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コロナ危機を乗り越えるために。「つなぎの融資」、ブリッジファイナンスとは? 今後の課題も!

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。
このブログでは、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「大人ライフアカデミー」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 聞いて得する家とお金のお話。大垣さん、きょうは。

大垣 橋づくしということで、まとまらないかもしれないけど。金融でブリッジというと、ブリッジファイナンスっていうのがあるんですけどね。

残間 何それ。

大垣 別に、橋を作るファイナンスじゃないですよ。ブリッジファイナンスっていうのは、あることをやるのに、将来的にはお金が入ってくる見込みがあるときに、そこまでのつなぎですね。つなぎ資金をつけるっていうこと。

残間 融資するっていうこと。

大垣 うん。融資するっていうことをブリッジファイナンスっていうんですけど。今、全国的に行われているのが、コロナで、急に収入が減ったりして、今月の支払いをしないといけないけどどうしようかっていうときに、ブリッジをするんですよね。

残間 銀行が?

大垣 銀行がやりなさいっていうことで。

残間 貸してくれないらしいよ、最近。

大垣 そう。なんか、最近急に、だんだん偉そうになってきているという噂がありますよね。

残間 借りて借りてって言ってたのにね、ついこの間まで。

大垣 そういうところですからね。晴れの日しか貸しちゃいけませんって。しょうがないですね。銀行ですから。でも、そうは言っても今それをやってるんですけど。

普通のブリッジファイナンスっていうのは、そのさきに、例えばパーマネントファイナンスっていうんですけど、そこで株を出したりとか、それから、今度は社債で、今度は10年でちゃんと借りられますとかっていう見込みがあるときにブリッジをつけるんですけど、今回は先が見えない中でブリッジをしてきているので、おそらく、これから。

残間 それは、査定する人がいるわけ。

大垣 いや、査定っていうか。

残間 これは貸してもいいなとか。

大垣 普通のときはもちろん、3ヶ月後にお金が入ってきますから、そこまでつないでくださいって、本当に入ってくるのかいっていうことを見るっていうことなんですけど、今回はそういう問題じゃないので、国の考え方としては、ちゃんと対策をするのだから、そのうち終息はしてくるので、そこまで持てば大丈夫だと。それを短くするのも国の責任なんだから、国としてそこまでその間お金をつけてあげて、つけられるように日銀が銀行にちゃんとお金を供給してってやってるんですけどね。でも、だんだんそうでもなくなってきてますから。

残間 最近ね、そうは言ってもこんなに、もちろん偏りがあると感じてるんですよ、個人的には。融資しているっていうか、うまくお金を流している方向と、全然補填もしてもらえないで苦労している人との格差がずいぶんあるなと思っているんだけど。

大垣 そうですね。

残間 でも、総じて、一兆円ポンと出してみたかと思うと、こっち側は渋っていたりで、バランスがよくないんじゃないかと思う。専門家から見るとどうなんですか、大垣さんから見ると。困ってる人は本当に困っているのに。

大垣 困っている人を助けるのはまた別の話で。本来はブリッジは、本来なら困らないのに、つまり、基礎的な力があるのに、こういうことで今たまたまダメなだけなので、戻れば大丈夫なんだから今潰れるのは忍びないからお金をつけましょうっていう趣旨なんだと思うんですよね。ただ、期限がはっきりしていないじゃないですか。だから、だんだん、銀行的にも、期限はきちゃうので、そうすると、次またつなぎますかっていうと、だんだん不健全になってくるとか、民間の人はどうしてもそうなるので。

残間 そうですよね。

大垣 前、高田くんっていう人が来てくれたことがあったでしょう。経済の専門家で。彼なんかが提唱しているのは、あるところでそれを株に変えたらどうですかって。あれ、僕はすごくいいアイデアだと思っていて。実際そういう方向の議論もされていて。もちろん、何でもかんでも救っていいとは思いますから、ちゃんと選別はしたらいいと思うんですけど、もうそろそろそういうことを真剣にやりださないと、ずっと繋いでばっかりもいかないし、だからといって何かあげますっていうのをずっとやれるわけでもないし。

残間 銀行にも事情はあるし、いろんなところに、みんな事情があるんだけど、なんとなくアンバランスな感じがある、お金の動きに。

大垣 なかなかうまくいかないんだろうね。

残間 予期せぬ、何百年に一回みたいなことが起きるとね。

大垣 そうですね。僕なんかは、別の方の経済の取材を受けたりして言ってるんですけど、だんだんやっぱり会社にとって大事なことが、これまでは成長しないといけないよねとか、経費を効率よく回していかないとダメだよね、というものだったのが、万が一っていうことが毎月起こるので、もう、万が一対応っていうのがどれだけできているかで会社の価値、株価とか、そういうものが決まると。だから、手をこまねいていて、政府がなんとかしてくれるだろうっていうのと、キチッと私はやっていますっていう会社だとずいぶん違うっていうか。

残間 なるほどね。

大垣 いい例が、オリエンタルランド。あそこはすごいんですよ。万が一のときの備えっていうか、工夫するっていうのが。東日本のときでも。

残間 それって、リスクマネジメントとは違うの。

大垣 そうです。大きな意味でのリスクマネジメントなんですけどね。日本は、企業は、欧米に比べると非常に遅れているって言われているんですけどね。

残間 自社でお金を保留することはするじゃない、日本企業って。

大垣 それも、後からですよ。それはたまってきちゃってるだけのところと、意図的に貯める。でも、貯めるとやっぱり株の利回りが薄くなるので。

残間 株主からね。

大垣 言われるとね。

残間 そういうことをするなって言われるもんね。

大垣 そう。それがだんだんむしろ、貯まっているほうがよくなるんだったら、株主に保険料みたいな形でそれは払っていかないといけない、というふうに考えていかないといけないんじゃないかという方向で議論しているんですけど。ブリッジに関連してそんなことを話してみました。

鈴木 ブリッジファイナンスについてうかがいました。大人ライフアカデミー2021でした。