JOQRテーマ一覧

リスナーメール:定年まで使用しなかった財形住宅、住宅以外の用途では引き出しできないの?

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 今日はちょっとテクニカルなご質問なんですけどね。60台の会社員の方。東京都文京区にお住まいということで。財形住宅って言ってるやつですね。これを続けてこられてると。職場でずっと積み立てるやつですけど、これが「400万円ほど溜まっています。これを年金型に変更したい、財形年金っていうのに変更したいって言ったら、できませんって言われちゃいました。もう実は住宅を買う気持ちはないんですが、どうしたらいいでしょう。」これ、財形住宅っていうのは、住宅の資金に充てるために毎月積み立てていると、利息に税金がかからないで積立ができるっていう制度で。利息も合わせて550万円までは非課税でいけるっていう仕組みなんですね。サラリーマンの方は結構住宅を買うつもりだったら頭金を貯めるのに使われてるんですよね。

 これ以外に、もう一つ財形年金っていうのがあって、これはもう同じもので、今度は、あとで年金になっていくっていうものなんですね。

 それから一般財形って、これはちょっと有利な貯金っていうイメージで、積み立てて、いつでも引き出せるけど税金がかかるっていうタイプなんですけど。

 それでね、確かにこの方ね、これ、本当に古い制度なんです、財形って。昔からあるので。やっぱり、住宅を買うことが夢だった頃に、最初に住宅を積み立てるために作って。あと、ちょっと年金だよねっていうときが来て、年金っていうのを作ってって、順番にやってるから。それで、もう住宅使わないから、60になってあと5年働かれた後に、今度は年金でもらいたいと。いいじゃないですかと。もともと年金で積み立ててあれば。

残間 同じなんだからと思いがちですよね。できないの。

大垣 チェンジできないんです。

残間 これ、家建てなきゃいけないの。

大垣 で、何が起こるかっていうと、これ、住宅用でこれまで税金をかけてきてないわけね。なので、住宅のために使わないと何が起こるかっていうと、過去に遡って税金がかかるんです。

水谷 ええっ。どうすればいいんですか、それ。

残間 本当にそういう制度なの。だって、途中まできて家を建てなくなったっていうこと、よくあるよね。

大垣 でね、まず、それが何を想定してるかっていうと、当時は、最後まで建てない人はいないだろうと思ってるわけです。だから、なんかちょっと旅行行きたいねとか、そういうことに使うんでおろすっていうのはダメよと。というわけで、過去5年分だけなんですけど、5年間遡って、もし税金がかかっていたらというので算定されて。5年の利息に、だいたい20パーセントの税金がかかるんで、それを解約するときにさっぴかれるっていう仕組みになっていて。私もそこまでは一般常識として知ってたんですけど、退職まで引きずってるっていう人を聞いたことがなくて。普通使っちゃう制度なもんだから。ごめんなさいね、引きずってるなんていう言い方をして。でも、使わない方って非常に珍しいので、僕は知らなかったんです、どうなるのか。で、制度をやってる方に聞いてみたら、すいませんけどダメですと。定年退職というのだから特に例外ではないので。

残間 家のために使ってくださいって?

大垣 住宅のためにお使いくださいと。ただ、置いとけるんですね。一応、最初の2年間は、退職をした後も、これは職場の貯蓄なので、辞めた以上は持っていってくださいになるはずなんだけど。あるいは転職した場合は、向こう側に制度があれば動かせるんですけど、今回は完全退職っていうのをお考えになるとすると、一応、銀行とかに預けてるものなので、そこに置いといてはくれるんですね。それも銀行にはよるんですけど、一応、出すまでは置いといてはくれるっていうところも結構あるので。ダメなところもあるんです、出してくださいっていうことになっちゃって。一応、入れてくれるところも結構ありますと。それは、この方がどういうところでやられてるか分からないんですけど、そのときもやっぱり、住宅のためになんですね。

残間 それ、リフォームでもいいの。

大垣 そうなんです。今日、この方に是非お話をしておきたいのは、そんなわけで、二つ、ポイントをお話しようと思うんですが、解約したら確かに5年分の利息がかかっちゃいますんで、とりあえずもう積み立てるのはやめましょうと。使わないことが確実だったら。そうすると400万円ですから、5年分ということは、例えば、ちょっと高めで0.6パーセント、そんなに付いてることはないと思うけど、0.6パーセントぐらいの利息がついてるんだったら、1年4800円なので、5年分で2万4000円ぐらいは損しちゃいます。でも、2万4000円ぐらいなので、なんか、5年に遡って課税されますとかいうとすごいことをされているような気がすると、2万4000円ぐらいなので、置いとこうかなと。それから、なんて置いとこうかなと言うかっていうと、やっぱり、そんな簡単にすぐに住まなくなるわけじゃないので、退職してからずっと住み続けてますと、リフォームも必要になりますよね。あるいは、もしかしたらお子さんと一緒に今度は二人で住む、私と子供とで一緒に住む家を、子供と一緒に建てようかなってなることもありますよね。そういうときに、リフォーム目的とか、子供と一緒に住むんだけど自分も住むようなものとか、あるいは、実は、おそらくその子と一緒に住むことになるので今は別のところにいるけどっていうようなことだったら、実は税金かからないんです。

残間 子供に買ってあげるのはダメね。

大垣 えっと。

残間 その人の名義じゃないとね。

大垣 ううん。その子に買ってあげるのであるが、私も住む予定であるはオッケー。共有する。いくつか細かいのはありますけどね。だから、おそらく、とっとかれるのが一番いいと思います。2万4000円のために今だしちゃえとなるよりは、そのままできるだけ置いとかれて。

残間 でも、もし、他の目的に、二人で旅行行きたいとかだったら解約して。

大垣 それはもう、2万4000円ぐらいなので。

残間 2万4000円払って、自由なお金としてもらえる。

大垣 ものすごく遡るわけではないので、5年。

残間 5年か。最初からっていうと嫌だけど。

大垣 思ったほどビックリするような金額ではないので、もちろん豪華客船とか思われるのであれば、おろしちゃえっていうのも、2万4000円ですからあり、みたいな感じかなっていうことです。

水谷 分かりました。今日は東京都文京区にお住まいの60代会社員の方の質問にお答えしました。