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リスナーメール:不動産投資信託って一体何? できた経緯やメリット、選ぶポイントについて

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 聞いて得する家とお金のお話、大垣さん、きょうは。

大垣 きょうは、東京都板橋区コロンボさん。いつもメールを頂いてます、ありがとうございます。毎週興味深く聞いています。不動産投資信託について、投資する際や選ぶポイントなど教えて頂ければ幸いです。わりと直球の質問が来てます。

残間 ふーむ。

大垣 前ちょっとやりましたかね、不動産投資みたいなの。

残間 やったかもしれないけど、忘れた。不動産って何? そんなのにそんなことするの。

大垣 不動産って、昔は、ビルをとにかくドンと買って、それで土地が上がりますよね、だんだん。80年代ぐらいになると、小口家って言って、それをみんなで投資して、一口1000万円とか、一億円とか。当時その時出てきたのが、覚えてらっしゃるかな、ワンルームマンション。

鈴木 はいはい。

残間 この間のは違うの。みんなで。

大垣 そうそう。

残間 あれも不動産投資の類。

大垣 で、それがいろいろ問題が起きてきたんだけど、その頃までは、とにかく土地が上がりますからいいじゃないですかとかって、うえは償却資産とかって言って、税金がちょっと高くなるので。それから、相続の対策になるとかって議論になった。ところが、本当は不動産って、例えば同じビルでも、大垣がそこを管理するか、それとも森ビルが管理するかだと、やっぱ同じビルでもちょっと違うなっていう感じになるんですね。業界の人で言うと、例えば、だいぶ前の話ですけど、例えばビルの中のトイレがウォシュレットかウォシュレットでないかで、人気が全然変わるとか。

残間 なるほどね。

大垣 ちょっと前だと、インテリジェント床になってて、開けると線が引けるか引けないかとかね。そう言うので、利回り、家賃が変わってくるので。もともとアメリカとかでは不動産って、Real Propertyっていうんですけど。プロパティだけじゃダメで、プロパティマネージャー、経営者みたいな感じで、マネージャーがくっついて、くっつけるとProjectって言うんですけど、それで初めて投資の対象になるっていう。

残間 なるほど。

大垣 そんな考え方は日本も必要だねって、そういうのが出てくると、あんまり土地が上がるといいなって思うっていう形の投資じゃなくなって、バブルみたいなのが起きにくくなる。それをやろうって言うんで出てきたのが、この。証券買う時にやっぱり株をいっぱい入れて、それを持分にして1万円から買える、みたいなのあるでしょう。ああいう感じで不動産を入れて、投資できるようにしようと。そうすると今度は、例えば東京のビルだけじゃなくて大阪のビルをいれるとか、色々入れると、一人で5棟も買えないじゃないですか、ビル。前は、一棟を一回二回三回に切ったりと。今度は5棟を全部ぶっこんでその何分の一とかってやると安定してくるじゃないですか。

鈴木 ああ。

大垣 それともう一つ大事なことは、不動産って売りたいときに売れないんですよね。で、それから、100人で投資してたら、一棟しかビルなかったら全員で売るか売らないかどっちかしかないじゃないですか。そうすると、やっぱり投資して途中でお金が欲しくなるじゃないですか。そうすると普通の投信だったらもちろん解約して、そしたら向こうが株を売って、それでそのお金払ってくれるんですけど。不動産って、「ちょっとお金がいるんで」って言って、じゃあこの辺のブロック一つ持ってくださいってわけにいかじゃないじゃないですか。だから、それを、いったんそういう会社みたいな中に入れちゃって、それを上場するわけ、東京証券取引所に。そうすると、売った買ったができるようになるでしょう。そうすると、不動産自体は売らないでも、不動産の入っている会社の株みたいなものを証券会社の人に売ってもらったら、5万円だけでも売れるじゃないですか。

鈴木 はい。

大垣 そういう風にしてしまうことで、今度はそれに値段がつくじゃないですか。で、それはバブるかもしれないけど、実は会社に入ってる不動産は売ってないので、不動産がバブらないんですよね。株は上がったり下がったりしてる感じで、上がったり下がったりすると、そういうものを作ったんです、2000年ぐらいかな。それが不動産投資信託っていうことで。じゃあ、投資するときどうするんですかって、まあ、株になっちゃってますから、不動産じゃないんですね。だから、配当がもらえるだけ。ただ、普通の株より配当がちょっと高いんです。家賃がもらえるので。3パーセントか4パーセントぐらいもらえるんじゃない。

