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不動産小口化商品、相続税対策になる? 家とお金のプロがバシッと解説

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 メールをご紹介します。

最近よく目にするようになってきた    
「不動産小口化商品」についてどう思われますか?    
今年80になる母親の相続税対策に    
候補の1つとして考えております。    
高齢の両親が40-50年の木造アパートを    
3棟持っていて、5年ほど自主管理は経験しているので    
賃貸管理に多少は慣れています。    
しかし新規物件購入は未経験なので    
「不動産小口化商品」に魅力を感じています。    
是非オオガキさんのお考えをお伺いしたいです。    
よろしくお願いいたします。    

東京都板橋区 Sさん(男性)    

なんか、へえと思って。実は、ちょうどバブルの直前に出てきた商品なんですよね、不動産小口化商品って。

残間 私、聞いたことない。鈴木さん、ある?

鈴木 よく分からないです。

不動産投資信託REIT)とは異なることに注意!

大垣 まず、最近紛らわしくなっているのは、不動産投資信託っていうのがあるんです。REITっていわれている。REITっていうのは、簡単にいうと、不動産しか持っていない会社の株を買っているんだと思ってください。

だから、その会社に家賃が入ってきて、それを配当してもらうっていうことで。基本、株を買ってるのとそんなに変わらないんです。それ自体も上場されていて。これは、単純に、100万円で買って、何パーセントもらいましたっていう。株と同じっていうふうにお考えになったらいいんですけど。

あくまで不動産そのものを購入する=不動産小口化商品

大垣 小口化っていうのは、買っているのはあくまで不動産そのもの。

それを、小口っていうんですけど、例えば、ビル一棟を一人で買うって言ったら、これは何億円とかかるじゃないですか。それは新聞にときどき入ってますよね。2億5000万円ぐらいのマンション買いませんかみたいな。

残間 なんとか商店街みたいな。

大垣 それをもう少し投資しやすいように、小さくしたり。あるいはもともとそんなんじゃない、もっとでかいビルを。

残間 フロアだけ。

大垣 フロアだけっていうのは、それは、フロアだけを買ってるんですけど。

どっちかっていうと、ビル全体を抽象的に、「このビルの100分の1」とかって、みんなで買って。この階は私とか、この部屋は私とかっていう、そういうふうに区切るんじゃなくて。

残間 そうか、全体を。

大垣 全体の持ち分みたいなものを作るんですね。それを買っていくと。これは、不動産特定共同事業法っていう別の法律があって、そこで国土交通省が免許を出して管理をしている仕組みがあるんです。

個人で、昔は一口1億円とか、どこが小口だっていうぐらいの金額だったんですけど。まあ、最近はもう少し小さくなっていたり。それから、流行りのビットコインみたいな、ブロックチェーンっていうんですけど、電子化しちゃってやり出している人とかもいたりして。

基本、買っているものは不動産の持ち分です。特徴は、相続対策っておっしゃっている、まさにそういうことで。通常は、借金とパッケージになっているんですね。

例えば、5000万円のものを買っても、結構ローンを同時に借りちゃって、自分の投資額はもうちょっと小さくなって。

残間 そんなことできるの。

相続税対策になるかどうかは・・・

大垣 できるっていうか、別に、金借りて物買ってるだけだから、できることはできるんですけど。そうすると、不動産側が亡くなられたときの相続税をかけるときの評価の額が、買った時よりは縮むんですね、ちょっと。縮んだ分だけ、借金は縮まないので、あたかもマイナスの資産になるので、それを他の財産にぶつけると、その分かける税率だけ、相続税が減るねっていう議論をするんですけど。

分かった? 今の。

残間 分かったけど、そんなにまでしてお金はない。

大垣 多分、アパートをおやりになっているっていうことは、そういうことをご両親が考えてやっておられるんですね。ちょっと、相続税でこの小口化がどのぐらいきくかっていうのは、少し良く相談をなさったほうがいいかもしれないですね。

不動産の値下がりには対策できる?

残間 値下がりしちゃったりしたら。

大垣 値下がりするっていうことはありうるんですけど、特に最近はもう、バブル前にものすごく流行ったんですけど。

残間 私の知り合いもそういえば。

大垣 バブルで、非常にたくさんの方がそれでひどい目にあって。そのあと10年ぐらいタブーっていう感じの商品だったんですけど、今また歴史が繰り返すのかは分かりませんけど。

ただ、バブってるわけじゃないので、今、そんなに。

ただ、バブってないかもしれないけれども、売れない物件なんかを上手に、中をきれいにして持ってこられたりして、それを高めに売るときに、一人に売ると10億でしか買ってもらえないのを、例えば1200万円ずつ10人だったら、買ってもらえるので。全体としては少し高くなるね、というようなことを考えてらっしゃる業者さんもいれば。

全部任せますので、業者さんの中にはキチッとしてないところも、やれなくはないので、そういうところはよく見ておかないと完全にお任せの商品になるので。

残間 そうか、そうか。自分の努力とかとあんまり関係がないんだね。

大垣 買って待ってるだけっていうことなんですね。ですから、借金しなければ全然構わないんですけど、そうでないと途中で売ったりするのも難しいですので。

残間 そうか。それ、買いたい人がいたら売ってもいいの。

大垣 なかなか小口の商品を途中で売るっていうのは難しいですね。

鈴木 慎重にということですね。

大垣 そうですね。これは本当に玉石混交っていうことだと思います。いいとか悪いとか一口では言えないけど。何したいかが分かって買われる分には大丈夫だと思います。

鈴木 参考になさってください。おとなライフ・アカデミー2022でした。