コロナで混乱する社会。「10万円問題」、どう考える?
鈴木 聞いて得する、家とお金に関する様々なトピックスをお送りします。大垣さん、きょうは。
大垣 ちょっとお便りを。励ましのお便りをいただいているので、一つご紹介します。市川市のラジオネームちくわぶさんで。本当に楽しい時間です、ということで。特に、残間さんが、一般人に分かりやすい的確な質問が本当にありがたいです。
残間 だって一般人だもん。
鈴木 (笑)。
大垣 百戦錬磨の残間・大垣に対して、番組を一生懸命進行しようとしているジュンコさん、健気な頑張りがいつも可愛いです、というようなお便りをいただいております。
残間 ジュンコさん、すごく慌ててるもんね。私たちの話を制止しなきゃいけないから。
大垣 飛ぶからね。ありがとうございます。それで、やっぱり今、稀有な状況だと思うんですよね。こういう緊急事態の中で。それで、お金の話もいいんですけど、東日本のときのことを思ってたんですけど、絆っていう言葉が出てこないんですよね。
残間 うん。
鈴木 今回は、ですね。
大垣 うん。これがやっぱり象徴的だなと思って。あのときは、本当にひどい目に会った方々がいらっしゃって、そうでない人がいて、絆っていう話になって、ボランティアが行ったりとかね。
残間 絆っていう言葉も、曲解してというか、うがった見方をした人もいたよね。
大垣 まあね。
残間 本来、絆なんてあるべきものなのに、わざわざ言うなんて、嫌味だわ、みたいなことを言った人もいた。
大垣 今回、そういう、社会の絆っていうのは、まだ社会全体でひどい目にあっているような状態なので、逆に、出てきづらいだろうと思うんですけど。いろいろ見ているとやっぱり、この間見ていると、コロナ離婚って話をなさったじゃないですか。家族の絆っていうのは、この際考えてみると面白いかなと。
残間 やっぱり、これだけのことが起きると、絆の裏返しもあってですね。家族なんかに関して言えば、やっぱり、じっと時間をかけて付き合ってみると見えてくるものがあって、非常時にこそ、相手の本質が見えるっていうのがあるでしょう。
大垣 そう思います。
残間 改めて家族がいいねって思う場合と、やっぱり、今度は家族がちょっと違うのは、同居していて一緒にいる人はそうなんだけど、別居している人。例えば私は息子とは、近い距離だけれども全く別居じゃない。そうすると、来ないもんね、やっぱり、危ないから。お互いに。
鈴木 確かに。
大垣 なるほど。
残間 私も来ないでって思ったら、向こうが先んじて、行かないからって。どういう意味なんだよって最初は思ったけどね。来たくないのか、これ幸いと来ないのか。
鈴木 心配させないためじゃないですか。
残間 うん、だから、いろんなものが見えてくるんじゃない?
大垣 そう思います。あと、50代の方、リスナーの方で多いじゃないですか。これはきっと、退職後の予行演習だね。
鈴木 ああ。
残間 だからね、仕事に行かないってどういうことなんだろうっていうのが。
鈴木 そうですね、在宅勤務で。自宅待機を。
残間 現在形でね。
大垣 だから、定年になると、どのような緊張状態になるのを、今予行演習している感じがしません?
残間 なるほど。平日なのに会社に行かないでね。
大垣 旦那がいる。
残間 社員の人は会社に行かない。
大垣 そう。ね。
残間 でもまだ、いつか再開されるって思ってるから、少し気も楽だけど、でも、日常的には、本当にこういう日常になるんだなって思うよね。
大垣 だから、ここで、割と、絆ができると、たとえば夫婦でね。絆って言うほどグズグズと固まらないでもいいと思うけど。
残間 やっぱり、相手の存在っていうものは、再認識っていうかね。
鈴木 命の危険を伴ってますもんね。
大垣 うん。
残間 ただ、医療関係者の皆さんとか、それからやっぱり、どうしても、行かなきゃいけない仕事をしている方たちに対する敬意というか。
大垣 そうね。
残間 感謝の念は、これは私は本当に、いつも無意識でいるけれども、本当にありがたいというか、すごい人たちだなと思う。
大垣 そうですよね。だから、国力もこの後やっぱり、医療とITっていうところが強いところっていうのが、強くなるでしょうね。
残間 大垣さんなんかに本当は聞きたいのは、みんな、自粛はするんだけど、じゃあ補償はどうなるのって。補償の問題が、まだハッキリしていないから。
大垣 これ、日本が具合が悪いのは、強権発動で都市閉鎖できるってところまでいくと、今度は、憲法上の問題になるので。
残間 私権の問題がね。
大垣 私権の制限のときは補償しなさいっていうことになっているので。逆に、法律でやるときは補償が出るんですよね。ところが、今回は、要請をするっていうことしかできない法律なので、逆に、要請しかしてないのに補償をするっていうのは、論理的にはおかしいってむしろなっちゃうので、そこがすごく。
残間 法律家としてはそうなるんだ。
大垣 無理やりさせてれば当然補償するってことがセットで考えざるを得なくなるから。逆にやりやすいんだけど。
残間 でもね、補償をせざるを得ないようなところにいる人たちにとっては、補償したくないから、曖昧にして、要請って言葉に変えてるの? って。ダメって言われたほうがもっと簡単だって。
大垣 それはやっぱり政府なので、法律に書いてある以上のことは、当然、みんな私権があるわけなので、それを制限するっていうのは、そんなことが簡単にできたら絶対に困ることなので、そこは、おっしゃることはすごくよく分かるけど、ロジカルにはできないんですよね。
残間 そうか。自粛って、自分だもんね。あくまでもね。
大垣 そうなんですよね。だからそれは別の話として、まずお金を貸すのはできるんですよね。
鈴木 だからお金を貸すってことになっちゃうんですね。
大垣 僕なんかは、この間、高田さんが言ってたみたいに、最初は貸すんだけど、そのあと返せなくなったら、じゃあ一旦、株に変えて、それで、株は返さないでいいじゃないですか。株式に。その代わり、頑張ってください、そうしたら会社がよくなってきたら当然価値が上がるじゃないですか。それで株をもう一回引き取ってください、というような形にできるようにしたらどうかと。評判悪い、ほら、官民ファンドとかあるじゃないですか。ものすごいお金でよく分からないことをやっている。あんなの一回ちょっと引き上げて、そういうので、株式を買ってあげるとか、すぐに返さないでいいお金につぎするとかっていうのは、これは別に、契約でやることだから、将来性があると思えばできるよね。
残間 だけど、時間が経つごとに、2ヶ月後の30万円よりも、今の3万円のほうが必要っていう人も出てくるじゃない。
大垣 それはもう、あげるっていう話でやってたら来年になる可能性もあるから、貸すんですね。つなぐっていうことですけど。だから、つないでおいて、つないだあと、全員が返せるわけじゃないから、その先をどうするのかっていうのを、あげるか、株に変えて、将来良くなるんだから今は悪くても株に変えるとかね、そういういろんな工夫をしていくっていうことだと思いますけどね。
残間 絆が、つなぐっていうキーワードに変わるっていうのは難しいね。
大垣 うん。
鈴木 なかなか難しいですね。おとなライフアカデミー2020でした。
あげる?貸す?子どもが家を建てるときの資金援助
鈴木 聞いて得する、家とお金に関する様々なトピックスをお届けします。大垣さん、きょうは。
大垣 新しく番組が、時間が変わりまして、早速、お葉書をいただいています。
残間 珍しい。
鈴木 ありがとうございます。
大垣 世田谷区の匿名希望の方なんですけど。「放送時間が変更になっても、貴重な番組これからも楽しみにしています」ということで。「ご質問があります。2020年5月に、長男が都内にマンションを購入」なさって。「その資金の一部1000万円を、親子間融資」、親子でお金を貸す。「という予定です。贈与ではなく貸与とするための書類手続き、注意点について教えていただきますか」と。これ、なかなか凝ったというか、通な。
残間 私も知りたい。
大垣 まず、そもそも、贈与か貸与かっておっしゃっていて。
残間 貸与ってできるの?
