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リスナーメール:マンションって、何を買っているの?

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 今日はですね、質問をいただいております。ラジオネーム「ボンビー40歳独身」のかた。「ズバリ、マンションって何年ぐらい持つものなのでしょうか。中古のマンションを探しているのですが、築年数が経っていても値段が高かったりして、ローンを組んだら払い終わる頃にはマンションが住めなくなっているような気がするのです。大規模修繕が終わっていれば良いのかなあとも思いますが、鉄筋そのものがダメになっていたらきっと終わりだし、どうしようかと考えています」というお便りなんですけれども。

 何年ぐらい持つかっていうのはなかなか難しくて、外と中がそもそも違いますよね。外も、鉄筋コンクリートは何年持つんですかって東大の先生に聞くと「120年です」っていうことになってるんですって。でも、周りに120年も壊されなかったビルを見たことありますか。

残間 ない。

大垣 大手町のへんなんか、まだ20年ぐらいしか経ってないんじゃないかっていうのを潰してるんじゃないですか。あれは古くなってるからじゃないとは思うんですけども、でもやっぱり、大規模修繕までに40年ぐらいかな。この辺では一度、大きな改修が必要になったりするっていうことと、あとは、本当に買っちゃうんだったら、土地が高くなっているときっていうのは、値段が、だからと言ってそんなに上げられないので、土地の比率が高くなるとどうしても値段に占める建物側の割合っていうのを減らさないといけなかったり。そういうときって建築ブームなので、やっぱり少し手抜きっぽいことがあることが多いっていうことが言われていて。その頃に、そういう人たちと付き合ってきていた感覚でいうと、そうだって言ってる人もいたし。やってる人の中にはね。だから、やっぱり、嫌だなって思ったりもしたので。

 そうすると、逆算してくると、そういう嫌な時代だったのはバブルの頃。85年から91年ぐらいまでで、その頃は確かに、コンクリートこねるのに本当は海の砂を使っちゃいけないんですけど、鉄骨が錆びるので。そんなこと言ってられねえよって、本当にそうだったかは分かりませんけど、そういう話は結構あったりしましたね。

 さいきんでいうと、2007年のリーマンショックに向かうとちゅうの数年っていうのはやっぱり似たような感じだったので、そういう頃のものと、そうでない頃のものっていうのは違うかもしれません。ただね、この方も、皆さんそうなんだけど、一戸建ての家を買うっていうと、これ、ものとして家を買ってるじゃないですか。マンションって何を買ってるんだと思います。

残間 ううん。

大垣 一戸建てだったら、屋根も、壁も、扉も、中の畳も、私が買ってますよね。マンションって何を買ってるの。

残間 部屋? 建物を買ってないもの。区分所有って言われても。

大垣 例えば、壁があるじゃないですか。壁ってどのへんまで私のものだと思います。

水谷 隣の人と半分こ?(笑)厚さ半分。

大垣 じゃあ、そこまで俺のものだから掘っていってもいい?(笑)

水谷 掘っていいのかなあ。

残間 ダメでしょう。躯体になるところはダメでしょう。

大垣 それも不思議でしょう。天井もどのへんくらいまで。

水谷 上の人と半分こ(笑)。

大垣 法律を教えるときに、学説があるんです。貼ってある壁紙のところぐらいまでだぜ説とかね。仰ってる、水谷さんが仰ってる、真ん中まで説とか、そういう学説があるのだと教えるんですけど、だからどうっていう話なんですけど、これは全部間違いで、要するに空間を買ってるんですよね。居住空間を買ってるわけ。じゃあその居住空間って何かっていうと、そこに住むことによって払わないといけない家賃っていうものがありますよね。この家賃っていうものの何年分かを買ってるわけなので、買ってるつもりだった期間が終わったら、それはもう、なくなるものだっていうふうにむしろ思うべきで。それ以外に、確かにみんなで鉄筋コンクリートの塊を持ってるんですけど、それは、なんていうのかな。一戸建ての家を持ってるように持っているとはちょっと言い難いものですよね。だから、例えば、自分が全く、ちょっと困ったなっていうような時期に、「大規模修繕やりますのでよろしく」とかって言われちゃったら、みんなでやらないといけないことなので、ノーとは言えないんですけど、やれる人もいればやるのが大変な方もいらっしゃるっていうことが起きちゃうんですけど。それは、そのものを買ってるっていうよりは、やっぱり、空間を買ってるっていうふうに思ったほうがいいので。

 申し上げたいのは、物を買ってるみたいにして悩むっていうよりも、これが自分が住みたい期間、そのぐらいの値段で考えたときに安いか高いかっていうふうに考えてみたほうがマンションはいいし、私だったら、多分今なんとかなってらっしゃるんだろうと思うので、同じお金があったら、田舎に土地を買っておいたほうがいいと思いますね。土地は消えないので、そこから老後を過ごせるか、90までどうなるんだろう50年間、って思うマンションを買うよりは、今はとりあえず住めてるんだったら、週末にいける土地のある田舎とかを。

残間 20年後っていうのはどうなってるんだろうね。

大垣 どうなってても構わないじゃないですか。残間さんみたいに、何もかもないと困る人じゃなくて、田舎が好きだったらさ。

残間 田舎を好きになってるかもしれない。

大垣 ダメダメ、虫がいますからね、ダメだと思いますよ。

水谷 ボンビー40歳独身さん、ぜひ参考になさってください。