JOQRテーマ一覧

「日銀による国債の買いオペ」って、一体何?! 目的や背景を解説

f:id:joqr-theme:20220228140044p:plain

鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。
 
大垣 通なご質問をいただきました。
 

日銀が国債の買いオペレーションを始めたという
ニュースがありましたが、
これはどういう意味でしょう。
長期金利が上がらないように、国債を買い入れる
これがよくわからないです。
スーパーキャット さん(千葉県船橋市

 
大垣 よく分からないですよね。
 
もともと日銀って、あんまり国債を買ったり、自分で自分の国の国債を買ったりしていなかったんですけど。
 
どっちかっていうと、銀行なので。銀行って、わりと短期の金利ですよね。預金の金利とか、そういうやつを銀行との関係でお金を出したり入れたりして、調整をしていたんですけど。
 
不況になったあとは、国債って10年とか20年とか、長期の金利で。
 
これって、基本的には、誰かが何かをできるものじゃないっていうことになっていて。
 
そんなもん、日銀がコントロールするとかって、誰も思っていなかったんですけれども、このところずっとそれをやっているんですね。
 
で、何百兆って持ってるんですけど。
 
鈴木 うん、うん。
 
大垣 で、なんで、買うと金利が上がらなくて、下がるのかって言うと。これは要するに、キュウリとかと同じです。
 
今年、キュウリが不作で、みんながキュウリを欲しいと思ったら、キュウリの値段は上がる。国債も同じで、国債をみんなが買えば、国債の値段が上がる。
 
そうすると、例えば3パーセントの金利がついている国債が、100円で買えたのに、110円も払わないといけなくなると、100円を払って3パーセントだから、110円も払ったら、3パーセントよりも低いじゃないですか。
 
それはどういうことかって言うと、みんなが「私は金利が低くてもいい」と思っているっていうことですよね。
 
残間 うん。
 
大垣 だから、国債を買うっていうことは、それだけ、国債を出すときに、低い金利で出してもみんな買ってくれるっていうことだから、全体的に金利が下がる。
 
残間 分かんない。分かったような気がするけど、分かんない。
 
大垣 (笑)。値段が上がると、金利が。
 
残間 なんで買うの? 買いオペレーションを始めた理由。
 
大垣 金利が0.25パーセントって決めてるんですけど。低金利にしておかないと、企業が困るから。景気が良くないのに金利が上がっちゃったら、当然、景気に悪い影響が出ますよね。
 
アメリカとかは、だいぶ景気が良くなってきたので、もう、あげていこうという感じになっているときに、上がっちゃって大変ってなって。
 
日本はまだそんなになってないよっていうことで、じゃあまだ金利をあげるわけにはいかないなっていう。
 
昔は手をこまねいてい担ですけど、最近は日銀が「じゃあ俺が国債を買うよ」って言って、バシバシ国債を買うわけ。
 
残間 調整するわけ?
 
大垣 そう。そうすると、買いが入るから、金利が下がる。
 
鈴木 そうかあ。
 
残間 それって、日銀が買ってどうなるの?
 
大垣 日銀って、自分でお札作れる人なので、一体これって何をしてるんだろうっていうのは、ちょっとあるんですね。それは、もしかしたらとんでもないことになるって言ってる人もいるし。
 
最近は、新しい学説を言ってる人もいて。基礎体力があるうちは、別に、構わないのよっていうふうに言ってる人もいて。
 
残間 でも、なんでもできるっていうことね、日銀は。
 
大垣 なんでもできるってわけじゃないんですけど・・・。少なくとも、国債を買うというのはなかったです。最初やると聞いた時は、ギョヘーっていう感じ。
 
残間 ああ、やっぱり。
 
大垣 長期金利をコントロールしちゃうんだと。それは自由じゃないじゃん、何も。金利が自由だって言ってる割に、一つも自由なものがないじゃないっていうのが一つと。
 
それから、もう一個は、これだけ長い金利を抑えちゃうと、低い金利も低いでしょう。ゼロ以下にはならないわけです。
 
そうすると、寝ちゃうわけですね。銀行とかは、預金でお金を借りてるじゃないですか、皆さんから。でも、残間さんは、別に、預金を預けてすぐ出したりはしないじゃない。すぐに出せるけど。
 
鈴木さん。月末になって預金の残高がゼロになったら、「私ってちょっと計画性のない女かも」とかって思うじゃない。
 
だから、みんな、ちょっと残すんですね。そのお金がいっぱいあって、これって、金利がほとんどタダなのに、5年も10年も寝ているお金っていうのがあって。
 
こういうタダのお金で、国債の10年の金利とか取ると、儲かるじゃない。
 
本当は危ないんだけど。
 
残間 人のお金で。
 
大垣 だけど、お金を余してる人がいっぱいいると儲かることになっているんです。それが、長いところが高くて、短いところが低いっていうふうになっていないと、銀行が美味しくないんですけど、それが今、起きなくなっているので、銀行が軒並みしんどくなっちゃっていると。
 
残間 ふーん。
 
大垣 でも、企業は、金利が低いと助かるから、早く企業は頑張ってっていうのが、ちょっと前までの安倍さんが仰ってたこと。3本の矢で頑張ってくれみたいなことだったんですけど。なかなか、みたいな。
 
残間 所得倍増みたいなことを言ってるじゃない、一生懸命、池田勇人が。
 
大垣 でも、どうするのって。言うのは簡単だけど。どうするんでしょうね。
 
残間 検討してるのよ。ミスター検討っていうあだ名らしいから。
 
大垣 そうなんですね。私には分かりませんけど・・・。
 
鈴木 長期金利が上がらないように国債を買い入れるっていう意味までは分かりました。
 
大垣 これが上がっちゃうと、今度は、国が、今回の予算だって、入ってくる税収の倍ぐらい払っているわけでしょう。そこを全部国債だから、国債金利が上がると、当然、今度は、私たちの税金で利息を払わないといけませんから、どんどん面倒くさくなると。
 
残間 そうか。コロナで本当に色々なお金が出ていってるもんね。
 
鈴木 スーパーキャットさん、お分かりになりましたでしょうか。おとなライフ・アカデミー2022でした。