大垣 もちろんですけど、色々聞かれたんでしょうね、贈与にすると税金がかかるとかで、貸したほうがいいとかって。ですから、そのへんから簡単にお話をしていこうと思うんですけど。まず、そもそも論として、本当は贈与でもいいんだけど、贈与税がかかるので、貸したことにするっていうことは、やることはやるんですけど、1000万円ぐらいであれば、実は今年であれば、1000万円までは親子間の住宅資金の贈与は、特例といって非課税なので。
残間 あら、そうなの。
大垣 まず、最初から、あげるつもりだったら無理せずに、それを使ってあげちゃったほうが、いいと思う。
残間 どうせあげるんでしょうねえ。
大垣 いや、それは分かんないんです、それは。それから、もう一つは、やっぱり、子供にあんまり甘やかしちゃいけないけど、都内にマンションっていうと、やっぱり5000万、6000万円しますよね。ちょっといいものを買えば。そうすると、やっぱり頭金ぐらいは子供のために、亡くなれば相続をするんだから、今、金利を借りたらものすごい金利になるのを、金利なしで、あるいは非常に低い金利で、親から貸したことにしてやろうということで、ちゃんと返すんだぞと。本当に思ってらっしゃる方もあると思うんですね。それで、先ほど申し上げたように、あげるつもりで貸したことにして、証拠を揃えるってやると、やっぱりちょっと不自然なことがいろいろ出てくるし、貸してても結局親が亡くなられたときには相続しちゃって、帳消しになったところで結局同じことになると、そこではもう特例がないので、結局税金がかかっちゃいます。
残間 亡くなったあとだと、完全に贈与税が。
大垣 それは相続税ですけどね。
残間 相続税ね。
大垣 たくさん、財産があれば相続税がかかっちゃいますので。まあやっぱり、貸すときは貸す、渡すときは特例があるので、特例を使って。
残間 1000万円までなの?
大垣 いや、人によるんですけど、今年、普通の家ですと、だいたい1000万円までは非課税になると。
残間 今までは違ったの。
大垣 というか、毎年チョロチョロ変わるんだけど。だから、だいたいざっくり1000万円ぐらいっていうふうにお考えになったら。もう一つの考え方は、1000万円ぐらいですと、例えばですけど、25年で返してもらおうかなっていうふうに考えれば、だいたい9万円ぐらいですよね。そうすると、例えば、こういうことをすることもあるんです。親子で貸し借りをして、当面返さないでいい。ただ私が70になったあとは10万円ずつ返して、ちょうど例えば20年とか、そのぐらいで、1000万円がちょうどゼロになるように。金利はなくてもいい。で、もちろん金利がないっていうことになると、金利分は贈与しているっていうふうに見られるんですけど、でも、贈与の非課税枠というのが、110万円とかありますのでね。金利はそんなに大きな金額にはなりませんので、そういう意味では、そんな細かいことは現実には1000万円ぐらいの分母だったら言ってこない。って思っておかれていいし、言ってきても大丈夫ってことですね。
残間 そうなの。
大垣 だから、そういうふうにしたいという上で、例えば特約で、もし、私が、あなたと同居して、扶養を受ける立場になったときは、例えば、月10万円の扶養のお金を払うべきだから、それと相殺をしますって書いておけば、結果的には。
残間 書いておいて、どこに置いておくの? 書いておいて。
鈴木 なんか、証書とかに。
残間 私ね、10万円を息子に貸しても、借用書を取ってるわけ。
大垣 だから、そういうふうにやればいいんですよ。
残間 だけどそんなの、ただ取ってて、うちの戸棚に入ってるだけだよ。
大垣 それでいいんです、それで。
残間 誰も見つけてくれなかったらどうするの?
大垣 誰も見つけてくれなくも何も、そんなことが問題になっているような状況ではまだ生きてますよね。
残間 死んじゃったら? このまま。
大垣 死んじゃったら、親から借りた借金って、貸主も私、借主も私だから、そこでなくなりますので。そうすると、ちょうどそこで相続したのと同じになる。
残間 そうか、相続税を取られるからいいのか。
大垣 うん。だから、それはローンしてても全然関係いない、ある意味。
残間 ふーん。
大垣 だから、例えばそういうふうにして、扶養とチャラポンにしていけば、結果的には、贈与した形にはなるけど、世話になってる。世話になってなければ、10万返してねと。返してねでも、息子のために結局は取っておこうってことだったら、それはまた相続するわけなので、亡くなったときは。なんかまあ、ちょっとそういう工夫をなさったらいいんじゃないかな。
残間 このかたは、別にわざわざ融資のなんとかをしなくても、特約を利用すればいいわけね、1000万円までなら。
大垣 1000万円ぐらいの金額でしたらね。10億とかになるとずいぶん気にしないといけなくなってきますけど。
残間 じゃあ、例えば、2000万円とか3000万円だったら?
