと買いをドッキングさせると、もらうのと払うのがちょうど相殺してお金がかからなくなって、見えなくなる。分かります。で、それを、もちろんそんなことやったら、普通の先物と何が違うんだっていうんですけど、それが例えば、いま持ってる、いまの株が例えば1000円だとしましょうか。1000円が1200円になったら、1200円よりも上がった分をもらえるやつ。これがオプションですよね。で、次は800円の方を、800円まで下がったら下がった分だけ払わないといけないものっていうのを組み合わせると、ちょうどその、800円から1200円のところは何も起きないで、で、1200円より上がるともらえるんだけど、800円より下がると無限大っていうような。分かります、言ってる意味。

水谷 だんだん難しくなってきた。

大垣 わたしも言っててきっと分かんないんだろうなと思って。すごい簡単にいうと、売りと買いとをちょっとずらして組み合わせると、一見なんかすごく安いものになっちゃうんですね。

残間 800円以下ならっていうのを、買う人はいるの。

大垣 いや、だから、それだけ買う人はいないんだけど、組み合わせるとタダになっちゃう。そうすると、割と、いい方だけ、こっちを取りましょうねって。株上がったら上がった分だけもらえるんです、じゃあ下がったらどうするんだって、いや、下がったほうは最初の手数料だけですから、だけ言われると、そんなにうまい話があるのかと、そうなるでしょう。で、そのあと小さい声でですね、実はいまよりも200円以上下がるととんでもないことにはなるんですけど、そっちは起きないですから。ということで、上のほうを売るっていうことをすると、手が出しやすいでしょう。いまお金いらないから。

残間 それ、騙してるの。

大垣 いや、騙してない。ちゃんと言ってる。小声で言ってるだけ。それから紙にも書いてあって、ハンコをベタベタ押してますから、言い逃れはできないんですけど。でも、だいたい、オプションを売る時は、要するに、美味しいだけのものなので、高いので、高くならないように悪いほうがついてることが多いんです。その付け方が色々あって、そういうのもずっと考えてる人がいるわけですよね。だから、オプション系のがきた時は、上だけのものを、いい話は絶対にないので、悪い方をよくみて。特に安いオプションがきたら、必ず悪いものがたくさん入ってるから安くなってる。もっとひどいのになると、もらえることもあるんですね。わかります。

水谷 え、いいじゃないですか。

大垣 やばいやつをたくさん組み合わせれば、オプションなのにお金がもらえるっていうふうにも作れるんですよ。そういうのを、プロのはずの中小企業の社長さんとかがいっぱい買って随分損をなさったりこれまでしているので。あまり個人に持っていくものじゃないので、あんまり、今の所そんなに個人向けの商品はないと思いますけど、アメリカはそれが結構個人向けに売られて問題になってますので。そういうのがきたら、美味しいだけの話じゃないと。

残間 よくそういうこと考える人いるね。

大垣 そうですね。私も昔、すごく楽しんでやってた時期がありますけど。面白いのは面白いんです。

残間 数字としては面白いだろうけど。

大垣 形を色々作れるんですよね。こうなったりああなったり。

水谷 あまり縁の無い世界ですけど、もし何かで縁があったら大垣さんに相談します。家とお金を考える、大人ライフアカデミーでした。