残間 いろんなものにいろんなお金がつくものだね。今の話聞いてると。

大垣 そうね。

残間 そのものではなくて、そのものを管理したりまとめたりしてるところにもついちゃうっていう、すごいね。

大垣 そうそう。だから、ちょっと違うんですね。やってる人でかなり変わってきたりとか。元々ね、85年ぐらいにアメリカから僕も直接絡んで持ってきて、15年ぐらいかかったかな、日本でそれができるまで。

残間 プロパティマネージメントって色々な広告に最近、この何年出てきますよね。

大垣 はい。

残間 それが入ってないと、価値が一定にならない。

大垣 そう。だから、いい人がやらないといけないし、やっぱり、最近はビルだけじゃなくてショッピングセンター入ってるやつとか、今流行りなのは倉庫とかね。

残間 物流ね。

大垣 物流系のやつがいいですとか。そういうのは小口で買えますので、証券会社行って。

残間 プロパティマネージメントにも資格が必要なの?

大垣 あるんですけど、ないとできないわけじゃないわけ。

残間 経験みたいなもので。

大垣 そうそう。だから、やっぱりそういう大きいビッグネームのとこは割ときちっとやりますよね。株ばっか買ってないで、株っぽいんだけどそれも買っとくと、上がり下がりが同時に、同じように動かないので。

鈴木 リスクを分散するんですね。

大垣 分散になるんですよね。

残間 大変だなあ、そういうの。

鈴木 コロンボさん、参考になさってみてください。大人ライフアカデミー2020でした。

住み替え事例のご紹介 岐阜県の各務原市内で移住。二世帯住宅を新たに建てました!

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 今週はマイホーム活用大作戦。移住・住みかえ支援機構ではマイホーム借り上げ制度を通じて大人世代の皆さんに安定した暮らしを提案していますこのコーナーでは JTI のさいとうみちおさんに豊富な事例の中からリスナーの皆さんの参考になるケースをご紹介いただきます。斉藤さん、よろしくお願いします。

斎藤 よろしくお願いいたします。今日は岐阜県各務原市の中で移住をされたという方のお話をさせていただきます。もともと1987年に地元の工務店でマイホームを新築されまして、実際にはもう築30年を超えた状態で。お庭の木が立派すぎて家が見えない。

鈴木 本当だ、大きく育ってますね。

斎藤 そうなんですけど、35年もあるとこのぐらい植木も育つわけですけど。そこで、お子さまをお一人お育てになりまして、ご自身が高齢になってくるにつれて今度はお父様お母様、ご両親の体調が気になってくる。そんな時代に。

大垣 そうか、二世帯住宅を作られたんですね。

斎藤 そうですそうです。そこで、両親と同居を考えたんだけれども、現在の家をどうしたらいいだろうと。築年数も30年を超えてましたからそんなに高くっていうことは考えてはいなかったんですが、実を言うと売却のことも考えて査定をしてもらったんですけど。

大垣 これは、各務原市だと、悲しいぐらい。

斎藤 そうなんです。土地も安いし、建物もゼロ円っていうことで、とても納得できないというような状況になりまして。そんな時に、住宅メーカーで二世帯住宅を建てているんですけど、そこのメーカーの営業マンから、今の家は貸したらどうですかと。35年とはいってもまだまだ使えますよというアドバイスをいただいて、移住・住みかえ支援機構に連絡を取りまして。そんな時、地元の有資格者の方が、「行きますよ」ということで現地も見てくれて。色々とお話をしたところは自分達の計画には合ってるぞという結論のもとで、二世帯住宅を建てて、今の家を貸して、その賃料を手にしながらという計画を立てたと。