大垣 そのぐらいの金額までだったら、そんなに気になさらないでも。
残間 それは、書面を交わして?
大垣 書面はきっちり交わしておいたほうがいいです。それから、返済をするとき専用に口座を作って、ここに入れるんだよ、ぐらいのことにはしておいたほうがいいです。
残間 なるほどね。
大垣 ただ、1日目から返さないと、たとえば税務署がなんとかと難しいことを言うとか、そういうことはありませんので、当初10年間返済無用、10年後は月10万円ずつ返してください、でも同居して、扶養を受けた場合については、同額について、例えば、同居している間は免除するとかですね。そんなようなことを、自分たちで、それなりに。
鈴木 書いておけばいいんですね。
大垣 はい。書いておけば、そんなに大きな問題には。
残間 書いておくっていうのもね。どこに置いておいたらいいのか、誰が見つけてくれるのかと思うと、分かんないよね。
鈴木 ということで。
大垣 (笑)。
鈴木 まだ残間さんの疑問は若干残りますが。おとなライフアカデミー2020でした。
「コロナ後」の世界で、どうお金と付き合うか?
鈴木 前回までは、聞いて得する家とお金の話ということで、いろいろな話題をお届けしてきましたが、大垣さん、今シーズンはどのように。
大垣 引き続きね。そうですね。前回、高田さんに、これから投資をどうするんだろうということで、彼が言ってたのは、コロナ後はニューノーマルになるっていう。新しい時代っていうか、枠組みにね。
残間 戻るんではなくてね、昔にね。
大垣 そうね。高田さんは40年周期説っていうのを言っていて。政策って、40年ごとに大きく変わると。大恐慌から40年間っていうのがあって、70年台から今までが、割と日銀とかを中心にした金融でやってきたと。今回、それが終わるんじゃないかっていうのが、彼の主張。
残間 麻生さんも、40年、オリンピック説を言ってたね。
大垣 ああ、そうですか。
鈴木 言ってましたね。
残間 第二次世界大戦で中心になり、そのあとモスクワオリンピックのボイコットがあり、そして今度で、呪われた40年オリンピックって。
大垣 なんか不快。
残間 みんなに言われて怒られてた。
大垣 すごく不快。
残間 40年って、でも、すごいんだね。
大垣 なんか、そういうのはあるんだって。でも、どうなるのかっていうのはなかなか分かんない中で、じゃあどういうふうにしたらいいかっていうことで、そのへんを研究していくってことなんだろうと思うんですけどね。まず、やっぱり、今一つ起きてるのは、安いから買っちゃえみたいな。あるんだろうと思うんですけど、マーケット、株とかそういうものって、二つの儲かり方があって、一つは投資、もう一つは投機。投機っていうのは要するに、上がった下がったで、安いところで買って高いところで売って儲けるっていう、わりと短くやるやつで、投資っていうのは長い目で、成長していくっていうのを見る。率直なところ、これまでは割と投機で動いてたんですね。それで、ある会社の株が上がってるように見えても、すごく業況がいいからっていうよりは、お金を借りて、「自己株買い」っていうんですけど、自分の株をマーケットで自分で買うんですね。そうすると株の量が減るので値段が上がるとかっていうので、アメリカの会社なんかは、それで株の値段をすごく上げたりとかっていうことをやってきてたのが、このコロナで、そのぶん全部がちょうどなくなったぐらい下がったって言われてるんですけどね。そういう意味では、そういう動きは今ものすごく激しいんですけど、それはやっぱり、なかなか個人ではうまくのれないっていうことなんだろうと思うんです。それから、コロナも、上がった下がったが、これで一回やったら終わるわけじゃなくて、ぶり返しが多分あって。何回も何回も、しながら落ち着いていくようなシナリオの感じになるとすると、やっぱり、高田さんがこの間言ってたように、毎月ずっと同じだけできるだけマーケットと同じような動き方をするものを買っておくっていうのが、素人は賢いやり方で、そうすると全体としては、どう見ても日本の実了よりは今、下がっているわけだから。どうであれ、普通のレベルには、どこかでは下がるので、長い目で見れば。でもその中で、ニューノーマルなので、これまで強かった会社が、もしかしたら弱くなるかもしれないし、これまで弱かった会社が、新しくなるかもしれない。個別っていうことは分からないんですよね。
残間 ニューノーマルってすごいね、確かにね。
大垣 だから、あんまり個別のところにかけるよりは、全体にかけておいて、平常に戻るところまではとりあえず、戻って、そこからはまた、傾向が見えてくればやられればいいんだというふうに、見るのかな、なんて、高田さんの話を聞いてて思ったんですけれども。なかなか、こういう時期は難しいので、このコーナーでは、そういう中で、ちょっと、こういう点は知っておいたほうがいいんじゃないの、みたいな話をこれから毎回していこうと思います。
鈴木 ありがとうございます。おとなライフアカデミー2020でした。
スペシャルゲスト・高田創さん(岡三証券グローバルリサーチセンター理事長)をお招きしました
鈴木 さあ、きょうはリニューアルを記念して、スペシャルゲストにお越しいただきました。大垣尚司さんの古いお友達です。
大垣 友達っていうかね。
残間 銀行時代の同期だって。
鈴木 もう、残間さんがすごい興味津々で、今ね。
残間 そう。大垣さんに友達がいたなんて。
大垣 いやいや。
残間 いや、私は良さを知ってるからだけど、良さをみんなに理解してもらうのに時間がかかる人じゃない。ねっ。
大垣 そうかな。変なやつだって最初から分かってるから。いや、会話を始めちゃいけないな。
鈴木 大垣さんのお友達、岡三証券グローバルリサーチセンター理事長の高田創(タカタハジメ)さんです、高田さん、よろしくお願いします。
高田 よろしくお願いいたします。
大垣 いつもは、テレビでエコノミストっていうので難しい話を。
残間 私、同じ会に入ってるんだよ。「高野山・熊野を愛する100人の会」に高田さんも入ってる。
大垣 高田さんってそうだったの?
