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【リスナーメール】ふらっと35はどうして低金利なの? 普通の銀行と何が違うのでしょうか

鈴木 大垣さん、きょうは。

大垣 きょうは、出来レースじゃないかっていうような質問がありまして、匿名希望さんからで。前略、お尋ねしたいことがあります。住宅金融支援機構ってありますよね。そこのフラット35って、なんで低金利で融資ができるんですか、普通の銀行とどこが違うんですか。っていうことで。この仕組み、わたしが考えたことになっているので、お答えしますみたいな。

残間 みんなそう思うよね、どうしてって。

大垣 あのね、安いのかどうかって、金利が低いっていうだけだったら、銀行のほうが低いです。それはなんでかっていうと、そのうち金利が上がってくれば、それにつれて上がるタイプなので、その分最初は短い金利っていうんですかね。期間が短い金利ほど安いので、一般的には。それで、当面安いっていうことなんですけど。フラット35って、35年間全く金利が変わらないんですね。それと同じことを銀行がしようとすると、かなり高くなるんです。相当高くなるといったほうがいいんですけど。で、なぜそういうことができるんですかっていうとですね、実は、住宅金融支援機構自体は、貸すお金をどこかから預金みたいにして、みんなから借りてるわけじゃなくて、住宅ローンが出ますよね。出たら、月に大体、どのくらいかな。1000億くらい出るのかな。それを全部ぎゅっとまとめて、それで、国債みたいな、証券にして、それを野村證券とか、みずほ証券とか、そういうところに頼んで、投資家の人に売ってもらってるんですね。そうすると、住宅金融支援機構っていうのは国と同じ、特別行政法人っていうんですけど、基本は国なので、国債とかと同じで、銀行みたいに潰れないので、潰れないとみんな思っているので、非常に低い金利で。

残間 たとえば3000万借りるでしょう、ローン。

大垣 うん、そうすると、借りるって思ってらっしゃるけど、会社から見たら貸したわけで、そうすると、貸したっていう債権を持ってるじゃないですか。

残間 そうか。

大垣 で、債権って財産みたいなものでしょう。それを売るわけ。だから、1000万円で貸したら1000万円で売るの。で、その間で、ちょびっと手数料をもらってるんですけど、自分でお金を調達しないでいいので、ローンの販売店みたいなもののこと。

残間 それができるっていうふうに素人の人は思わないんだよね。自分が借りたローンが、別のところである形になって、売り買い、買ってもらってるってこと自体が、みんな分かんない。

大垣 貸した人も、みなさんのところへ行って返せとは言えなくなっているので、そういう意味では別段あれなんですけど。

残間 変な人から借りて、変な人がおい返せよと言ってくることは絶対ないわけ。

大垣 ないです。だから、順番が違うわけ。普通は預金が先になって、お金があるので貸すわけですけど、この場合は貸してから、売るものに変えて、それをどうやって変えるかっていうのが、わたしが3、40年やってる仕組みなんですけど。

残間 まず、貸すっていうこと自体が、信用があってやってるわけだからね。

大垣 今度は、35年なんてめちゃくちゃ長いものなんですけど、買った人は逆に債権なので、それを三日だけ持って3日後に売ろうとか、1週間ぐらいわたしは持とうかなって、そういうふうにすると、金利が上がったり下がったりすると、国債と一緒で、値段が上がったり下がったりするので、それでまた、それをそこで、売った買ったで儲けてる人がいるんです。それで、銀行が35年持つとかっていうと、かたやで預金は1年もないものなので、そうやって金利が上がっちゃったら大変なので、なかなかそういうことはできないんですけど、35年のものをマーケットに置いて出すと、じっと持ってるわけじゃなくて、売った買った、売った買ったしてくれるので。

残間 そういう人がいるんだ。

大垣 そうですね。それはもう、いま、買うものがないので、国債も日銀がばごっと食べちゃうので、なかなか欲しいものがないので、またそれが高く売れるんです。

残間 じゃあ、ローンも、しかるべきところから買ったほうがいいってことなんだ。

大垣 そうですね。そういうふうにしておくと、昔こういうことがあったんです。住宅金融公庫って言ってたときに、金利が高い時代に、大蔵省から郵便貯金のお金を借りて、それで貸してたんです。昔はね。ところが、そういうことをやると、例えば5パーセントのときに貸したローンが、2パーセントぐらいに下がると、銀行の人が「なんで5パーセントで借りてるんですか、うちのだと2パーセントよ」とかって言って、借り替えさせちゃうんですね。そうすると、かえってくるじゃないですか、お金が。それを大蔵省に返したいんだけど、大蔵省は返させなかったわけ。なんでかっていうと、5パーセントでせっかく回ってるんだから、返ってきちゃって、次貸して2パーセントになると、3パーセント損しちゃうじゃないですか。そんなの知らねえっていうことで、住宅金融公庫のほうに何千億も損が溜まって、それはもうやめようっていうことで、今の住宅金融支援機構に変えたので。同じことが起きないようにしないといけないっていうことで、そうやって、投資でも売っちゃえば、仮に、実はそれをまた銀行が買ったりしてるので、そうすると、Aっていう銀行の人が、そのパッケージした住宅ローンを買ってるとしますよね。それで、その買ってる部署は証券の投資のところでしょう。で、ローンの人が、なんでそんなん買ってるんですか、こんなに金利が高いのにって言って、うちのローンにしなさいって借り換えをさせると、お金が帰ってくるんですけど、そうすると、その証券で売ってる人のところにかえってくるので。

残間 ふーん。

大垣 自分で借り換えをすると、自分に戻ってくるっていうふうになっていて、住宅金融支援機構には損がたまらないようになってる。

残間 そういうの考えたの。

大垣 うん。

残間 よく考えたね、どこに儲けようと思う人がいるとか、全然構造が思い浮かばない。

大垣 そういうふうになってると、そうやって返ってきそうなときはまた値段が上がったり下がったりして調整されるので、そんなに誰も痛まなくなるんですね。そんな感じにして。だから。

残間 大垣さんの話を聞いてると、麻生さんが言ってるのと違う意味で、金は天下の回り物って思うよね。情報と知恵の。

大垣 そうそう。ちょっと工夫すると。で、販売店をやってるようなところも、自分で持たないので、結構儲かるんです。

残間 全然わかんないけど、知らないところで回ってるんだね、お金は。

鈴木 ちょっと大垣さんの頭の中をのぞけたような気がしますが、自分では分かっていません。

残間 難しい。