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もっと増えるべき! 後見制度支援預金

水谷 家とお金を考える、大人ライフアカデミー。聞いて得する、家とお金を中心とした豆知識のコーナーです。今日は何のお話でしょうか。

大垣 最近ちょっとまた、後見人の不正防止とかっていうのをちょっと絡んでいて。年ごとに、何パーセントの人が認知症になるか。

水谷 増えてるってことですか。

大垣 増えてるっていうか、まあこれはちょっと古いんですけど、例えばですけど、女性で、90歳から94歳の方が認知症にかかっている率って何パーセントでしょう。

残間 52、3パーセント。

大垣 95まで生きてしまうと?

残間 95まで生きてしまうと、8割近い。70数パーセント。

水谷 えっ、そんなに多いんですか。

大垣 これ、ちょっと驚くでしょう。で、前から言ってるように、90まで生き延びてしまう確率は、50パーセントですよ。

残間 生き延びてしまうなんて悪い言い方しないでください。

大垣 でもね、最近俺ね、生き延びたほうが悪いんじゃないかって思うくらい。

水谷 でも、この数字はちょっと驚きますよ。

残間 めでたく、95歳まで。

大垣 95歳になると、半分認知症。めでたい?

残間 いいじゃない。なった人は別に、知らないんだから。

大垣 そもそもこれはね、症っていうふうに、病気だって考えるのをやめたほうがいいんじゃないかと思っていて。

残間 なんて言うの。

大垣 要するに、ほとんどの人、っていうか、半分以上の人はなるわけですよね。

残間 まあ、長寿だからね。昔ならそこにいかないうちにね。

大垣 だからね、これやっぱりね、最近、成年後見とかいって、私、ああいうところに行くと浮いちゃうんですけど、すごい特殊なことみたいになっていて。それで、みんなならないと思ってるから、本当になるまで放置するわけですよ。そうすると、しょうことなくなって、家族の人とかが家庭裁判所に行って、この人何するか分からないから後見人をつけてくださいっていうと、裁判で後見人をつけていますね。で、そうすると、突如、その方のお金とかが全部、後見人になった家族が自由に使える。

残間 家族っていうか、なった人でしょう。

大垣 なった人ですけど。

残間 弁護士さんとか。

大垣 でもまあ、どうしてもやっぱり、最初弁護士さんをつけても、最後家族になることのほうが多いですね、数がね。限りがありますから。そうすると、なんとなく、世話はしてるし、で、目の前に親のお金はあるし、で、これ、どこまでが親のためのお金で、どこまでが家庭のためのお金か、だんだん分からなくなってくるじゃないですか。そもそも、こんなに頑張ってるんだから、ちょっとぐらい今日、今度温泉行くんで使ってもいいよね、とかって思いがちだったり。

残間 それは、家族だと思いがちですよね。

大垣 でも、それはいけないんですよね、やっぱり、人の財産で、悪くいえば横領になってしまうわけなので。

残間 それ、識別難しいね。

大垣 ある程度はしょうがないんですけど、人によっては思い切り使い込んじゃったり、最近は弁護士さんとかでもそういうケースがある。

残間 弁護士さんで捕まった人いるもんね。

大垣 で、ここんところで、1年間で50億とか、そのぐらい、使い込みがあって。それで、ずっと前から、家庭裁判所のほうが、じゃあもうおじいちゃんの預金が2000万残ってるんだったら、100万円ぐらいは今の口座に残しておいてあげて、残りは、もう一個口座を作って、そっちに移して、それは家庭裁判所に来ていただいたらちゃんとオッケーですっていう指示をだしますから、その指示があったときだけお金を堕ろすっていうふうに銀行さんが対応してくれませんかっていうことで。そうすると、そこはちゃんと裁判所が見てくれるので、100万円ぐらいはおじいちゃんのやつを置いといて、今回300万ぐらい下ろそうっていうときは、めんどくさいですけど、そこで指示書をもらえば、そういう使い込みがなくなるので、そういうことがやったほうがいいケースはやれるようにしてくださいというふうに銀行に頼んだら、前もちょっとお話ししたかもしれませんが、断ったんですよね。

