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『新明解国語辞典』が面白い! 紋切り型でないパワフルな、「読んで面白い」辞書とは

鈴木 聞いて得する家とお金のお話。大垣さん、今日は。

 

大垣 きょうはどっちでもなくて、国語の勉強です。

 

鈴木 はい、国語。

 

大垣 新明解国語辞典って知ってますか。

 

残間 知ってるよ。

 

大垣 有名なやつ。面白いでしょう、新明解国語辞典

 

残間 結構。やんちゃ。

 

鈴木 紋切り型でない。

 

大垣 やんちゃでしょう。その新版が出たの。11月に。それで早速、業界では明解さんと呼ばれていて、とっても面白いので、まさに広辞苑と比較して表を作ってみました。最初から面白いんです。高齢っていうのを引くと、工事園は年齢が高いことって書いてあるんですけど。

 

鈴木 分かりますね。

 

大垣 明解さんは、高年のため人生経験は豊かである反面、体力気力の衰えを意識せざるを得ない状態にあること。

 

残間 いいね。

 

鈴木 そこまで書いてくださってるんですね。

 

大垣 そうですかって。

 

残間 人生経験は豊かである反面って。豊かな人もいれば、じゃない人もいるし。

 

大垣 それから、加齢はね、新年、または誕生日を迎えて年齢が増す事っていうのが広辞苑でね。

 

残間 エイジングね。

 

大垣 壮年期を過ぎた人が年を経るに従って老いへの道を確実に辿る事って。別に確実にって言わないでもいいじゃないかってね。「若い」ってのがまた面白くて。生まれてから年月を経ることが少ないっていうのが広辞苑なんですけど。子供だと捉えられる段階は過ぎているが、中年には達していない年代で、肉体的な機能が充実し気力活力に満ちていると捉えられる状態にある様子だ。また、年齢の点では中年以上であっても気力活力の点では中年以下の人と変わらない様子だ。っていう。この、また以下が全く無駄ですよね、なんか。

 

残間 でも、ほら、ね。若さっていうのは人によるとか、青春はずっと生きてる限りとかって人のためのフォローがちゃんとできてるよ。

 

大垣 そうですね。それから、虫が面白くて。広辞苑では、本草学では人類、獣類、鳥類、魚類以外の小動物の総称って書いてあるだけなんですね。

 

残間 昆虫など。

 

大垣 こっちはすごいんです。湧くようにして生まれてき、地上を這い回ったり、池、川や海中、地中に住んでいたりする小さい動物って。

 

残間 湧くように生まれてきてって。

 

大垣 湧くように生まれないといけないんですよ、虫って。

 

鈴木 ここが導入なんですね、すごい。

 

大垣 で、ついでに、虫の知らせは、何の根拠もないがなんとなくそのような気がすること。なんですけど、広辞苑では。自分にとった妙な行動や何かから受けた嫌な感じは偶然そうなったのではなく不幸な出来事に対する予感であったと思うこと。多く、のちになって思い当たった場合に用いるって書いてある。

 

鈴木 あとで気づくって。

 

残間 相当この書いてる筆者っていうか、作者が、面白い性格だよね。

 

大垣 面白いですよね。もっと面白いのが、そのついでのゴキブリ。これは、広辞苑は、シロアリ類を除くゴキブリ目の昆虫の総称なんですけどね。明解さんは、台所を始め家の中のあらゆるところに住む、油色の平たい害虫。触ると臭いって書いてあって。この人触ったんだっていう。

 

鈴木 知らなかった。

 

大垣 普通触らないですよね、あんなもん。なんで国語辞典に触ると臭いって書かないといけないのかっていう。

 

残間 面白いね。

 

大垣 なんかね、怪人。神出鬼没で次にどんな行動をとるか予想もつかない人。これは普通かな。根強い。これもなんかいろいろあったんだろうなこの人って思うんですけど。広辞苑は、根元がしっかりしていて強い、容易くは揺るがないってことなんですけどね。必ずしも好ましいとばかりは言えないのに、そうする仕方に慣れすぎていて、容易には変わらない、変えられない様子だ。他から加えられる圧力などに屈することなく初期の目的を貫き通そうとする様子だ。

 

残間 この、「〜だ」って言い方って普通、辞書にないよね。

 

大垣 そうそう。

 

残間 なんかこの人、言い切ってるよね。

 

鈴木 ね。

 

残間 なんとかだって。誰が書いてるんだろう。

 

大垣 誰なのか分からない。

 

残間 ゴキブリ触ると臭いって。

 

大垣 臭いんですって。この人、いろいろ頑張ってるんですよね、自分で。塩はね、塩化ナトリウムを主成分とした塩辛い味の白色の結晶なんですね、広辞苑は。それが、新明解は、生成したものは一見砂糖に似る白い結晶。人間の生活に欠くことのできない調味料だが、一度にたくさん舐めると舌を刺すような刺激があるって書いてあって。

 

鈴木 舐めたんだ。

 

大垣 一度にたくさん舐めたんだこの人っていう。

 

残間 ふーん。

 

鈴木 ゴキブリを触って、塩をたっぷり舐めたことのある人。

 

大垣 それで、手締めっていうのを引くとね、ことの決着を祝って行う揃いの拍子って書いてあるんですけど、似てるんですけど、物事の決着や成功を祝って、関係者一同が掛け声に合わせてする拍手の後にね、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンと聞こえるように調子をとるって書いてあって。

 

残間 本当に書いてあんの、これ。辞典に。

 

大垣 書いてある、書いてある。わざわざこんなにたくさん字数とってシャンシャン書かないでもいいだろうって。

 

残間 面白いね。

 

大垣 すごいおかしいんです、新明解って。だから、大変売れていて割と安い辞書なので。

 

残間 そうなんだよね、カジュアルな感じするんだよ。

 

大垣 ぜひ、冬のコロナで外に出られないときに。

 

残間 面白い、買ってみようっと。

 

大垣 新明解さんをパッと開いて。大体、見開き2ページに一つぐらい、こういう変なのがある。すごい面白い。

 

残間 探してみよう。

 

鈴木 ありがとうございます。

 

大垣 新版になってもそのパワーは全然衰えていなかったので。

 

残間 余計もっとすごくなってるかもしれない(笑)。

 

鈴木 人柄を想像してしまいますよね。

 

大垣 というわけで、ゴキブリは触ると臭いので触らないでください。以上であります。

 

鈴木 大人ライフアカデミー2020でした。