大垣 これ、もうだいぶ前のお客さんですよね。

斎藤 そうなんです。もう8年。

大垣 8年か。じゃあ、そうは言ってもそれなりに。

斎藤 そうですね。8年経ちますと、600万以上の金額をお届けしておりますので。

大垣 下手すると、土地代ぐらいにもう。

斎藤 近いですね。

残間 そうだよね。

鈴木 いいですね。

斎藤 実際には、まだ土地を売ってませんから、思い切って売るよ、と言ったときには、土地値で売ればいいだけですからね。

残間 住んでる方はどんな方なんですか。

斎藤 それが、実を言うと、四人家族でお子様がお一人と。

大垣 これはもう、借家絶対ないから。

斎藤 そうですね。これだけ立派なお庭があって、これだけの広さ、5LDKですから、なかなか賃貸で借りるって言ったって。

大垣 私がそうだもん。子供5人いて、東京で借家を探すの難しい。全員がハリーポッター状態になりますからね。

鈴木 じゃあ、住んでる方にも喜ばれて。

斎藤 そうですね。

大垣 これは喜んでらっしゃるでしょうね。

斎藤 もう8年経過するけれども。

残間 気がついたら600万円貯まってるっていうね。

斎藤 後になってから気がつくものなんですけど。

残間 そうですね。

斎藤 おかげさまで、所有者の方も入居者の方も喜んでいただいているという事例になります。

鈴木 JTIの斉藤道夫さんに、幸せな住み替えの実例をご紹介いただきました。ありがとうございました。

斎藤 ありがとうございました。

『新明解国語辞典』が面白い! 紋切り型でないパワフルな、「読んで面白い」辞書とは

鈴木 聞いて得する家とお金のお話。大垣さん、今日は。

 

大垣 きょうはどっちでもなくて、国語の勉強です。

 

鈴木 はい、国語。

 

大垣 新明解国語辞典って知ってますか。

 

残間 知ってるよ。

 

大垣 有名なやつ。面白いでしょう、新明解国語辞典

 

残間 結構。やんちゃ。

 

鈴木 紋切り型でない。

 

大垣 やんちゃでしょう。その新版が出たの。11月に。それで早速、業界では明解さんと呼ばれていて、とっても面白いので、まさに広辞苑と比較して表を作ってみました。最初から面白いんです。高齢っていうのを引くと、工事園は年齢が高いことって書いてあるんですけど。

 

鈴木 分かりますね。

 

大垣 明解さんは、高年のため人生経験は豊かである反面、体力気力の衰えを意識せざるを得ない状態にあること。

 

残間 いいね。

 

鈴木 そこまで書いてくださってるんですね。

 

大垣 そうですかって。

 

残間 人生経験は豊かである反面って。豊かな人もいれば、じゃない人もいるし。

 

大垣 それから、加齢はね、新年、または誕生日を迎えて年齢が増す事っていうのが広辞苑でね。

 

残間 エイジングね。

 

大垣 壮年期を過ぎた人が年を経るに従って老いへの道を確実に辿る事って。別に確実にって言わないでもいいじゃないかってね。「若い」ってのがまた面白くて。生まれてから年月を経ることが少ないっていうのが広辞苑なんですけど。子供だと捉えられる段階は過ぎているが、中年には達していない年代で、肉体的な機能が充実し気力活力に満ちていると捉えられる状態にある様子だ。また、年齢の点では中年以上であっても気力活力の点では中年以下の人と変わらない様子だ。っていう。この、また以下が全く無駄ですよね、なんか。

 

残間 でも、ほら、ね。若さっていうのは人によるとか、青春はずっと生きてる限りとかって人のためのフォローがちゃんとできてるよ。

 

大垣 そうですね。それから、虫が面白くて。広辞苑では、本草学では人類、獣類、鳥類、魚類以外の小動物の総称って書いてあるだけなんですね。

 

残間 昆虫など。

 

大垣 こっちはすごいんです。湧くようにして生まれてき、地上を這い回ったり、池、川や海中、地中に住んでいたりする小さい動物って。

 

残間 湧くように生まれてきてって。

 

大垣 湧くように生まれないといけないんですよ、虫って。

 

鈴木 ここが導入なんですね、すごい。

 

大垣 で、ついでに、虫の知らせは、何の根拠もないがなんとなくそのような気がすること。なんですけど、広辞苑では。自分にとった妙な行動や何かから受けた嫌な感じは偶然そうなったのではなく不幸な出来事に対する予感であったと思うこと。多く、のちになって思い当たった場合に用いるって書いてある。

 

鈴木 あとで気づくって。

 

残間 相当この書いてる筆者っていうか、作者が、面白い性格だよね。

 

大垣 面白いですよね。もっと面白いのが、そのついでのゴキブリ。これは、広辞苑は、シロアリ類を除くゴキブリ目の昆虫の総称なんですけどね。明解さんは、台所を始め家の中のあらゆるところに住む、油色の平たい害虫。触ると臭いって書いてあって。この人触ったんだっていう。

 

鈴木 知らなかった。

 

大垣 普通触らないですよね、あんなもん。なんで国語辞典に触ると臭いって書かないといけないのかっていう。

 

残間 面白いね。

 

大垣 なんかね、怪人。神出鬼没で次にどんな行動をとるか予想もつかない人。これは普通かな。根強い。これもなんかいろいろあったんだろうなこの人って思うんですけど。広辞苑は、根元がしっかりしていて強い、容易くは揺るがないってことなんですけどね。必ずしも好ましいとばかりは言えないのに、そうする仕方に慣れすぎていて、容易には変わらない、変えられない様子だ。他から加えられる圧力などに屈することなく初期の目的を貫き通そうとする様子だ。

