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断言します、年金制度は破綻します。

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 質問を頂戴してます。「最近、年金関連の雑誌記事などをみると、作り出したものを現役世代が受け取る、そのあまりを年金としてリタイア世代が受け取る。このルールが守られれば、年金の破綻はありえないという話が出ています。ごめんなさい、それ、私は確認できなかったけど、あるんですね、そういう議論が。

水谷 ちょっとよくわかんないです。

大垣 「これって、現役世代が少なくなったら年金を減らすよ、だから年金制度は破綻しない、と言ってると思うんですが、そうなのでしょうか。そうすると、人口は減っていくわけですから、何十年も掛け金を払ったのに、実際にもらえるのは少ないということになるかと思います。これって、年金の掛け金を払ったら損ということにもなるような。騙された気分ですが、実際はどうなのでしょうか」っていうことなんですけど。

 年金って言っても2種類あって、公的年金の部類ですよね。最近よく新聞とかに出てる、確定拠出年金とかいうのがありますよね。これは、自分で入れたものをもらうやつなので、こういう議論は関係なくて。

残間 公的のほうでしょうね。

大垣 公的年金ですね。厚生年金とか、国民年金とか言われているやつが、いわゆる賦課方式っていうんですけど、どう言えばいいんでしょうか。前もちょっとお話ししたと思うんですけど、実は自分で貯めてるものをもらってるわけじゃなくて、若い人が今払った年金保険料を、今の高齢者層がもらっている部分っていうのが結構大きいんですね。で、なので、昔みたいにちょうど三角形型になってるような人口構成で。

残間 団塊の世代がいっぱいいてね。

大垣 団塊の世代の方々が、まだまだ若くて、上の世代は、悲しいけど戦争にいかれて亡くなってらっしゃる方もいらっしゃるし、元々そんなに多くないしということで、全然大丈夫だったものが、今、逆向けになってるのでダメなんじゃないかっていう議論になるんですけど。

 そこだけ見ると、そうなっちゃったから仕方ないし、よくないっちゃって、今いいかって言われたら大変だねっていうことなんですけど、よく考えてみるとそれも色々合理性があって、例えば、経済が成長していると、どうしてもインフレになっていきますよね、どうしても。給料だって、今のほうが絶対的な数字は大きくなりますよね。そうすると、年金って、30年も40年もずっとかけ続けるわけですから、自分の給料からちょっとずつ払っていって、そうすると、もしそういうことになるとすると、払い込んでるときの給料の額より、もらう頃の物価のほうが高くなってますよね。

残間 時間が経ってるからね。

大垣 そうすると、自分で貯めたものをもらうっていうことにしてると、インフレの影響をもろにくらっちゃうので、その目減り分っていうのが、40年とかだと結構バカにならないんですよね。だから、今の給料で払ってくれるものを、今の物価で生活してる人がもらうほうが合理的な部分もあるんです。

残間 なるほどね。

大垣 だから、ちょうど、中将になって入ればつじつまが合うんですけど、今大問題は、ここ。逆向けになっちゃってるので、大丈夫だろうかっていう議論があって。

残間 大丈夫じゃないっていう議論のほうが多いよね。

大垣 これは算数なので、大丈夫じゃないです。これはしょうがないですね。そういう中でどうしていこうかって考えないといけないので。くれるって言ったじゃん、約束なのにどうしてくれる、とか、払った分よりももらいが少なくなったらどうしてくれるんだとか、そういう議論って、感情的にはありなんですけど、だからって結局、なんとかなるわけじゃないですよね。だとすると、やっぱり、その外側の要素でフォローをしていかないとしょうがないので。日本人って、でもなんとかなるんじゃないかと思ってる人が多いんじゃないかと思います。

残間 ほとんど、団塊の世代は特にそうだよ。みんながそうなる。

大垣 なんかとにかくこれまで特段やばそうなことでもなんとかなってた気がするので、なんとかなるかもって思っちゃう。

残間 思っちゃうよね。

大垣 でも、この類の話、金融の話はいつもそうですけど、算数で考えてなんとかならないことはなんとかならないっていうのが正しいので。これはもう、なんとかならないです。人が減る以上。ということは、どこかではもらえる額が減らないにしても、もらう時期を遅らせていかないとしょうがないよねってなってきて。そうすると、政治的には今どうやってるかっていうと、企業さん、あなたもっと長く雇ってあげなさいと。私はもうお金ないので、定年を延長しなさいと。そうすると給料が増えていいよねと。

残間 私、は国ね。

大垣 うん、私は国。そういうふうに持っていってるわけですけど、これもなんとかなるよね系の議論だから、やっぱりそうだと思ったら一番しないといけないことは、自分で稼げる期間をとにかく長くしていく。それしかできないし。それから、私が言っているように、東京で絶対に住み続けないといけないって思ったら、東京の物価で暮らさないといけないので、それを、ちょっと早めに気分転換で物価の安いところで自然の中で動くことによって、お金はいらないけれども、充実したっていうことがあるんだったら、そっちのほうが。みんながそうしないといけないとは思わないけど、そういうふうに自分で考えていくしか。

残間 みんなモヤモヤしてますよね、年金がどうなるっていうのは。こんなにはっきり、算数から言ったらなるようになりませんって言ってくれる人が少ないよね。政治家は言わないしね。

大垣 政治家は言わないほうがいいので言わないと思いますけど、これ、ならないので。だって、誰が考えたって何も起きないと思うんですよね。

残間 ねえ。

大垣 それだったら、自分で守るって考えて、なんかしてもらえたらプラスになるから、それはまあ別に、多々ますます弁ずって考えればいいし。

残間 年金の掛け金を払ったら損になるっていうような、この方もおっしゃってるけど、というような考え方ではないよね。

大垣 損っていうかね。これもし何もなかったら自分の親って、子供が結局面倒見る社会だった可能性がありますよね。で、それは結局負担になってるわけで、それは損だとは思わないですよね。それが、世代間っていう、個々の家族じゃなくて、世代に広げているのが年金だとも考えられるので、そういう意味では、そうなっている状況で、そうなるようにしかならないものではあるんですよね、やっぱり。マスメディアでこういう話ってしにくいですよね、すごい。

残間 でも、そろそろ本当のことをちゃんと言っていかないと、覚悟が決まらないよね。

大垣 で、腹決めて、みんなでできることをやってもらえたら、もっとプラスっていうように考えたほうがいいような気がします。

水谷 今日は足立区にお住いの「白夜の朝顔」さんからの質問に答えましたが。自分でなんとかやろうってことですかね、結局は、私たちが。

大垣 自分だけが不幸になるわけじゃないので。

残間 その時代時代で。

大垣 なんとかなる可能性も十分あるけれども、やっぱり、考えている人のほうが幸せだと思います。

水谷 わかりました。家とお金を考える、大人ライフアカデミーでした。