貯蓄から投資へ。金利は上がらないから、乗っかったほうがいいのかも？

水谷　きょうはどんなお話でしょうか。

大垣　年俸なので、金利がどうなるかっていうことなので、ちょっと思ったことがあったので。これまで、貯蓄から投資へっていうじゃないですか。よくあれって、貯金なんかしてないで、もっと株を買えよっていうことで、あんまり乗ると結構騙されるんじゃないかっていうことで。

残間　手酷い目に遭いそう。

大垣　そうかどうかっていうのはともかくとして、じゃあ、貯金で金利が上がるっていうことなんですけどね。

残間　上がらないよね。

大垣　ふと思ったんですけど、これ、金利が上がることでいい思いをする人、いないんですよ。

水谷　うーん？

大垣　まず、企業は金利が上がってもらっちゃ絶対困るんですよね。で、金利が上がると、割と円高にいきやすいんですよね。それから、政治は、金利が上がると、金利が先に上がっちゃ困るんですよね。株が上がり出して、景気が戻ってきたときに金利がストッパーになっちゃいけない。これ、アメリカでもまさにそういうことが起きてるんですけど、金利はやっぱりあげないで欲しいっていう感じがすごくて、日銀は、500兆近く国債を持っているので、金利が上がると値段が下がりますので、とんでもないことになるんですね。それに対して、株が上がって嫌な人はいないんですよね。で、じゃあ上がるのかって言われると、なんかもう、上がらないんですよね。世界的には、前からお話ししてるよ王に。

残間　酷かったりするじゃない、ときどき。暴落して。

大垣　株があがるっていうときに、お聞きになっている方がお間違えになってはいけないのは、長い目で見たときに、経済がちゃんと成長していくかっていう意味で、上がっていくっていうことと、急激に、上がったり下がったりは、それはありますよね、地震が揺れた、戦争が起きたなんだって。それとは全然違うものなので。株はそういう、毎日毎日こうやって、ギザギザしながら、これまでは、全体として、その傾向は右上がりだったんですよね。それが世界的にどうもこれ、右上がりじゃないんじゃないかふうになってきているような感じがあって。経済学者の人はそういうことを言わないんですけど、やってる人間の実感っていうか、この間そういう連中と雑談したんですけど、これ、もう、経済成長実はないんじゃないの、みたいな。昔的な意味ではね。それで、質は変わっていくので、また別の時に話しますけど、ちゃんと成長する仕方はあると思うんですけど、政府の人が見ているような、2パーセントでインフレになって欲しいとか言ってるじゃないですか、あれ系の感じで上がる感じはほとんどしないんですよね、実感として。

　で、そういう中で、株はやっぱり、でも上げてもらわないと困るって思っている人が増えて、で、ほっといたら金利はやっぱり上がらない。経済が成長しないんだったら上がらないんですよね。本来。だからやっぱり上がらないっていうか、景気が本当の意味で成長してくると、それにつれて金利が上がるんですけど、実力ではあんまりもう、上がっていかないんじゃないかっていう状況があると、金利って論理的には上がらないんですよね。どっちかっていうと。なんだけど、株が上がらないと困るから、株は上げていくと思うんですよね。

残間　そういった操作って簡単なの？

大垣　簡単じゃないですけど、今だって、何をやってるかっていうと、日本銀行が株を買ってるんですもんね。
それってもう、僕らが習った経済学でいうと、もう、ええっていう、ぐらい、とんでもないことで。株を買うんですか、みたいな話なんですよ。なんですけど、それぐらいしてでも、やっぱり、成長をしてるっていうことについてコミットしないといけないので。これはやっぱり、銀行にお金を預けておくべきかってことをちょっと思っちゃったりして。

水谷　こんなに預けてて、１円？　みたいな。

大垣　そうなんです。減らない。だから株を買っていいかっていうとよく分からないんですけど。

残間　何もしない。

大垣　うん。いや、そうなんですけど、あんまり結論になってなくて申し訳ないんですけど。ただ、前は、貯蓄から投資っていう意味が、前は、させたい感じだったんですね。今は。

残間　今はさせたくないの。

大垣　今は、そういうふうに思ってるやつらに、ちょっと乗っかってもいいんじゃないか。分かります？　民主党になる前の偉い人がおっしゃってた感じでいうと、「株が上がってもらわないと困るんだよ、なんだよ国民が貯金ばっかりしやがって、もっと株買えよ」っていう雰囲気だったんですけど、上げるために買わせる雰囲気だったんですけど、最近は、上げないと困る人達っていうのがそっち側にいるので、それに引っかかってると、いいんじゃないかっていう意味で、貯蓄から投資へっていうのもありかな、みたいな。その、なんか、それがすごい新鮮だったの。今年、年を超えて、そんな状況なのかもう、みたいな。

水谷　とりあえず、何もしないでじっとしています。

大垣　要するに、すごくバラ色のことがないから、何をしても必ず大丈夫っていうのはないんですけど、ちょっと筋目が変わってきた。