 

残間 この、「〜だ」って言い方って普通、辞書にないよね。

 

大垣 そうそう。

 

残間 なんかこの人、言い切ってるよね。

 

鈴木 ね。

 

残間 なんとかだって。誰が書いてるんだろう。

 

大垣 誰なのか分からない。

 

残間 ゴキブリ触ると臭いって。

 

大垣 臭いんですって。この人、いろいろ頑張ってるんですよね、自分で。塩はね、塩化ナトリウムを主成分とした塩辛い味の白色の結晶なんですね、広辞苑は。それが、新明解は、生成したものは一見砂糖に似る白い結晶。人間の生活に欠くことのできない調味料だが、一度にたくさん舐めると舌を刺すような刺激があるって書いてあって。

 

鈴木 舐めたんだ。

 

大垣 一度にたくさん舐めたんだこの人っていう。

 

残間 ふーん。

 

鈴木 ゴキブリを触って、塩をたっぷり舐めたことのある人。

 

大垣 それで、手締めっていうのを引くとね、ことの決着を祝って行う揃いの拍子って書いてあるんですけど、似てるんですけど、物事の決着や成功を祝って、関係者一同が掛け声に合わせてする拍手の後にね、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンと聞こえるように調子をとるって書いてあって。

 

残間 本当に書いてあんの、これ。辞典に。

 

大垣 書いてある、書いてある。わざわざこんなにたくさん字数とってシャンシャン書かないでもいいだろうって。

 

残間 面白いね。

 

大垣 すごいおかしいんです、新明解って。だから、大変売れていて割と安い辞書なので。

 

残間 そうなんだよね、カジュアルな感じするんだよ。

 

大垣 ぜひ、冬のコロナで外に出られないときに。

 

残間 面白い、買ってみようっと。

 

大垣 新明解さんをパッと開いて。大体、見開き2ページに一つぐらい、こういう変なのがある。すごい面白い。

 

残間 探してみよう。

 

鈴木 ありがとうございます。

 

大垣 新版になってもそのパワーは全然衰えていなかったので。

 

残間 余計もっとすごくなってるかもしれない(笑)。

 

鈴木 人柄を想像してしまいますよね。

 

大垣 というわけで、ゴキブリは触ると臭いので触らないでください。以上であります。

 

鈴木 大人ライフアカデミー2020でした。

 

「消費」の最前線!? 消費者庁長官の伊藤明子さんと、消費者庁の役割と消費の現在を語る

金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代プロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。
2020年12月5日の放送では、消費者庁長官の伊藤明子さんをゲストにお招きし、消費者庁の役割についてを語りました。「消費相談センター」などの設置が代表的な消費者庁ですが、近年、食品ロスなどの問題にも取り組んでおり、まさに「消費のトレンド」最前線であることをご存じでしたか。普段なかなか内側からの話を聞くことができない消費者庁が、どんな考えを持って消費者や消費と向き合っているのか。詳しくうかがいました。
  • 大人の花道

鈴木 早速ご紹介します。本日のお客様、消費者庁長官の伊藤明子さんです、よろしくお願いします。

 

伊藤 よろしくお願いいたします。

 

鈴木 簡単にプロフィールいいですか。

 

残間 どうぞどうぞ。みんな分かんないもんね。

 

鈴木 ご存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、島根県出身で1984年、京都大学工学部卒業。建設省入省。2017年に国土交通省住宅局長、2018年内閣官房まちひとしごと創生本部事務局地方創生総括官総括官補を経て、2019年消費者庁長官に就任という、もう素晴らしいご経歴で。

 

残間 聞いただけですごいでしょう。

 

伊藤 いやいや、全然。

 

残間 でもまた可愛らしい、素敵な人なのよ。

 

伊藤 ありがとうございます。

 

鈴木 きょうは、伊藤さんに、消費者省長官として食品ロスについてお話しいただこうということなんですよね。

 

残間 に、限らなくていいんじゃないの。

 

大垣 消費者庁ってなんでもやってますもんね。

 

残間 ね。

 

伊藤 消費者庁って、11年前にできた新しい省庁で、消費者目線でみんな物事を見ようっていう、そういう省庁なので。

 

残間 この頃、食品ロスのあとにトクホで。

 

伊藤 ああいうのもあるし。食品の表示もあれば、あとは、悪質事業者対策。消費者被害の防止。

 

大垣 わりとそっち系のイメージがあるんです。食品ロスっていうと、むしろロスらないようにしようっていうのをやっていらっしゃるんですか。

 

