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30年前は、退職金の預金利息で年収100万円だった?!

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 メールをいただいています。    

母が亡くなり、実家のタンスを整理していたら、    
底に1976年の新聞が置いてありました。    
そこに出ていたのが「日本興業銀行」の広告で、    
「興銀の債券貯蓄 ワリコー 年7.388%」って!    
なんですかこれ!    
なんで昔はそんなことが可能だったんですか?    
大垣先生、ぜひ教えてください。
(ぱいびょんさん、58歳、女性)

日本興業銀行って、私が勤めていた銀行だ。

残間 (笑)。そうか、興銀だもんね。

大垣 これ、ワリコーって1年なんですよね。

鈴木 1年・・・。

大垣 1年定期、感覚的に言うと。でも、実はこの頃の国債って、国の借金は、8パーセント超えてるわけですよ。だから、まあ、経済が10何パーセント成長している時代ですから。

残間 不思議じゃない。

大垣 全然不思議じゃないっていうことで。実は、90年に向かうところで9パーセント近くまでなったんですよね。だから、30年前は、覚えてらっしゃいますか。郵便局も多分、9パーセント超えたかな。同じ日本興業銀行のやつが、まさに9パーセント超えて、そのときは売り出しの日に、朝から、人がそれを買うために、有楽町あたりまで列を作ってたっていう。

残間 興銀本社から?

大垣 うん、とんでもないでしょう。そりゃそうですよね、でも。今、1000万円の退職金をもらっても、利子で生活なんか全くできないじゃないですか。

残間 うん。

大垣 でも、9パーセントついてたら、年間で90万円ですからね。

残間 すごい。

大垣 だから、やっぱり、いかに老後が面倒くさくなっているかっていうこともあるかもしれないし、それでどうしても、高くないとっていうことで。

残間 年収なんかだと、1990年はだいたい、平均の、中間層っていうの。もっとお金持ちは別だけど、500万ぐらいだったのに、2018年は460万ぐらい減ってるの。

大垣 もちろん、そうだと思いますよ。

残間 大変だよね、物価は上がってるんだよ。

大垣 でも、これ、懐かしいんですよ、ワリコーって。

残間 ワリコーって、「悪い子」みたい。

大垣 でも、ちょっと悪い子でね。頭に、割引って書いてあるの。割引興行債券っていうのの略なんですね。割、興で。割引っていうのは、預けるときに金利を引いて預けるんです。だから、100万円買うときは、90何万円しか払わないで100万円の券をもらって、期限には100万円だけ戻してもらうんです。だから、利息を前にもらうっていう。そういうタイプなんですね。なので、先に払うから、ちょっと、今、金利をもらうと20パーセントぐらいじゃないですか。税金が。源泉徴収税が。それがちょっと安いんです。16パーセントとか。それで、お金持ちの方は、そっちのほうがいいから、それを買われるのと。そうしたら、券をくれるんです。今、そんなのないでしょう、券をもらうとか。全部、コンピューターに帳簿で。

残間 今もそういうのあるの。ワリコーみたいな。

大垣 もう、出してるところは、一つか二つ。ちょっと公共系っぽいところがやられてると思いますけど。もう、みずほとかそういうところはとっくに辞めちゃってるんですけど。これが、100万円なら100万円で、そういうことをやられる方は1億円券とかあるんですけど、1億円券っていうペラペラの、1億円って書かれたのを、先に。

残間 紙?

大垣 証券だから。

残間 証券をくれるんだ。

大垣 当時も、利息を払わないといけないタイプのやつはそういうのはなかったんですけど、これだけは先に払っちゃうから、利息を。それで、もう券をもらえたんですね。そうすると、名前を書かないでいいんですね。お札みたいなものになるんです。

残間 なくしたら、どうするの。

大垣 なくしたら・・・色々な手続きをしないといけなくて、困るんですけど。それは別に、興銀がそういうことをやらせていたわけじゃないんだけど、裏山のツボの中にクルクルッと丸めて入れて、簡単にいうと、税金を払ってない、裏金みたいなことがある方が、今回、日大の人みたいに、お母さんが家の中に置いてると、こんなに札束があるじゃんって見つかるじゃないですか。それが、1億円でもペラペラの紙になるので(笑)。

残間 悪用した人、いるの?

大垣 はい・・・ってハッキリ言っていいか知らないけど。

残間 もうないからいいよね。

大垣 それを公然とやられているときがあった。僕らの頃は、ペーペーですから、話しか聞いてないんだけど、そういうために使える、非常に珍しいものだったんです。

残間 箪笥の奥に・・・。

大垣 これは、箪笥の奥にあった新聞に出ていた広告だからいいんですけど。

鈴木 証券だったらね。

残間 なんかとっても感じがいいな。箪笥の奥の、何かの、衣服の下に敷いてあったかなんか。

大垣 ですから、先輩の人の話を聞いたら、ちょっと会おうって言われて、お金持ちの方から。喫茶店のトイレの中で、札束を数えて、確認をして、ペラいやつをお渡しするっていうのをやってたことがあるんだぞって言われて。

残間 すごい。

大垣 すげえ、とか。ちょっと思い出しました。

残間 金の延棒とか、そういうのよりは簡単だもんね。

大垣 ペラペラで、名前書いてないっていうのでね。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2022でした。