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リスナーメール:家を売っても住み続けられる「リースバック」ってどんな仕組み?

鈴木 大垣さん、きょうは。

大垣 きょうは、お便りをいただいておりまして、東京都足立区の匿名希望の女性の方。60歳ということなんですけれども。最近、テレビで家を売ってもそのまま住み続けられるというCMが流れています。友人に話したら、それは最大10年で、しかも家賃を取られるとのこと。10年後に行き先がなくなったらホームレスにならないのかなと思います。ネットで見ると、リースバックという方法らしいんですけど、どこにも10年先のことが書いてありません。今入ってくるお金が大事なのか、年金で細々と暮らしたほうが良いのか、実際のところどうなのでしょうか。国民年金と、少しの貯金しか、この方はないんだそうです。そういう方でも、分かるように教えてください、ということなんですけど。結論から言うと、これはやらないほうがいいですね。家を今お持ちなんだと思いますから。

残間 これってリバースモーゲージなんかとは違うの?

大垣 リバースモーゲージとはちょっと違います。これ、念頭に置いているのは、ローンがある方なんですよね。それで、どっちにしてもローンを返さないといけないので、ちょっともうしんどいなと、お年を召して思われたときに、このやり方がいいかどうかはともかく、このやり方はどういうふうにやるかっていうと、その会社さんに家を売るんですよね。売って、代金で返せばいいようなもんなんですけど、そうやってスッキリしちゃうと住むところがなくなるので、そこで、買った会社が、売った買ったに、今度は貸してくれるんですね。リースバックっていうことで。それで、家賃を取るんですけど、家賃がローンと同じだったら意味がないので、少し安くなるんです。なぜ安くなるかっていうと、たとえば全く条件が変わらないとしても、ローンを返してる間は元本を返していってるんですけど、売った後は、今、会社側は、金利分をもらえばいいわけなので、おそらく3分の一ぐらいに減るので、負担が。おそらくそれにちょっと利を載せてるでしょうから、多分半分ぐらいになるんじゃないでしょうかね。

残間 なんで10年って決まってるの。

大垣 それで、それをずっとやっていたら単に親切な人なので、会社的には、それで、だいたい10年ぐらい経つと、もう上物の価値がなくなってきますよね。そうすると、売ったら土地代になる。そういうことで、10年ぐらい経ったら、たとえば実家があるので戻ろうとか。

残間 田舎暮らししようとか。

大垣 とりあえずそういうことも、完全に決まっているわけじゃないけれども、今のお金が大変なので、このまま返せなくなるよりはって。

残間 だけど、この方まだ60歳でしょう。まだ若いじゃない。10年っていうとね。

大垣 この方はローンがないわけですよ、おそらく。だとすると、これをやる意味は全くないです。別に、特段お金が出ていかないんだったら、住まれるか、足立区のところがいいお家だったら。

残間 JTIに借りてもらえばいいじゃない。

大垣 うちに貸せば、うまいこといけば10万、場所にもよりますけど、8万から10万ぐらい入ってくるので、置いておいたまま、むしろその家賃でね。

残間 そうか、これはローンのある人のものなんだ。

大垣 高齢者にも優しいマンションとかありますよね。施設じゃなくてね。60歳ですから、まだまだ元気なんですけど、ちょっと気分を変えてそっちに行ってみて、持ってりゃ、また戻って来ればよかったりとか。家があるんだったら、そうしたほうがいいですね。

残間 そうだよね、意味ないよね。家があるのにね。

大垣 またお話ししますけど、ローンがある方も、売ってなんとかしてもらうパターンじゃなくて、だいたいですけど、35年の住宅ローン借りられてる方だと、25年から30年目ぐらいのところまで、返していれば、住宅金融支援機構のやってるリバースモーゲージっていうのに、ローンを全部借り換えてしまえばいいんです。そうすると、うまくすれば、ローンが1割か2割に返済が減りますので、そちらでやられたほうが、家を手放さないまま、売って借りるんじゃなくて、持ったまま負担が減るので。一般的には、理論的に言えば、そちらのほうが有利です。そういうことをやってみられるほうがいいですね。

鈴木 足立区の匿名希望さんからでした。