残間 和歌山なの?
高田 いや、地縁はないんですけど、仁坂知事から。
大垣 頼まれてね。
残間 仁坂さん、自分でコロナのときもいろいろやってたからね。
大垣 熊野、いいところだもんね。
残間 私、高田さん見てたら、あれっ? と思って。で、「た」の行を見てみたら高田さんがいたのよ。
大垣 そうですか。高田さんは、ちょうど同じ大学を出て、同じ銀行に入った同期で。
鈴木 日本興業銀行に。
残間 あの頃は東京大学の人が興銀にはね。石ぶつければみんな当たるって感じだったもんね。
高田 確かにたくさんいた。
大垣 そうですね。
高田 でも、僕にとっては、大垣くんっていうのはもう、もっとも尊敬する同期なんですよね。
残間 なんで?
高田 尊敬するっていう言い方も同期で変かもしれないんだけど、畏友って感じですかね。
残間 畏友ね。
鈴木 イユウ?
大垣 畏れる友。
鈴木 ああ、そっかあ。
残間 畏怖の念の「畏」。
高田 悪い意味じゃないですよ。だけど、すごく僕はね。
残間 私、異なるほうかと。偉人とか。
高田 異能でもありますよね。
残間 異能ではありますよね。だんだんでも、理解されてきてるんだよ、最近。
大垣 最初はちょっと浮いてたもんな、俺は。多分。
高田 それは多分、目立ってたってことだと思うし。
鈴木 そうなんですね。
大垣 できて目立ってたんじゃなくて、馬鹿やるんで、すげえ目立ってたみたいね。
高田 そういう部分もあるかもしれないけれども、やっぱり。
残間 みんなのこと馬鹿にしてたんじゃないの。
大垣 ううん、違うよな。
高田 そんなことはないと思うんですけどね。
大垣 可愛がられてたんですよ、同期には。この人は最初からもう、真面目の権化みたいな。
高田 そんなことはないけど。
残間 あなた、真面目じゃなかったの。
大垣 あんまり真面目じゃなかったよ。同期と一緒だと。そうでもない?
高田 まあ、みんなで遊んでね。っていう。
大垣 無茶苦茶なんですよ。
残間 寮も一緒だったの?
高田 寮は。
大垣 寮は違うんだけど、みんなで最初、研修とかあると、夜とかグチャグチャになって。
残間 きょう初めてラジオを聴いた方とかは、大垣さんのすごさを知らないだろうけど、あの頃の興銀っていうのは、日本の実質的な・・・。
大垣 めっちゃ偉そうだったんだよね。
残間 日本の実質的な、自分たちが全部お金を握ってる感じで。だったよね。
大垣 でも、私の話をしちゃあれですよ。
残間 その人を友達として、きょうなんかおいでいただいているっていうことで。
大垣 彼は日本を代表するエコノミストってことで、コロナとか、難しい状況ですから。
残間 そうね、聞いておかないとね。誰にどうお金を配るかとかで揉めてるうちに時間が経ってるもんね。
大垣 だけど、素朴な疑問でみんな思ってるんじゃないかと思うんですけど、エコノミストって何?
残間 経済評論家とは違うでしょう。
高田 エコノミストは、経済の評論家でもありますよね。経済の天気予報士みたいなものかもしれないですね。
鈴木 ああ、天気予報士。私は気象予報士なんですけれども。
大垣 彼、今、すごくてね。岡三に動かれたでしょう。ずっとみずほのところでトップエコノミストだったんだけど。今は、毎日レポート書いてらっしゃるの。
残間 誰に?
大垣 みんなが読むやつ。これ、大変なんですよ。1ヶ月に一本ぐらい出るのはよくあるんだけど、毎日あって。だから、サイトを見ると。
鈴木 岡三証券のサイトを見れば。
高田 そうですね。
残間 うちにこういう人が来てくれましたって。
大垣 株とか、債権とかって項目があって、高田っていうのがあって(笑)。高田って押すと、高田さんのやつがパーッて載ってるの。こんなの書けないよ。
高田 いやいや。
大垣 すごい引き出しが多いの。だんだん喋りにくくなってきたんじゃない(笑)。
高田 いやいや。
残間 お会いできて嬉しゅうございますが、私たち。
大垣 どうなんですかね、こういう状況って。
高田 私は、コロナの状況を象徴的に申し上げると、「ナイトの不確実性」という言葉をよく使うんですが。
大垣 これ、ナイトっていう偉い学者がいるわけ。
高田 フランク・ライトっていう。
大垣 この人が、リスクと不確実性は何かっていうので論文を書いたんだよね。
高田 不確実性には2種類あって、一つは、たとえばサイコロをコロコロコロッて転がすと、1から6がありますよね。それは、確かに不確実ではあるんだけれども、まあ、一つの確率分布っていう、何が出るかっていうのは分かるわけですよね。
残間 7と8は出ないからね。
高田 そうなんですよね。
大垣 まあそうだよ。6分の1ずつ出る。
残間 そのぐらいは分かる。
高田 ただ、不確実性っていうのは、そういうのが全く分からないので。お化けが出るかもしれない、みたいな。
大垣 分からないと。
高田 全く分からない。
大垣 uncertainですね。certainが確か、それにunをつけて、uncertain。それがリスクと違うと。
高田 そうなると、最悪の場合を予期して何かをしないといけなくなるんじゃないかと。
大垣 そう。
残間 「最悪」に対する想像力が欠如しているでしょう。
大垣 ただ、リスクっていうのは見えてるから備えればいいんだけど、不確実っていうのは見えないから、わけが分かんない。
鈴木 どこまで備えればいいのかっていうのが。
大垣 っていうのが、分からないわけですね。
残間 お金だけじゃないしね。
高田 ということが、本当にみんなの恐怖をそそってしまう、ということですね。ですから私も申し上げてるんですけど、今の状態、見えざる恐怖が、見えざる手。アダム・スミスっていう人が、市場というものは見えざる手で動いているんだと。
大垣 需要と供給ね。
高田 言ってましたよね。見えざる手、というものが、市場みたいなものを全部殺しちゃうとなると、どうなるか。経済が全部壊れちゃうみたいな。そんな状態。人にも会わない、お出かけもしない。いろんなものが接触を禁じちゃう。
残間 日本人的にいうと、諦念っていうか。諦めのほうに行くよね。みんな同じじゃないかと。きれいも汚い人も、お金持ちもそうじゃない人も、どこに行くか分かんないんだから、みたいになって。今度はやっぱり、後ろに引いちゃうよね。