残間 銀行がね。

大垣 儲からないから。めんどくさいからっていう話になってね。それで、今度、後見制度支援の利用促進法っていう法律を作って、ここでもやっぱり抵抗が強くて。金融機関の自主的判断に委ねるっていうことになって。自主的判断に委ねたら、意識の高い大手から頑張ってくれるかなとか思って、大きい銀行に期待をしていたら、今の所ゼロなんですよね、預金でそういう対応をするところは。それで、逆に、信用組合とか、信用金庫とか、そういう、割と身の回りにあるコミュニティの銀行ですよね。こういうところは逆に、お客さんと非常に距離が近いので、よく見につまされるっていうのかな。それで、顔も見えてるっていうところで、逆にこういうところが自分たちで率先して初めてくれて。いま、実は一番小さい、こんんことをいうと失礼ですけど、小さめの銀行のほうが進んできてるんですね。これが光景制度支援用金とかいって。

残間 どういうものなんですか、これ。

大垣 これはもう、簡単。昨日まで、私がたまたま認知症になっちゃうとしますよね。そうすると、昨日までずっと下ろしていたATMの勘定は、そうはいっても完全に植物人間になってるわけじゃないので、それなりに自分のものだと思ってますので、それは別に塞がないで、ATMを使わせてあげて、そういうことはしたほうがいいっていうことになってるんですね。その代わり、残高はすごく少なくしちゃって、もう一個隣に作った預金から、例えば毎月10万ずつだけはこっちへ動かして、出すときは、さっき言ったみたいに、裁判所とかがチェックしてくれますので、チェックがあるときしか銀行は下ろすのをオーケーしてくれないんです。ノーって言えばいい、それだけなので。

残間 それは、毎月なんていうの。お父さんならお父さん、お母さんならお母さんの口座に移す金額は決めておけばいいわけ。

大垣 そうそう。それは簡単にできるわけ。

残間 だいたいじゃあ、月に、尚司さんは10万ぐらい使うからって言って決めておく。

大垣 そうそう。で、これは無駄遣いしても何に使ってるかわからなくても、騙されててもいいことにして。

残間 盆栽買っててもいいし。

大垣 それで、大事なものは、後見人のほうが管理してるものにするんだけど、後見人の方もつい出来心っていうのはあるので、大きい金額を動かすときはチェックがかかるっていうふうにすると。ですから、これ、率直なところ、銀行的には紙がないと出さないっていうことだけなので、システムも何もいらない、簡単なことなんですよね。

残間 口座を自分のところに移してもらえるっていうことが、銀行にとっては得なだけなのね。

大垣 っていうか、昨日まであるものをそのまま維持するだけですよね、別に。

残間 でも、新しく作るところで参入しないと、得しない。

大垣 いやいや、だからそう言って、俺のところにこないんだったらやらないって言って誰もやらないわけよ。だっておかしいでしょう。昨日までつきあってる銀行は、僕がそこの銀行と付き合いたいと思うから付き合ってたわけで、それを、たまたま認知症になったときに動かされちゃうって、おかしいじゃないですか。だから、そこでやってあげたほうがいいんで、だから、5年ぐらいになるのかな。紙がないと出さないだけですから対応してくれませんかって言ったら、責任は取れない。その割りには、これまである預金がただめんどくさくなるだけだからやりたくない、儲かるやり方を教えてくれ。そういうことばっかりいうわけ。最近、ちょっとね、ラジオでなんでこうやって言ってるかっていうと、あんまり腹が立ってきてるから。なんでそんな簡単なことができないんだよって。

残間 ねえ、この信用組合ってね。こういうちゃんとしてくれた信用組合っていうのは、どこでそれをよしとしたの。自分たちがやってやろうって。

大垣 いや、やっぱり、というかね。これ、みんなやっぱり、福祉の人とか、みんななるわけですよ。だから、別に儲かるからやるっていうことなのかっていうね。

残間 この、怒りの矛先を見ていると、新しい新制度につながるといいけどね。役所とか。

水谷 どんどんこの番組でも、怒ってください。

大垣 そうですね。だから、皆さん本当に、信用組合とか、信用金庫っていうのを、見直したほうがいいかもしれない。そろそろ。大手はやっぱり儲けるところになってきちゃってる。

残間 大手にいた人が言っております。

大垣 うん。

水谷 きょうは、後見制度支援預金についてのお話でした。