伊藤 そう。どちらかといったら消費者庁って、要は、消費者を騙す悪い人たちを懲らしめるっていうのが元々のメインで、これが一番大事なんですが、最近は、そうはいっても普通の消費者とか、普通の事業者もいっぱいいるから、両方は要は協力して、いい消費社会を作ろうねっていうことを言っていて、その一環が食品ロスってことなんです。

 

大垣 なるほど。

 

伊藤 いろんな省庁をまたがっているんで、消費者庁がとりあえず取りまとめ役になってるって、そういう感じなんです。

 

残間 日本は、とても食べ物捨ててるとかって言われたからね。

 

大垣 あれ、期限を緩めてくれたのはいいですよね。なんかあんまり気にしない人だっていつも非難されてて。過ぎてるのにとか。でも大丈夫なんですよね。

 

残間 賞味期限とか消費期限ってのができてからみんなすごく神経質で。

 

大垣 そうそう。

 

残間 うちの息子なんか、ちょっと切れただけで、昨日とかでも、捨てなきゃって言うから、ダメって。

 

伊藤 大体、賞味期限と消費期限って、多分今ラジオで聴いて、耳で聞いてらっしゃると。

 

残間 味と費用の。

 

大垣 消費期限は、やめといたほうがいいやつですよね。

 

伊藤 それからあとは食べないほうがいい。

 

大垣 あれって、会社が決めてるんですか。

 

伊藤 会社が決めてるんですが、一応ルールがあって、ちゃんとこの日になったら腐っちゃうからとか、そういうので決めていて。賞味期限のほうは割と缶詰とかは日持ちするもんなんですよね。賞味期限は、別に過ぎたからといって食べられないわけじゃないんです。

 

残間 今の若い女の子とかって、例えば、なすをずっと冷蔵庫に入れて紫色の汁になるじゃない。そうすると、ジュースになったとかっていう子いるのよ。

 

伊藤 それは食べちゃいけない。

 

鈴木 それは強者ですね。

 

残間 お豆腐の腐ったのなんていうのは、鼻で匂いをかいでもわからないって。

 

大垣 豆腐って腐らせる?

 

伊藤 前は、クンクンしてこれはまずいとか、口でピリッとしたらっていうのをやるけど、今はみなさん分かんない。見るだけでやっちゃうから。

 

残間 それから数字で。味と消費でね。

 

伊藤 特に賞味期限を過ぎて捨てるのは、ちょっと違うかも。

 

残間 知ってる? 賞味期限過ぎてもどのぐらい大丈夫かっていう表が出回ってるの。

 

伊藤 大体、安全率が8割ぐらいで決まってるので、賞味期限がきても、まだそこそこ美味しく食べれてそれからあと、ダーッと悪くなって食べられなくなるわけだからだいぶ先なんです。

 

残間 生で食べないで、煮たり焼いたりすれば大丈夫っていうのは教えてないんだよね。大垣さんの領域の家のことなんかでも苦情ってくるの?

 

伊藤 家の事も来ますよね。怖いのはリフォーム詐欺みたいな。

 

鈴木 ああ。

 

伊藤 怖いのは、家の床下とか、小屋裏とか、見えない所を何回も来たりとか。あと最近災害が多いでしょう。そうすると、災害の後に「保険会社の方から来ました」って人が来て。

 

大垣 方角だけなんだ。

 

伊藤 私が代わりに見積もりをしますとかって言って。すごくそれは、損保もすごい困られていて。

 

大垣 そうでしょうね。

 

伊藤 要は、本来対象にならないものも「対象になります」って言って、申請された挙句、その人は立ち会い料取ったりするんですって。それってもう、全然そんな必要はなくて、ちゃんと損保はやってくれますから。だけどそういうのもあったりして、すごい困ってるんです。

 

残間 それでもやっぱお役所が、聞いてくれる窓口も大事だけど、消費者の方もちゃんと知ったり学んだりしないとまずいよね。

 

伊藤 そうなんですよ。やっぱり、騙されないためには基礎的な知識がないと。だけど怖いのは、最近は一人暮らしが多くなって。

 

残間 それで高齢化してるし。

 

伊藤 そう。前だと、「こんなこときたけど大丈夫」って言ったら、お父さんそれは辞めたほうがいいわよなんて言われてたのが、今、あんまり相談する人いないから。

 

大垣 確かにね。

 

伊藤 それがちょっと怖いんです。

 

残間 単独で、一人暮らしの人で、だんだんコミュニケーション、特におじさんみたいな人は取らないんもんね。

 