大垣 あと、もう一つ、高田さんがメモの中でおっしゃっているんだけど、コロナはそうは言ってもどこかで終わると思うんですけど、そのあと戻るっていうか、いつもそういう話になるじゃないですか。地震のときとか、復興とかね。でも、もしかしたら、戻るんじゃなくて、違うところにいかないといけないんじゃないかと。
残間 違うところにいくでしょう。いかざるを得ないでしょう。
高田 そうですよね。で、戻ったところが新状態、ニューノーマルの世界っていうか、我々のこれまで見たことがない世界にいきつくのかもしれないと。世界中もう、そうかもしれないですよね。世の中の状態。
残間 ただ、もちろんコロナに罹患している方や、いろんなコロナに直接被害を受けている方はもちろん大変だと思うんだけど、一方で、諦念と同じなんだけど、行き過ぎてしまって、お金、お金と。高田さんを前に言うのもなんだけど。経済、経済、経済って。これが、一度何となくリセットされるような気分もないではないのよね。
大垣 それは難しいところだよね。単なる経済の問題と、意味論みたいなね。幸せ、みたいなものの。
残間 こうなってくると、自分にとっているもの、いらないもの、大切なもの、大切じゃないものっていうのが分かってきますよね。本当の意味での経済って、そういうところから始動してほしいというか、再スタートしてほしいっていう気がするよね。
大垣 もうちょっとお話を聞きたいんですけど。
鈴木 きょうは、岡三証券グローバルリサーチセンター理事長で、大垣さんの古いお友達、高田創さんに、このあともお付き合いいただきます、よろしくお願いします。
高田 よろしくお願いします。
- 大人ライフアカデミー
鈴木 大人ライフアカデミー2020。聞いて得する、家とお金のお話のコーナーですが、引き続き、大垣さんの古いお友達でスペシャルゲスト。
残間 古いお友達っていうのは。
鈴木 そうか。東大時代からのお友達。
残間 まあ、古いけどね(笑)。
鈴木 岡三証券グローバルリサーチセンター理事長、高田創さんとご一緒にお話をうかがっています。
残間 創さんのこの「創」っていう、創造の、クリエイティブの創じゃない。
大垣 うんうん。
残間 なんか、親御さんって、思いがあって付けたの? 聞いてる?
高田 えっとですね。実は、父親の先生が、渡辺一夫っていうフランス文学者だったんですね。その人がつけてくれたっていうふうに聞いてますね。
残間 いいね。尚司ちゃんもいいけど、創さんっていいでしょう。
大垣 うん。
残間 ね。なんか、クリエイティブで、新しいこと、先鋭的なことをやりそうで。実際そうでしょう、今。
大垣 私の、尚司ちゃんの尚は、和尚さんの「尚」だから。おじいちゃんが付けたんです。おじいちゃんは坊主だからね。ならなかったけど。
残間 いいじゃん、証城寺みたいで。
大垣 でも、高田さんはあれだよね。
残間 タカタが正しいの?
高田 はい、タカタです、一応。一応というのも変ですけど。
大垣 二人とも留学したんです、同じ時期に。
残間 あなたは。
大垣 私はとにかく。
残間 コロンビアでしょう。
大垣 なんでコロンビアかっていうと、みんないいところ行くわけ、ハーバードとか。コロンビアもいいんだけど、めちゃくちゃ危なかったわけ、当時。ニューヨークのハーレムだから。
残間 横だからね。
鈴木 治安が悪いと。
大垣 そこしかアプライできるところがなくて。申し込めるところが。それで、お前だったら死なねえだろうって僕は行かせてもらったんですけど。高田さん、オックスフォードだからね。
高田 はい(笑)。
鈴木 穏やかに今、笑顔でうなずいてらっしゃいますけど(笑)。
大垣 感じの違いが分かるでしょう。
残間 なんか調べたら、開発経済学っていうの。何それ?
大垣 あの当時は、そういう問題がありましたからね。花形だった。
残間 そういう分野って日本にもあるんですか?
大垣 ある。
高田 あるにはありますよ。
大垣 そりゃあるよ。あれ、オックスフォードってどんなところなの。結構、みんな意外と名前は知ってるけど、本当には知らないよね。
高田 大学の門っていうのがないんですよ。オックスフォード大学って書かれた門がない。町自体がっていうか。
鈴木 一体化してる感じ。
残間 スタンフォードなんかもそれに近いよね。あそこは中門扉あるのかな。ないな。
大垣 そうなんだ。スタンフォード? でも、スタンフォードって無茶苦茶デカくないですか?
残間 そうそう。だからもう、スタンフォード村みたいになってるのよね。
高田 オックスフォード村みたいな感じですよね。
残間 品がいいよね。
大垣 僕らは、コロンビアって当時は、向かいの校舎に行くのにバスを待たないといけなかったんです、歩いたら危ないから。
鈴木 ええっ。
残間 そんな時代だったんだ。
大垣 だから、夜8時過ぎたらバスで移動しなさいって言われてて。向かいのキャンパスに歩いていっちゃいけないとかって、そういう指導だったの。
残間 歩いていかなかった?
大垣 うん、だって怖いもん。本当にそんな感じ。感じが分かるでしょう、雰囲気が。
高田 当時は天皇陛下がおられたんですよね。
大垣 そうそう。そういえば天皇陛下も、同期って言ったら怒られるけど、同い年ですよね。
高田 そうですよね、学年が同じですよね。
残間 そうか、そうか。そうでしたね。
大垣 せっかくですから、今度岡三に行かれて、リスナーの方で株とか。
残間 これからどうなるんだろうって。世の中がどうなるかっていうより、私どうしたらいいのっていうのが。みんな多分ね。
大垣 簡単には答えられないんだと思うんだけど、ちょっとそのへんのところとか、アドバイスいただければ。
高田 そうですね、やっぱり、ここまで変動が大きくなってきちゃうと、いったんはどうしても様子見に入っちゃうと思います。これはもう、しょうがないと思うんですよね。こういうときはみんな、とりあえず、嵐のときにはいったん防波堤の中に入って、嵐が収まるのを待とうねっていう感じだと思うんです。
残間 やっぱり、嵐ですか?
