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トラブルが増える外貨建ての生命保険、どんな商品なの?

鈴木 きょうは。

大垣 ここのところ、保険の話が色々賑わってるじゃないですか。それで、この間ちょっと質問にもちらっと入ってたので、外貨建ての生命保険でトラブルが増えているっていうことで。簡単に、なんなのっていうのだけお話しておこうかなと思って。要するに、ドル建てとか、保険なんですけど、ちゃんとお金を払って、もらうときに、亡くなられたりしたらお金がもらえるって、そこは同じなんですけどね。それが、円じゃなくて、ドルになっているんですね。なんでそうかっていうところが問題で。今はもう、あんまり売れないんですね、生命保険って。それで、利回りもものすごく低くなってますでしょう。円以外の通貨だと、まだ金利が高いので、それでやると、なんとなく儲かる感じがするので、そっちでやるしかねえな、みたいな話になっているわけなんですけど、あんまり合理的なものではないんですよね。変な商品が結構あって、調べてみると。例えば、毎月同じ金額で円の保険料を払いこむのに、ドル建てになってると、率直なところ、ドルの金額って毎月変わってしまいますので、毎月変わってしまうのに、保険のお金はちゃんとドル建てですけど決まってる。もちろんもらうときに、円がすごく高くなってたりすると、お金がたくさんもらえないとかってことはありますけど、それって本当はおかしくて、一定の金額を払おうと思ったら、ドルで同じ金額を払い込んで、ドルでもらわないと、算数があってないので、そうすると、円の金額が変わるはずなんだけど、変わらないやつがあって。

鈴木 ええ。

残間 なにそれ?

大垣 それってどうやってやるのかっていうと、色々、裏話ですけど、そうするとやっぱり、バッファを取っておかないといけないじゃないですか。ということは、その分無駄があるんですよね、ちょっと。そういうものばっかりじゃないけど、そういうのもあって。

残間 それは、基本的に保険会社は損しない仕組みになってるの?

大垣 ああ、絶対保険会社は絶対に損しないようになってるので。

残間 その幅は、どっかで誰かが。

大垣 それは、通常お客さんなんですけど。保険の商品って、基本的に生命保険会社は絶対に損しないようになってるので、まあ、今みたいな作り方をしてあると、多分かなり幅が出ちゃったりするんじゃないのかなって思ったりします。そうでないと、ドルで保険を買ってるっていうものなので。

残間 こんなに昨今、アメリカがいろんな情勢で、ドルが急に上がったり下がったりしちゃ。

大垣 ドルが上がってくれる分には円でたくさんもらえるので、構いませんけど、それって、死んだときにもらうものですよね。だから、何をしているのかっていうのがイマイチ、合理的じゃないっていうか。例えば、地震の保険を企業がかけるときはドルでかけるんです。それはなんでかっていうと、日本で大地震が起きてると、必ず円は下がってますよね。だから、ドルでもらったほうがいいし、もしかしたら円の交換がもう止まっているっていう危機的状況かもしれないじゃないですか。そういうのはドルでかけるっていうことに意味があるので。

残間 確かにね。

大垣 そういうのはドルでやったほうがいいですよ、みたいな話になるんですけど。

残間 びっくりするよね。

大垣 俺が死んだときにドルが欲しいだろうっていうのは、なんだかよく分からないっていうか。まあ、分かるっちゃ分かるか、俺が死ぬようなときは日本は最後だって。すごい自信満々な大垣先生が子どもたちのために「だから、ドルでかけといてやるよ」って、なくはないと思うけど、一般的には、やっぱり、金利が低くなりすぎて、損してる感じがするんです。円で保険を作ると、運用がちゃんとできないので、マイナスみたいになって。本来はマイナス金利じゃないんですけど、当然ものすごくたくさん手数料とか取ってますから、マイナスなんですよね。だから、成り立たないのでドルにいっちゃってるっていう、多分事情があるので、そんなに合理的なものではないので、そんなに保険を買いたいんだったら。

残間 保険会社が勧めてるの?

大垣 要するに、円の保険で勧められるようなものを作るのが極めて困難なので、多少良く見えるようなものをやろうとするとドルになるみたいな。

鈴木 将来、ドルのほうが高くなりますから、このほうが得ですよって、私は言われた気がします。

残間 えっ。

大垣 そんなこと言ってたら、違法ですよ。

鈴木 そうなんですか。

大垣 そんな断定的なことを言ったら一発で終わり、言ってないと思いますよ。

鈴木 統計を見ますとみたいに、言われた気がしますけどね。

残間 言ったとも言わないともな言い方してるんだよ、きっと。

大垣 だから、保険で博打をするべきではない。死んだときに心配なんだったら、それは単に、都民共済とか、会社のやつとか、安いやつで、貯金性が別になくったってみんなで助け合う保険を買っておけばいいわけで。それで将来ドルが上がると思うんだったら、別に、それはそれで、ドルの投資をすればいいわけで。

残間 (笑)。保険でわざわざね。

大垣 別に、わざわざそんな、ややこしい、難しい、ぐるぐる回りみたいなことを市内でもいいと思うんですよね。

残間 なんかでも、みんなドルだと、こっちが凹んだときに向こうがいい感じがするっていうイメージが。

大垣 死んでますからね、もう。

残間 死んだ子供にって。もしかしたら、日本は大変かなって。

大垣 子供は期待してないから。そもそも生命保険って、僕らかけてる意味はどこにあるの、みたいになってきますよね。だから、子供に残してあげたいっていうときに、運用の話と、保障の話を、あまりごっちゃにしないで、それは一個一個分けて考えたほうが。

残間 確かにね。

大垣 いいっていうか。作ってた私が言ってるんで、泥棒に泥棒のやり方を習っていると思って聞いていただくと、だいたいそういうことをやってるときは、ちょっとズルしたいなっていうか。ズルじゃないんだけど。

残間 聞いてらっしゃる皆さん、これが世の中の本質ですから。

鈴木 (笑)。

大垣 やっぱり商売なので、違法なことは一切やってないんですよ。でも、作る側の事情が入ってないことはあんまりないので、あんまり複雑になってるやつは、分かりにくいものは買わない。とにかく、複雑な金融商品はあんまり考えないほうが。

鈴木 シンプルなほうが。

大垣 自信ある人はやってください、でも、一般的には。

鈴木 きょうは、外貨建ての生命保険のお話でした。