JOQRテーマ一覧

リスナーメール:法人税を1円も払わない大企業のニュース・・・どういう理屈でそんなことが可能なの?

鈴木 きょうは。

大垣 きょう、ちょっと難しい質問が来てましてね。メール。ラジオネームコインロッカー公園さん。世田谷区にお住いの方ですけど。ソフトバンクのことだと思うんですけど。「企業への投資とか、携帯電話をはじめとする、事業を行なっている企業が、最近日本で、1円も法人税を払わないというので、ちょっと話題になったですよね。どう考えても、数千億円の利益を上げているはずなのに、携帯電話をやっているだけでも。なんでそんなことができるの? 給料生活の私もそういうことってできるんですか?」と。

鈴木 自分に落とし込んで。

大垣 無理ですから、そこはいいんですけど。興味本位で言えばどういうことが起きたかっていうと。聞いたからなんだっていうことですけど、こういう、世界で仕事をしている会社って、海外で儲かったものを、全部常に日本の本社に持ってきてるものじゃなくて、1円も税金がかからない、タックスヘイヴンって昔ありましたよね。ああいうようなところに会社を置いて、そこに利益を溜め込んでることが多いんですね。それで、そこからまた他のところへ出て行くと。日本へ全然儲けが帰ってこないのと、利益がないので。昔はそれでも、持ってこさせようということで、日本で税金をかけてやれって思ってたんですけど、最近は、景気があんまり思わしくないようなときには、そんなことより、日本にもう一度お金を還流させて、投資をして、日本で仕事がいっぱい出るようなっていうことをしてもらいたいからっていうことで、海外で買ったものを、配当とかで、日本に持ってくるときに、税金をかけないっていう、特別扱いをしてるわけなんです。そうやって、これはアメリカがはじめにはじめたんですけど、彼らが置いといたまま。要するに、かけるぞって言ってると誰も持ってこないから、日本にお金が入ってこないので誰も使わない。だから、かけないから持ってこいよと。そのお金が還流するほうがいいじゃないかっていうのをやっていました。その会社も、それを使って、長年貯めた利益を株の形になってたんですけど、配当したんです。そこはそういう趣旨でやってるから、税金がかからなくなった。でも、それだけのお金をズドンと払っちゃったってことは、払った元の会社は財産がなくなって減ってますよね。だから、本来その会社の株価っていうのがいくらかなって考えれば、台頭したあとだとかなり減ってないといけませんよね。今度は会計のあやで、そこが必ずしもぎゅっと縮めなくてもいいっていうことで、元々の値段のままついてたんですね。それを、別に今度は外に売ったんで、損が出る形になるじゃないですか。本来は出すときにキュッと縮めてれば、縮んでるものを売っているだけだから損は出ないんだけど、そういうことをしなかったから、高いままになってるのを、本来の価格で売れば、損失が出たことになりますよね。この損失を自分の儲けとがっちゃんこすると、利益がなくなるということで。

残間 相殺されちゃう。

大垣 ということで、持ってくるときは税金がかからないで、持ってきた分で損が出たやつは、損として持ってきて、利益にぶつけるという。こういうことをやって、全体としてみるとおかしいんですけど、どの一つ一つもすごく合法的にやられているので、結果的にこれはダメだなということで、国税の人も税金をかけるのを諦めるっていう。

残間 それって、今の時期って言ったけど、時限的っていうこと?

大垣 時限的ですね。常にそういうことにはしないんだけど。

残間 経済の動向を見て。

大垣 本来おかしいわけだよね。持ってきたらかけるべきなんですけど。

残間 よく考えつくよね。

大垣 私がいた会社はそういうことをやっていた。

残間 その人は、持ってきてくださった人は、できない。

大垣 すごく頭がいい人をいっぱい雇えて、すごく研究しないと、なかなか難しいんですけど、特に最近は難しくなってきてますけど。また折に触れて、個人でやられてっていうのも、お話ししたいと思います。

鈴木 家とお金を考える、大人ライフアカデミーでした。