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投資信託、実は半数以上の人が損をしていた!

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 たまたま先月に、金融庁ってあるじゃないですか。そこが、投資信託を売ってる銀行について、その銀行で買った人が買ってから今までに儲かってるか儲かってないかっていうのを統計にして発表したんですよ。投資信託っていうのが儲かってるかどうかじゃなくて、その投資信託を、ある銀行で買った人って、ある値段で買いますよね。そのあと、買ってねって言われて買ったものが、儲かったか儲かってないかっていう取り方をしてるので、要するに、本当に買った人がいい目にあってるかっていう指標になってるんです。

残間 なんでそんなのやろうとしたの。

大垣 というのは、やっぱり、あんまり率直なところ、お客さんに儲けてもらおうと思って売ってたっていうよりも、投信ってすごく儲かるものだったので、売れ売れってやってきていて、実際に弊害もあるということがあって。それで、色々直そうねって言ってきてたんですけど、必ずしも、ちょっとずつはもちろん良くなってるんですけど、依然として大丈夫なのかなって思ってるんでしょうね、金融庁的には。それで、これからこういうのをちゃんと発表するんだ、みたいなことになったんですけど、結果が面白くて、半分以上の人は損してるっていうことがあって。時期的にはやっぱり、安倍政権になってよかった時期なので、ちょっと意外な。もうちょっと良くてもいいかな、みたいな資料が出てきていて。だからって銀行が悪いっていうことじゃないですけどね。

残間 それって、それだけ儲かってない人が多いってことは、その分銀行が儲かってるってこと?

大垣 二つあって。最近はちょっと変わってきてるんですけど、一時期はやっぱり、投資信託って、売るときに、多いと2、3パーセントぐらい、最初に手数料取るんですね。ということは、100万円買うと、スタートラインですでに97万円でしか投資してないことになるので。そうすると、3パーセント以上儲からないとトントンに浮上しないわけですよね。そうなると今度は、運用で1パーセントとか抜いて、さらに事務管理で抜くっていう。結構、わたしらが現役時代にやってたときの感覚でいうと、意外と儲かるものだったんですよ。少なくとも預金を置いていただいて、なかなか今貸す所がないので、低い金利で貸すよりは全然儲かるんですね。さらに、10年、20年じっくり投資しようねっていうふうに売ってるかっていうと、必ずしも、そういう仕組みの商品って少ないんですね。買う人も、水谷さんもそうだと思うけど、20年後には儲かってますかって思ってないでしょう、投資信託とか買うとき。2、3年で2〜3割上がるんじゃないのって思ったりしてる人も多いので、どっちが悪いとは言えないんですけど、作ってある商品が、割と短期間で結果が出るように作ってあるものが多いんですね。作ろうと思えばいくらでも作れるので。そうすると、それって、勝負がつく・つかないにかかわらず、割と短気でそれを売って、次のを買ってっていうふうに、もともとやる人も多かったし、売る側もそうやると、毎回毎回、2パーセントとか3パーセントとか入ってくるので。

 よく、車の下取りとか、下取りのあるものって、まだ使えても早く次のにしましょうよっていうのがあるじゃない。

残間 ああ、あるね。

大垣 あれが、典型的にある商品なんですね。そうすると、短気だと、現実的にはやっぱり儲からないので、たくさんフィーを取られると。それで、日本は非常にガラパゴスで、1000とか2000とかっていうような、そういう数で投資信託があるんですね。それってすごい異常な感じで、アメリカとかだと、ものすごい有名な、マゼランファンドとかってそういうのがあって、それにみんなが買ってるっていう。なんか、毎月新しいのが出ました、みたいなのはないんですけど。日本はどっちかっていうと、毎月新商品を作って出しては、前のを売って次のを買いましょう、みたいなことをやってきてるんですね。これがもう、まずいんじゃないって言われて随分経つのに、まだ変わってないかなっていうのが。

残間 裾野を広げようとして、結構今、コマーシャルなんかもすごいものね。投信のね。

大垣 そこ自体はいいことだし、前はそうは言っても通の人が買うものだったんですけど、今はNISAとかiDecoとかで普通の人が買ってるので、これまで以上にそういうやり方でやるとよくないんですけど、皆さんも、そんなにやっぱり短期間で儲かるものじゃないので、できるだけ長い目で見るように、買う側の人が考えないと、どうしても、売る側の人はやっぱりお金儲けでやってるので、それでいいですって言われれば、次のにしましょうかってなりがちですのでね。少し考えないと、現実にはそんなに儲かっていないっていうことがありましたので、ちょっと。これからもうちょっと細かいことをお話ししていこうと思いますけど、大きな流れとしてはそんな感じかなという。

水谷 分かりました。大人ライフアカデミーでした。