伊藤 かつ、共働きも多いと、「あのおじいさんのところ、おばあさんのところ、なんか変な人来てない?」っていう人もいないし。

 

鈴木 周りもね。

 

伊藤 だから、余計にみんなすごく、被害に遭いやすい状態にはなってると思いますね。

 

鈴木 伊藤さんにはこのあともお話を伺っていきます。

 

  • 大人ライフアカデミー2020

鈴木 引き続き、消費者庁長官の伊藤明子さんにお話を伺っていきます。

 

残間 これ、伊藤さんの名刺見ると、「一人で悩まずまず相談。消費者ホットライン188」。

 

大垣 なんで、これここだけ関西弁なったんですかね。

 

伊藤 語呂合わせで。

 

鈴木 泣き寝入りはダメって。

 

伊藤 188って、かけてもらうと、色々、「これ変だな」ってのことがあったらかけてもらうと、地域の消費生活センターにかかりますから。ここで専門家の方に色々相談していただくと、いろんな。

 

鈴木 じゃあ、一人暮らしの方も。変な訪問とかきたら。

 

伊藤 そうそう。変な訪問販売だとか、この契約はちょっとおかしいんじゃないかなってことがあったら、ぜひ188にかけていただければ。

 

大垣 これ、早めにかけたほうがいいですよね。

 

伊藤 そうですね。

 

大垣 僕、最近、家の関係でもそういうのがありましてね。ちょっと悪い人はいいんだけど、騙すほうの人はわからないですよね。

 

残間 そうなんですよね。

 

大垣 本当に犯罪系っぽい人は、本当に騙しにきてるので。

 

残間 犯罪系っぽい人、なんて言わなくていいんだよ。

 

大垣 (笑)。

 

伊藤 でも、年間、188って、90万件から100万件ぐらいの相談が来るんですよ。そういうので、やっぱり「この事業者どうもおかしい」とか。苦情が多い人っておっしゃるように変な人が。

 

大垣 おかしいっていうのもあるけども、うますぎるっていうときはかけた方がいいですよね。

 

伊藤 そうなんですよ。やっぱりうまい話はまず一歩立ち止まってもらわないと、そんなに、投資ばなしなんかも、「これいいですよ」と言われて、「そんなにいい話だったらどうしてあなたがやらないんですか」って。人に教えてるほどないんじゃないって。

 

大垣 多分、ほとんど、冷静に考えたら絶対うまくいかない話が多いんだけど、プロのやつは、すごい上手いわけ。

 

残間 それを仕事にしてるんだもんね。

 

大垣 そう。だから、やっぱり、188って。

 

伊藤 ぜひ覚えてください。

 

大垣 意外とかけないけど、かけたほうがいいんですよね。

 

伊藤 でも、本当に、お年寄りが割とあると思ったら、若い人も、騙されちゃって。

 

大垣 さっきも雑談してたら、男の子が化粧品で騙されるって。

 

伊藤 そうなんです。最近は若い子は、消費者相談って、結局、今の消費生活がどうなってるかっていうのを反映してるようなもんだから。

 

残間 そりゃそうだね。

 

伊藤 前は、若い子は、女の子は美容は多い。エステの苦情とか、そういうのが多かったんですけど、今は、男の子も20代って、美容系が上位なんです。

 

残間 だって今、化粧品売れてるじゃない。リモートになってからとか、就活もあるでしょう。

 

伊藤 あとは脱毛とか。

 

大垣 脱毛ね。

 

残間 整形もあるでしょう。

 

大垣 整形。ちょっと興味本位ですが、私らぐらいのおじさんはどういうふうなものが。

 

伊藤 おじさんたちは、そうはいっても儲け話とか、あと、定期購入。健康食品とかで、今だけとか、お試しとかって言われたら、実は違ってて、2回目からもどんどん来ちゃって、解約したいと。

 

大垣 ああいうのは男の人も結構引っかかっちゃうんだ。

 

残間 今、家にいる男の人はものすごく健康食品を。

 

大垣 ああ、そうだね。

 

残間 それで、30分以内には、係員を増やして待ってますなんていうと、友達なんかも私と同世代の男の人もいっぱい買うよ。健康食品とかね。

 

伊藤 やっぱり、健康っていうのは皆さんの大きいテーマで。別に健康食品自体は悪いわけじゃないですけど。私達も、トクホをやってたり、機能性食品をやったりしてるから、それはいいんですけど。買い方はちょっと気をつけてもらわないと、よく見ると書いてあるんですけどね。それがちょっとわかんなかったりして。あとあと、始め500円だからと思って思わず頼んじゃったら、定期的に来ちゃってね。ひどいのはやっぱり、解約は電話じゃなきゃダメで、電話はいつも混み合ってますみたいなのとか。ちょっとこれは、法律の改正なんかも考えないといけないと思ってるんですけど。やっぱり、みんな巣ごもり消費になって、皆さん増えてますよ、それは。

