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住宅購入が、「セレブの特権」になる日は近い・・・!? 残価設定型住宅ローンについて

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、今年最初は。

大垣 12/25にメールをご紹介したのと同じ方からのご質問をもう一つご紹介します。

残価設定型住宅ローンについて、番組で延べ2回は聞きました。    
申し訳ないのですが、もう一度、基礎から教えてください。    
先日、車のダイレクトメールを見ていたら    
残価設定の記載がありました。
パッタイさん(横浜市保土ヶ谷区・30歳男性)

残間 色々聞いてるんだね。

大垣 30歳だからだと思うんです。きょうは、車の残価設定型ローンと何が違うのかっていうことからお話をしようと思うんですけど。

車の残価設定型ローンっていうのは、みんな車検が来ると下取りに出して、次の車に乗り換えていくっていうのが、割と一般的で、家族が増えるに従ってファミリーカーに変えていくとかね。

で、そのときは、これまでだと、200万円の車を買ったら、200万円の車を全部返して、60万円で下取りしてもらって、実質140万円になって、次のローンを組むっていう形にしていたのを、最後の60万円のところを最初から織り込んじゃって、200万円返そうと思わずに、140万円返せばいいじゃないっていうふうにすれば、減らす元本がちょっとでいいっていうことになりますよね。200万円返すんじゃなくて、140万円しか返さないから。その分月々の支払いが減るわけですね。そういうふうにして買いやすくしてあげた上に、車の会社からしたら、おそらく、残価を設定したときに次の車に乗り換えてくれるから、昔は僕らの世代は、だいたい、当然のように車検になると、前のよりいいのを買おうか、なんていう。いわゆる、自動車すごろくですよね。そういうのがなんとなくあったんですけど、最近の人はそういうのは当たり前にはなってないから、そこを、ローンでサポートしようっていうようなこともあるんだと思うんです。それが、車の場合っていうことだと思うんですけれども。

家の残価設定型住宅ローンっていうのは、もうちょっとだけある種貧乏ったいっていうか。30歳のパッタイさんが、今から家を買おうと思われると、やっぱり、まだまだ収入がそんなにびっくりするほど大きくなっていない中で、月々、東京で買ったらやっぱり10万、もうちょっとぐらいは。

残間 賃貸で借りてもそのぐらいだから。

大垣 まあ、そのぐらいっていうことですけど。でも、昔は、60歳ぐらいまでずっと給料が上がっていくっていう前提で、自分にちょっと賭けてたところもあったじゃないですか。今なんとかなるんだったら、後々楽になるよねっていうふうに考えて、家っていうものを買うっていうことにしていたと。

さらに、前からお話ししているように、2000年ぐらいまでは25年が住宅ローンの標準だったので、だいたい退職のときには返し終わっている。

残間 完済している。

大垣 ところが、今は、少なくとも国税庁なんかの資料を見る限り、55歳のところで給料はピークですと。そこから、60歳過ぎに向けて、どんどん給料の水準っていうのは一般的には下がっていくわけですよね。そうすると、30歳でこれから検討なさって、35歳でローンを組まれたら、70歳まで返すわけですので。

残間 35年ローンがね、今ね。

大垣 そうすると、最後の15年ぐらいが、給料が下がっていく局面になるんですけど、そのときが自分にとっては人生の転機になりますよね。今、子供は、おそらく、小学校に入ったばっかりの子供がいて、やっぱり家買おうか、今の借家だと狭いしねってなってから、どんなに想像できても、15年から20年ぐらいだと思うんですよ、子供と一緒に生活するっていうのは。

残間 35年後はちょっと無理だよね。

大垣 さらに、子供はそのあと、大学を出て行ってますよね。大学を出ていくってふと思うと、最近は皆さん、晩婚だから、まさに55歳ぐらいのときって何が起きてるかっていうと、子供が大学でしょう。

残間 お金がいる。

大垣 お金が一番出ていくとき。僕らの頃は、40代がそれだったんですけど、おそらく10年ぐらいずれていっている。そこへ持ってきて給料が下がる、住宅ローンは15年残ってる。

残間 うーむ。

大垣 っていうのを冷静に考えたとき、家って買えるのか? っていうのが、根本的な疑問に、これからの若い子達ってなると思うんですよ。なので、一番理想的なのは、55歳のところで残価設定っていってるんですけど、10万返しているものが、3万円とか4万円とかに減らないといけないんじゃないか。でも、減らすってどうやるんだろうねと。単に減らすわけにはいきませんよね。そうすると、そこからやたらと長くすれば、3万円に減らせますよね。でも、長くしようと思ったら、家が長く持たないといけないし、担保が長く持たないといけない。でも、それって売ったら二束三文っていうのは、皆さんご存じの通りなので。それで貸したらって考えて、この番組でお話ししているように、30年住まれて、40年住まれても、10年間で1000万円もらってる方っていらっしゃいますでしょう。家賃の価値って非常に高いので、その家賃の価値を上手に使って、その担保力で、長く借りられるようにしてあげて。

返せるんだったらいつでも返したらいいんだけど、とりあえずは返済額を減らしてあげて、人生設計がだいたい50代から60代のところで変わるという前提で返済額を抑えてあげるっていうことを、借りるときに確実にしてあげる。そうすることで、家を買うことの不安が。

残間 取り除かれる。

大垣 のではないでしょうかっていうのが、残価設定型住宅ローンの一番のポイントで。なんで残価かっていうと、そのポイントっていうところを、今は、JTIが保証してあげるっていう、残価保証をつけるんですね。それで、銀行の方が、それを使って、保証してもらえるんだったら、そこ以降はもう少し長く貸しても大丈夫ですねと。

残間 それなりの家がないとダメですよっていうことだね。

大垣 そうですね。それって、国がしたいことなので、少し高めの家でも安心になるし、そこから10万円が3万円になれば、絵が描けるし。それで余裕が出てくるんだったら、返済してしまえばいいわけだしっていう。人生のオプションができるわけですよね。

残間 大垣さん、こういうの考える人なんだけど、言われてみると、考えたあとに聞くと、なるほどそうですねと思うけど、誰も考えてなかったから、考えるのは大変で、15年かかったんだよね。

大垣 そういうことですかね。そんなことで、今年はそれをより、ようやく出来上がりましたので。まだ完成したところなんですけど。

残間 分かりやすくみんなに伝えていく。

大垣 大きくしていこうと思っているということです。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2022でした。