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リスナーメール:信託銀行と普通の銀行はどう違う?

鈴木 きょうは。

 

大垣 きょうは、いつもお便りをいただいております、ラジオネームコロンボさん。東京都板橋区にお住いの方ですけど。「最近、テレビで信託銀行のCMをよく見かけるのですが、そもそも信託銀行と普通の銀行はどう違うんですか」って。これ、出来レースかっていうようなご質問を。意外と知らないでしょう。

 

残間 知らない。信託がお金持ちの人がやるのって感じ。

 

大垣 結論から言うと、普通の銀行です。昔は違ったんですね。昔は何が違ったかっていうと、戦後の、いわゆる復興期は、普通の都銀とか、地銀とかって言われている銀行は、預金でお金を集めて、お金を貸す。その中で、もうちょっと長めのお金を集めて、ダム作ったりとか、溶鉱炉を作ったりとか、そういう貸し出しをしないといけないよねっていうことで、預金じゃなくて、貸付信託って、お年を召した方は聞き覚えがあるかもしれませんけど、お金を集めて、貸付で運用をする信託っていうのを使って、お金を集めるっていうことをしなさいっていう。結局預金と何も変わらないんですけど、そういう、住み分けをしたんですね。短いお金をとるひと、ちょっと長めのお金を集めて長めに貸す人っていうふうに。で、あんまりお互い喧嘩しないで、お金を供給しなさいってやってたんです。ですから、その頃の名残で信託銀行っていうのがあるんですけど、今は、信託って言っても、基本的には普通の銀行と変わらないですね。で、ちょっと違う部分があるのは、投資信託ってありますよね。あれって、証券会社とか、証券会社の子会社の投資信託の会社が運用するんですけど、実は、株とかを持つのは、そこが持ってるんじゃなくて、信託銀行が投資家の皆さんに代わって持ってるんですね。それで、そういう、人に代わって財産を預かってあげるというのが信託の仕事なんですけど、それで、信託銀行の人は信託っていう業務ができるので、信託は私たちに預けなさいと。信頼ができる銀行ですからと、言うんですけど、実は、もともとやってきてることが非常に、定型的っていうか、この商品とかってきちっとやってこられていることと、テーラーメイドでやるとやっぱり手間がかかるので、信託銀行って、先ほどちょっとおっしゃったように、数はすごく少なくて、必ずしも全部の県にあるわけじゃない。割と大口のお金を集めて、お金持ちの方とやってきたということもあって、例えば私ら庶民が、ちょっと何千万ぐらいのお金を、老後が心配なんでとかっていうと、ちょっと前だと、そんなはした金は持ってこないでほしい、みたいな雰囲気があった。

 

残間 一億なんて、はした金だったわよね。10億以上じゃないと。

 

大垣 1億なんて、言葉は悪いけど、ゴミぐらいのことを言う雰囲気があった。

 

残間 相手にしませんって、平気で言ってたもんね。

 

大垣 今はそんなことはおっしゃらないですけど、それにしても、テーラーメイドに色々やってもらうっていうのは、銀行の支店に行ってやってもらうことじゃなくて、それは、同じ信託っていう言葉を使いますけども、自分の老後について長男と信託の契約を結んで、当面は自分の財産は自分で管理しますけれども、もし自分が認知症になったときは、そこからはお前が受託者っていうんですけど、僕の財産を信託してもらう立場で、自分の名義で、自分の名前で私のために管理してくださいと。私がその後亡くなったら、長男が、信託になった財産というのは相続しないので、私が書いた契約の通りにきちっと配分をしてあげてくれというふうに、自分の財産を、認知症になったり、死んだりとかって、自分のコントロールができなくなったあとのことまで、今契約をしてしまえるっていう、そういう仕組みなんですよね。それは、もともとイギリスでできた制度で、本当にきめ細かくやるっていうんだったら、民事信託っていうんですけど、私人間でやって、ただ、それをやるときにもちろんお金は銀行に預けたほうがいいし。

 

残間 なんか、友人の親御さんが、信託銀行に自分の財産の、お父さんが、割り振りもして信託に預けてあるからって言ってるんだって。娘の、私の友人は、自分にいくらどうくるかは知らないわけ。それは、銀行とお父さんだけが。

 

大垣 それは、教えることもあれば、それは、どういうふうに契約をするかですね。

 

残間 そうすると、仮にお父さんが亡くなった後は、銀行は、それを采配するの。

 

大垣 銀行が勝手に采配するわけじゃありません。銀行が決められた通りにやってくれるっていうことですね。そのときは、遺言ですよね。遺言だとやり方も変わって、今回民法が変わって、随分やりやすくはなってるんですけど、やっぱり形式を間違えると無効になったりとか、きちっと裁判所が絡んでいたりとか、執行人を入れるとか、そういうめんどくさいんですね。遺言っていうのは。さらに、認知症になったところからは遺言はできないので、そういう意味では、非常に自由に、自分の財産を自分で組めるっていうことで、トレンドとしては、普通の個人同士でやろうねっていうのを銀行がサポートしている。そのサポートする銀行の機能は別に信託の機能じゃなくて。

 

残間 信託って、でも、みんな、シンプルにいっちゃうよね。信じていこうっていう。

 

大垣 ちょっと、信託銀行っていうのが信託をやっているっていうのは、そうでもなくて、これからようやく信託を普及させていかないといけないっていうことになっているんですね。

 

残間 なるほど。