 

残間 確かに、世の中の、時代を反映してるよね。

 

伊藤 そうなんです。

 

大垣 さっきの食品ロスに戻りますけど、そうやって騙されちゃったやつフォローっていう感じが強かったのが、こういうのがもっと増えるといいですね。

 

伊藤 消費者庁も、さっきの消費者被害の防止がもちろんこれが一番大事ではあるんですけど、やっぱり個人消費ってGDPの50数パーセントを占めてるんで、だったらいい商品しましょうっていうことだから。

 

大垣 そうそう。

 

伊藤 だからそのために、うまく協働しましょうっていう。

 

大垣 日本人って、こういうのちゃんとやると思うんですよね。意識が。

 

伊藤 でも、すごいんですよ。今食品ロスって、毎日大型トラックで1680台分。毎日お茶碗一杯ぶんだけみんな捨ててるんで。

 

大垣 確かにな。捨てるっていうのは。

 

残間 そうすると、トラックが。

 

伊藤 そうなんです。1680台分になるんです。だから、お米の消費量、一人分のお米の消費量と、食品ロスで捨ててる量はほぼ同じぐらい。

 

大垣 これ、しなくなるとどうなるんですか。全体的に食品を消費しないで効率的にはなるんだけど、そうすると。

 

残間 経済が。

 

伊藤 だって、廃棄してるためにはコストもかかってるし。だって、日本って、元々食料自給率37パーセントとかですから。皆輸入してそのぶん捨ててるってどういうことってみんな飢えてる人も世界にはいるし。

 

残間 本当よね。

 

伊藤 ノーベル平和賞を取った国連の世界食糧計画。あそこがいろいろ援助してるのの1.5倍なんですよ、捨ててるのが、日本で、年間。すんごい量捨ててるんで。

 

鈴木 ええっ。

 

残間 大垣さんがいうように、何かきっかけがあると日本人って。

 

大垣 日本人って割とやると思うんです。

 

残間 そういうのは恥ずかしいことだとかっていう風に知らしめるとやるよね。

 

伊藤 それから、元々もったいないって感じがあったのに。

 

大垣 もったいないって言葉あるよね。

 

伊藤 なんとなくそれが、インスタ映えするから、写真だけ撮って捨てちゃうとか。

 

大垣 会社も、あんまりもったいないってやられると売れないんじゃないかみたいなのがあって。

 

伊藤 恵方巻きってあるじゃないですか。あれなんて、今年はちゃんと予約を取ってやったら、量は減ったけど利益率は上がったんですって。

 

大垣 なるほどね。

 

残間 2、3年前までは大量に廃棄してたんだもんね。

 

伊藤 そう。やっぱり、ああいう季節ものって、この日しかダメっていうのあるじゃないですか。

 

残間 捨てたりすると、恵方もあんたには鬼門になるぜみたいなキャンペーンしないと。

 

大垣 親から言われたのは、京都なんか、何かする日が決まっていて、それってよく考えてあって、そのときにやればいいことになってるから、無駄がないように回ってるっていうのはよく言われましたね。そういうのも、思い出してくるといいのかもしれないね。

 

伊藤 なんとなく、買い過ぎたり、冷凍庫に入れとけばずっと大丈夫なんてつい思っちゃったりするところが私なんかもあるんですけど。そういうのも気をつけないと。

 

残間 ああいうのも、1ヶ月ぐらいなんだよね。

 

伊藤 そうなんです。ちゃんとチェックしないと駄目ですよね。あとはやっぱり、消費習慣も、新しいものじゃないと売れないからって言って、コンビニなんかもものすごい商品の納入をかなりゆとりのあるものしか受け付けませんって、返品が多かったりするんですよね。今も。

 

大垣 そうやって効率的にやって、ちょっとお金が余ると、今度はGo Toとかで使うっていうのもやんないと。経済も回していかないといけないし。

 

伊藤 別に、ケチケチしましょうって言ってるわけじゃないの。

 

大垣 締めるとこ締めて。ハレとケっていうんですか。そういうのを、ケジメつけていくといいのかもしれないね。

 

残間 それはどこから始まってんのかっていうと、やっぱり家庭の教育とか、そういうのは大きいよね。

 