高田 嵐ですね。経済でいえば、恐慌っていうことぐらいかもしれないですね。こんな状況。私も何十年も見てますけど、やっぱり初めてぐらいですね。もちろん、いろんなリーマンショックもあったし、様々なショックというのは我々も体験してきましたけど、それでもやっぱり、なかなかここまでのものはないですよね。というのは、あえて今の状態というのは、経済を殺しているのに近いわけなんです。
大垣 自分でね。
高田 自分で。
大垣 買いに行くな、動くなっていうのはね。
高田 ですから、体でいえば、手術のために麻酔をわざとかけて、生体反応を止めている、ぐらいの状況だから。当然それは、株にとっては当然よくはないですよね。だけど、我々、市場にいるものっていうのは、長い将来というものを考えていけば、どこかで成長していくんだろうというのは。
残間 成長の形がどうか。
高田 ただ、今の状態は、とりあえず麻酔をかけてる状態だから、いったんは様子を見ないといけない。となると、いつそこになrかは分からないけれども、長い期間があるんであれば、少しずつでも、長期でもって、分散。積立でもって少しずつ、対応していきましょうっていうのが今の状態でしょうね。
大垣 だから、積立NiSAとかね。
高田 そういうことなんでしょうね。
大垣 iDeCoとか、毎月目をつむって買うやつがあるじゃないですか。ああいうのがいいんだろうね。
残間 大垣さんはいつもほら、みんなに、長い目で見てくださいと。ものすごくリスクを取ってでも急な大儲けをしたい人はともかく、普通にはやっぱり、冷静に長く持ってなさいっていうのを。
大垣 あとは、多分、上がったり下がったりすると思うんです。一回で終わらない。
高田 当然、終わらないですね。
残間 でも、世の中を見てると、上がったり下がったりしてるっていうのすら鈍麻しているというか。そういうことに対して、神経が。
大垣 まあね。ただ一方で、最近は機械で売った買ったをするでしょう。だから、激しいよね。
高田 激しいですよね。
大垣 同じ方向にグワッと動くんだもんね。
高田 ですから、激しいときっていうのは、心臓もそうですけど、ちょっと止まってもまだドキドキしてるっていう。ことですよね。だから、多分この状態は長引くんだろうっていうのは、覚悟する必要があると思いますね。
大垣 でも、長い目で見れば、安くで買ってるってことですよね。
高田 そうですね。
残間 日常は、じっとしてればいいの? なるべくものも食べずに。
大垣 それは話が違うでしょう(笑)。
残間 だけど、そういうのとみんな直結して聞いてるわけよ。
大垣 まあね。
高田 そうですよね。ただ、この時期っていうのは、あんまり急に、悲観的になりすぎないほうがいいかもしれませんね。だから、免疫力を高めるためにも普通の生活をして、その代わり、これまであくせくしすぎてたかなっていうところは反省してっていうのも、みんなあるかもしれないし。
残間 出歩かないで。
鈴木 そうですね。きょうは岡三証券グローバルリサーチセンター理事長の高田創さんにお話をうかがいました。
残間 ときどきまた来ていただきましょうよ。温厚な人柄で。
高田 (笑)。ありがとうございます。楽しい機会で。ありがとうございました。
残間 大垣さんがこんなふうに紳士的になるのも珍しいことなので。
大垣 そうですか?
残間 いいじゃないの。ご学友同士。
鈴木 ありがとうございました。
コロナに伴って、家が未完成でも引き渡せるように。注意が必要です
鈴木 きょうは。
大垣 本当にコロナでいろいろありますけれども、きょうは皆さんとの関係で気をつけていただきたいことが一点。住宅を、今ちょうど建てていて、完成間際ぐらいの方がいらっしゃると、実はトイレとバスタブとキッチンとか、ドアとかが全部中国で作っていて、全然入ってこなくなっていて、日本中家が完成しなくなっている。
残間 そうなの。
大垣 それで、新学期も控えて、引越しをお考えになってて、大体3月に完成するっていう風になさってる方が多い中で、どうしましょうかっていう方が、もしかしたらお聞きになってる方でいらっしゃるかもしれないですね。それ自体はどうしようもないんですけども。あの待つしかない所があるのは仕方がないんですけどもね。
残間 ドアノブとかはいいけど、バスタブとかね。
大垣 住めないですからね、キッチンとかないとね。それで、実はですね、それで困ったことが二つぐらい起きてまして。一つはもちろん業者さんの方で、もうすぐに引き渡せると思ってたのが引き渡せないのでお金がいただけないので。そうすると、下請けさんとか大工さんにお金は払わないといけないので、どうしようもなくなって潰れちゃうってなことにならないようにしないといけない。こちらの方ですね、安倍総理がちゃんと5000億のパッケージっていうことで、それまでは旅行業、観光の関係とかだけだったのが、そういう方にもちゃんとつなぎの資金が貸せるような形でなさったのでよろしいんですけど。
実はその前にちょっと妙な対応をしてましてね。2月の末頃なんですけど、それとは別に、そういう住設の機器が入らないので、もうほとんど完成しちゃってるので、家って完成すると役所で建築確認っていうので完了検査っていうのをして、これで最後完成したことになるんですけど。これを柔軟に行っていいですよっていう通達が出て。
鈴木 おっ?
