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リスナーメール:不動産投資信託って一体何? できた経緯やメリット、選ぶポイントについて

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 聞いて得する家とお金のお話、大垣さん、きょうは。

大垣 きょうは、東京都板橋区コロンボさん。いつもメールを頂いてます、ありがとうございます。毎週興味深く聞いています。不動産投資信託について、投資する際や選ぶポイントなど教えて頂ければ幸いです。わりと直球の質問が来てます。

残間 ふーむ。

大垣 前ちょっとやりましたかね、不動産投資みたいなの。

残間 やったかもしれないけど、忘れた。不動産って何? そんなのにそんなことするの。

大垣 不動産って、昔は、ビルをとにかくドンと買って、それで土地が上がりますよね、だんだん。80年代ぐらいになると、小口家って言って、それをみんなで投資して、一口1000万円とか、一億円とか。当時その時出てきたのが、覚えてらっしゃるかな、ワンルームマンション。

鈴木 はいはい。

残間 この間のは違うの。みんなで。

大垣 そうそう。

残間 あれも不動産投資の類。

大垣 で、それがいろいろ問題が起きてきたんだけど、その頃までは、とにかく土地が上がりますからいいじゃないですかとかって、うえは償却資産とかって言って、税金がちょっと高くなるので。それから、相続の対策になるとかって議論になった。ところが、本当は不動産って、例えば同じビルでも、大垣がそこを管理するか、それとも森ビルが管理するかだと、やっぱ同じビルでもちょっと違うなっていう感じになるんですね。業界の人で言うと、例えば、だいぶ前の話ですけど、例えばビルの中のトイレがウォシュレットかウォシュレットでないかで、人気が全然変わるとか。

残間 なるほどね。

大垣 ちょっと前だと、インテリジェント床になってて、開けると線が引けるか引けないかとかね。そう言うので、利回り、家賃が変わってくるので。もともとアメリカとかでは不動産って、Real Propertyっていうんですけど。プロパティだけじゃダメで、プロパティマネージャー、経営者みたいな感じで、マネージャーがくっついて、くっつけるとProjectって言うんですけど、それで初めて投資の対象になるっていう。

残間 なるほど。

大垣 そんな考え方は日本も必要だねって、そういうのが出てくると、あんまり土地が上がるといいなって思うっていう形の投資じゃなくなって、バブルみたいなのが起きにくくなる。それをやろうって言うんで出てきたのが、この。証券買う時にやっぱり株をいっぱい入れて、それを持分にして1万円から買える、みたいなのあるでしょう。ああいう感じで不動産を入れて、投資できるようにしようと。そうすると今度は、例えば東京のビルだけじゃなくて大阪のビルをいれるとか、色々入れると、一人で5棟も買えないじゃないですか、ビル。前は、一棟を一回二回三回に切ったりと。今度は5棟を全部ぶっこんでその何分の一とかってやると安定してくるじゃないですか。

鈴木 ああ。

大垣 それともう一つ大事なことは、不動産って売りたいときに売れないんですよね。で、それから、100人で投資してたら、一棟しかビルなかったら全員で売るか売らないかどっちかしかないじゃないですか。そうすると、やっぱり投資して途中でお金が欲しくなるじゃないですか。そうすると普通の投信だったらもちろん解約して、そしたら向こうが株を売って、それでそのお金払ってくれるんですけど。不動産って、「ちょっとお金がいるんで」って言って、じゃあこの辺のブロック一つ持ってくださいってわけにいかじゃないじゃないですか。だから、それを、いったんそういう会社みたいな中に入れちゃって、それを上場するわけ、東京証券取引所に。そうすると、売った買ったができるようになるでしょう。そうすると、不動産自体は売らないでも、不動産の入っている会社の株みたいなものを証券会社の人に売ってもらったら、5万円だけでも売れるじゃないですか。

鈴木 はい。

大垣 そういう風にしてしまうことで、今度はそれに値段がつくじゃないですか。で、それはバブるかもしれないけど、実は会社に入ってる不動産は売ってないので、不動産がバブらないんですよね。株は上がったり下がったりしてる感じで、上がったり下がったりすると、そういうものを作ったんです、2000年ぐらいかな。それが不動産投資信託っていうことで。じゃあ、投資するときどうするんですかって、まあ、株になっちゃってますから、不動産じゃないんですね。だから、配当がもらえるだけ。ただ、普通の株より配当がちょっと高いんです。家賃がもらえるので。3パーセントか4パーセントぐらいもらえるんじゃない。

残間 いろんなものにいろんなお金がつくものだね。今の話聞いてると。

大垣 そうね。

残間 そのものではなくて、そのものを管理したりまとめたりしてるところにもついちゃうっていう、すごいね。

大垣 そうそう。だから、ちょっと違うんですね。やってる人でかなり変わってきたりとか。元々ね、85年ぐらいにアメリカから僕も直接絡んで持ってきて、15年ぐらいかかったかな、日本でそれができるまで。

残間 プロパティマネージメントって色々な広告に最近、この何年出てきますよね。

大垣 はい。

残間 それが入ってないと、価値が一定にならない。

大垣 そう。だから、いい人がやらないといけないし、やっぱり、最近はビルだけじゃなくてショッピングセンター入ってるやつとか、今流行りなのは倉庫とかね。

残間 物流ね。

大垣 物流系のやつがいいですとか。そういうのは小口で買えますので、証券会社行って。

残間 プロパティマネージメントにも資格が必要なの?

大垣 あるんですけど、ないとできないわけじゃないわけ。

残間 経験みたいなもので。

大垣 そうそう。だから、やっぱりそういう大きいビッグネームのとこは割ときちっとやりますよね。株ばっか買ってないで、株っぽいんだけどそれも買っとくと、上がり下がりが同時に、同じように動かないので。

鈴木 リスクを分散するんですね。

大垣 分散になるんですよね。

残間 大変だなあ、そういうの。

鈴木 コロンボさん、参考になさってみてください。大人ライフアカデミー2020でした。