残間 やらなくていいってこと? 柔軟っていうのは。
大垣 柔軟にっていう意味は、要するに、完成したことにする。っていうことで、検査を通しちゃう。ほとんどできてるのでっていう。それ自体はまあどういう根拠であったかは分かりませんけども、そういうこともあっていいのかなってことなんですが、それに合わせて、住宅金融支援機構っていう国の住宅ローンやってるとこが。これも貸す時に適合検査っていうのやるんですね。それでちゃんと完成しましたっていう適合証明書っていうのをもらわないとお金貸してくれないんですけど、ここも合わせて柔軟に対応することになって。まだ住めないんだけれども、持っていくと、なんかいっぱい発行するんですよね。その中に、「私はまだ完成してないんだけれどもこの証明書をもらいます、よく分かってやってます。その場合、お金が借りられちゃうので、家にはまだ住めないんだけど、返済は始まりますが、それは私は理解しています。以後、万が一業者さんと問題が起きた時は一切、住宅機構には迷惑をかけません」って書いてある書類があるんですね。それにハンコを起こさないと適合証明書を貰いに行けなくはしてあって、さすがにちゃんと読む人は気がつくんですけど、実際こういう処理って山のようにあって、適合証明って普通は業者さんが行くもんで、個人の人が行くもんじゃないんですね。なので、もしかしたら、業者さんがお金に困っちゃった時に、持っていくと適合証明がもらえるので、お客さんに「こういう状況なんですけどまあやってくれるようなんでハンコお願いします」って言って押していくと、実はその住宅機構のローンって普通の金融機関の窓口でしか借りられないんですね。住宅機構で借りるわけじゃないので。そこに適合証明書が出ちゃったと持って来られても、そういう事情で出たものかどうかがわからないんですね。
残間 柔軟の中に入ってるから。
大垣 その柔軟な書類は手元は向こうの手元にあって、結果的にでてきたやつは、完成してるよ、もうお金を貸していいですよ、っていうペーパーしか出てこない。当然窓口は分からないので、それを出されたら貸しちゃうわけですね。そうすると、結構最近はそのまま業者さんの口座にお金を入れますので、代金は業者さんの所に行って、家はさすがにキッチンないと住めなくて、でも翌月から返済が始まって、おかしいなってなってる方もいらっしゃるんじゃないかと思って。
鈴木 ええ。
大垣 実はちょっとトラブルが起きてるって話も聞こえてくるんです。
残間 でもそれ、起こらなくもないですよね、できるんだもん。
大垣 できちゃうから。
残間 ちょっと気になってるのは、そこがのあたふたと2月の末にやられた後、それはそれで生きてますので国の方はもうそういう業者さんが苦しいやつはその別の支援でやってますのでね。できてなくても代金を払わないといけないご事情が、お客さん側にあったら、それはもう、柔軟にやってくれるので是非やってもらったらいいと思います。でももし、何かちょっと嫌だなと。できてもいないのに、全額払いたくないなと思われる方は、よく気をつけて。銀行になるともっとわからないので、多分銀行も貸してくれちゃうので。完了検査が通ってると。ちょっと僕は消費者の目線で言うと、住宅機構がハンコを押すものを押してもらってるので全然問題ないですっていうスタンスなんですけど、それは住宅機構が問題がないだけで、お客さんは誤解することあるので。皆さん、これ住宅機構が典型的なんですけど、普通の銀行でも分からない部分があるので、できてない分のお金も先に払うっていうのは、やめておいたほうがいいです。
残間 でも、そういうときどうして柔軟な対応をみたいに、なんかおためごかしみたいなことするの?
大垣 それは、聞いてください。僕も、あんまりよく分からないです、今回の措置は。
残間 何かあってやってるの?
大垣 やっぱり、お金が大変だよっていうことで、業界の団体からこうやってほしいって言う声があったんだろうと思うんです。その中には、もちろん悪いことするためじゃない理由もあるはずなんですけどね。でも、そういうことで。
残間 うっかりすると、そういうことにならないとも限らない。
大垣 ちょっと長かったですけど、気をつけてください。
残間 お風呂も台所もないのに、できたって。
鈴木 お金を払わなきゃならない。
リスナーメール:なぜプロパンガスは高いの?
鈴木 きょうは。
大垣 埼玉県春日部市、ラジオネーム笑えない男さんからのお便りです。放送で、残間さんがガス代は安いと言っていましたが、私にはガス代は高いと思います。なんでかって言うとプロパンなんですって。都市ガスより高いんですって。何より基本料金が高いですと。
残間 プロパンってそうなんだ、基本料金あるんだ。
大垣 で、僕も面白いなと思って。
残間 都市ガスがあるのは分かるけど。プロパンって一個ずつ買ってくるイメージ。コロンコロンって。
大垣 買ってくるわけじゃないですよ、残間さんはなんか、リヤカーかなんか持っていってさ、プロパンくださいとかって?
残間 昔は買ってきたよ。設置するんだけど、もちろん。
大垣 持ってきてくださるんですよ。残間さん取りに行ったりしないでしょう。
残間 行かないけど、呼んでくるんだけど。何の話?
大垣 フランダースの犬のミルクじゃないんだから。
残間 ガスだからね。
大垣 で、ガス会社を変えたいんですけど、アパートだから変えられないんですって。ここは両方ありのとこなんですね。なんでこんな違うんでしょうかっていうんですけど。僕、考えたことがなくて。
残間 調べた?
大垣 で、でも、何故高いんですかって電話しても教えてくれないので。でも、なんかガスそのものも違うんですけど、そこはそんなには値段ちがわないんですって。ほらプロパンはよく危ないって言うじゃないですか。重いから。下に溜まるから、子供とかいるときは。都市ガスは上がるんでしょ。それで気をつけなさいみたいなのがあったですけど。でも、そこは違わないんだけど、一つは、都市ガスはめちゃくちゃでっかい会社がやられてるのに対して、プロパンは割と小さい会社さんが個別に地域ごとにやられていて、なおかつあれ取り替えとかがいったりとか、人手が必要なので、いわゆる間接の経費がどうしても高めになるので、全体としては高くなるんですって。
残間 うちは、ガスが、客観的に見て安いって言ったじゃなくて、うちはガス代しかガスじゃなかったからね。
大垣 あのとき話したのはそう。
残間 電気だからね。
大垣 だから、ガス使ってないから、当たり前じゃん、みたいな。
鈴木 残間さんはオール電化だから。
残間 オール電化ではないんだけど、一部ガスとかなんだけど、600円とかだから、ガス代だけだよね、絶対。
大垣 それってもう、全然使ってない状態。
残間 使ってないんだね。
鈴木 ちょっと特異な例でしたね。
残間 すみません。
大垣 でも、最近そのついでに見てたら、災害とかでは、結局ガスって止まったら終わりじゃないですか、都市ガスって。でも、プロパンだと、生きていけるよね、みたいなのをSNSに載ってて、あーなるほど、そういう見方もあるな、とか思って。もしかしたらその保険にはなるのかもね、ちょっと。
残間 でも、あの家だけ煮炊きできてるって羨ましくみんな、憎たらしく思うかもね。どうやって分けてあげるの。
大垣 人間に対する考え方がちょっと。
鈴木 念のため、ガスコンロとか備蓄してらっしゃる方もいらっしゃいますしね。
大垣 でも、あんなのよりはずっとプロパンが。
残間 うちの使っていいよ、煮炊きしてって。
大垣 持っていいよ、ゴロゴロとって。
鈴木 どうしてもそっちに戻っていってしまいますね。違いがお分かりいただけましたでしょうか。
残間 高いと。
鈴木 家とお金を考える、大人ライフアカデミーでした。
埼玉県の蓮田市から山梨県の北杜市へ
鈴木 今週は、「マイホーム活用大作戦」。移住住み替え支援機構JTIでは、マイホーム借り上げ制度を通じて、大人世代の皆さんに安定した暮らしを提案しています。このコーナーでは、JTIのサイトウミチオさんにご登場いただきまして、豊富な事例の中からリスナーの皆さんの参考になりそうなケースをご紹介していただきます。宜しくお願いします。
斎藤 よろしくお願いします。きょうはですね、埼玉県の蓮田市のほうを貸し出しまして、今現在は山梨県の北杜市にお住まいになってるという方です。
残間 北杜市。
斎藤 仕事の関係でですね、1982年に埼玉県の蓮田市に工務店さんでマイホームを建築されました。すごくオーソドックスな、割と分譲地の中の日当たりの良い感じのお家が出てきますけど。こういったところで、子育て・通学・通勤のベースとして利用してきたと。定年を機にですね、田舎暮らしをしようということでいろんな地域を見て回った方らしいんですけど、その時に北杜市に目が止まりまして。
大垣 まさか中村さん。
斎藤 そうなんです。素晴らしい。
大垣 中村さんに出会った。
斎藤 あの、実を言いますと、『ふるさと情報館』の雑誌を見ましてですね、北杜市の物件を惚れ込みまして、中村さんのところで購入をされたというお客様で。
大垣 じゃあ、きっといいとこ行かれましたね。
斎藤 そうですね。ちょっと外観の写真がいいのが無かったんで、上から見る写真。
残間 どこ、どこ。
鈴木 航空写真が。
斎藤 こちらの、ちょうど真ん中の赤いお屋根の上の黒いのですね。
残間 ここ?
斎藤 はい。
大垣 これ?
斎藤 ここですね、白いのが横にある。
残間 見たかったな、外観。
大垣 大きそう。
斎藤 そうなんです、写真がいいのがなくて。
大垣 結構広くないですか?
斎藤 広いです。それも、建物もいい感じのものと、あと、周りが、緑が多くてま畑や田んぼ何かもねやってらっしゃると聞いています。
残間 この方にとっては一番いい。田舎暮らしが。
大垣 これは、意外と別荘地の森の中みたいなのあるけど、こういう。
斎藤 畑の中ってあんまりないんですよね。
大垣 意外とないんですよね。でも、あのへんは、僕は思うけど、こういうところのほうが絶対。
斎藤 いいですね。
大垣 いい感じするよね。
斎藤 間違い無いです。
大垣 別荘っぽいとこよりも。
斎藤 あるいは、周りのかたが元々の土地の方なので、そういった方とのふれあいとかもできますし。
大垣 そうですよね。
斎藤 別荘地に入ってしまうとどうしてもね。別荘地の中の人達ってことになりますので。そういったところも求めた方だと思うんですね。そんな中で問題になるのがもともとの家の処分ということで。
大垣 これはかわいそうだけど、上物はタダだね。
斎藤 そうなんです。これ、売ろうと思ったらゼロ円と言われたと。
大垣 これはね。
鈴木 言われたんだ。
大垣 これはタダかも。
残間 なんで?
大垣 いいお家なんですけど、やっぱり。
鈴木 年数ですか?
斎藤 築年数もそうですし、28年ぐらい。
大垣 20年経つと、もう、基本。
残間 売り買いのときはね。
大垣 木造のおうちは、どんなにちゃんとしたお家でも、基本は。
斎藤 タダになることが多いです。ですから、この方も、どうしよう、それじゃあもう、意味がないじゃないかということだったんですが、ちょうど私ども移住・住みかえ支援機構の広告、雑誌の中に載っているときだったもんですから。
残間 そうなの。
斎藤 そちらも見ていただいて。
大垣 ふるさと情報館の裏ページに。
斎藤 そうなんです。広告が、うちのが出ていたので。
大垣 移住・住みかえ支援機構で、広告を見ましたでくるのってすごいレアですよね。
斎藤 レアです。
大垣 広告してないので。
斎藤 あまり出してないものですから。ですから、そんな形でこのお客様が。
残間 裏表紙にね。
斎藤 そんな形で出ています。
大垣 これ、蓮田市ではなかなかいい値段で決まってますね。
斎藤 そうですね。
大垣 9万弱でした。
斎藤 実は、駅からもそんなに遠くないんです。十分歩けて。
大垣 いいお家だしね。でもこれ、入った人からすりゃ、アパートにちょい乗せぐらいで住めますもんね。
斎藤 そうですね。駐車場込みで考えれば、アパートプラスアルファぐらいですから。
鈴木 そうなんですね。
残間 もう9年になるの?
斎藤 そうなんです。この方にはもう、9万円弱ぐらいで入居が決まっていて、一千万近い金額を。
大垣 これ、もう売り値だよ、きっと。こんなこと言ったら怒られるけど。
残間 そうか。
鈴木 へえ。
大垣 あともうちょっとで売り値を超えるんじゃないかなっていうぐらいの金額ですね。
鈴木 入居者も、特に途切れたりすることは。
斎藤 そうなんです。出入りがありまして、でも、毎回空き家の期間は少なくて。今は3人のお子さんがいる5人家族のかたがお住まいになっていて、外から見るだけでも、賑やかな雰囲気がありましたなんてことも言ってらっしゃいました。
鈴木 ありがとうございました。
残間 縁が続いてますね。
斎藤 そうですね。
鈴木 今日もJTIのサイトウミチオさんに、幸せな住み替えの実例をご紹介いただきました。ありがとうございました。
斎藤 ありがとうございました。