大垣 消費者教育とか言われると、「消費者教育ですか」ってなっちゃうんだけど。

 

伊藤 勉強って言われた瞬間に嫌になりますよね。

 

大垣 リテラシーあげないといけないのは間違いないですよね。金融なんかは間違いなくそうで、教えないとどうしようもないところがあって、でもやっぱり教える機会がなくて。ちょっとだけ私の世界の話させていただくと、あれ、誰が受け持ってんですか、投資商品とかは。やばいやつは消費者庁なんだろうけど。

 

伊藤 投資商品は、金融庁

 

大垣 僕、前、消費者法のところで申し上げたんですけど、やっぱり、違法じゃないんだけど不当な物っていっぱいあるわけ。

 

伊藤 ああ。

 

大垣 っていうか、ほとんどそうなわけ、金融のものって。で、だから、自分で守らないとやっぱりどうしようもないようなところがあって。ところが、消費者じゃないんですよね。投資家なんですよね。投資家になった瞬間に、競馬しにきてるんだから別にわかってるでしょみたいな感じになっちゃって、守ってもらえなくなるみたいなのがあって。

 

残間 伊藤さん、大垣さんはいつもこの番組でいうのよ。違法じゃないけど不当なものがあるから気をつけてって。

 

伊藤 そうですね。グレーなものっていうのはありますね。うちがすごく心配してるのは、2022年に成年年齢の引き下げってあるんですよ。もう選挙は18歳になるじゃないですか。契約はまだなんですよ。2022年なんです。

 

鈴木 そうなんですね。

 

伊藤 今は未成年で、うちの子なんか、エステの高い予約なんかしちゃって、そしたら私に電話がかかってきて。

 

鈴木 しちゃったんですか。

 

伊藤 お母さん知ってますか? って、いや聞いてたからよかったんだけど、知ってましたって言ってたらいいけど。

 

大垣 嫌だな、会社に「母です」とかって電話かかってくんの。

 

鈴木 身近なんですね、伊藤さんにも。

 

伊藤 それは、知ってますから大丈夫ですって言ったからいいんですけど、あれ、未成年の取消権があるから、本当は、「知りません駄目です」って言ったらそれで今は取り寄せる。2022年からは、高校出たらもうみんな一人前だから、取り消されないから、そんな電話なんかはもう当然かかってこないわけですよ。

 

大垣 僕は来年から、青学で、お金の1年生向けの授業を作って、担当することにした。

 

残間 そうか。18だもんね。

 

大垣 でも、分からないでしょう。

 

伊藤 今、一生懸命、高校でそういうことを一応教えて。でも、やっぱり実生活で実践してみないと分からないこともあるかもしれないですね。本当は。

 

鈴木 とにかく迷ったら188ですね。あっという間にお時間になってしまいました。ぜひ、伊藤さん、またいらしてください。お忙しいとは思いますが。

 

残間 本当に来てくれるかどうか、最初は心配したんだよね。忙しいから。

 

鈴木 ちゃんと来てくださいましたよ。ありがとうございます。

 

伊藤 せっかくの機会をありがとうございました。よろしくお願いします。

 

残間 ぜひ188にね。

 

伊藤 あと、消費期限と賞味期限は違いますから、あれもよく覚えておいてください。よろしくお願いします。

 

鈴木 消費者庁長官の伊藤明子さんでした。ありがとうございました。



リスナーメール:移住・住みかえ支援機構のマイホーム借上げ制度、利用のための条件とは?

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 聞いて得する家とお金のお話です。大垣さん、今日は。

 

大垣 きょうはメール頂いてて。千葉市緑区のタカさんっていう方なんですけど。ようするに、JTIっていう、私が理事を務めている移住・住みかえ支援機構のところに持ってらっしゃるお家を貸せないかっていうことで来られて、でも結果的には難しいって話になったんですけど。私たちはよく、インフォマーシャルで「所定の条件」とか言ってますよね。

 

鈴木 はい。

 

大垣 わりとお役所的な言葉の使い方で、具体的にじゃあなんなのっていうの? っていうのはおわかりにならないですよね、当然ね。それで、具体的にももう少し教えていただけますかっていう、そういうことなんですけど。あんまり難しい条件はないんですけど、さすがに国土交通省のほうからサポートしていただいているということで、耐震性のところはやっぱり譲れない。

 

残間 地震の。

 

大垣 ただ、今の基準っていうのは前も話したかもしれませんが、兵庫の阪神淡路大震災

 

残間 95年か。

 

大垣 で、2000年に実は厳しくなってるんです。それをもって新耐震とか旧耐震とか言ってるだけじゃないんですけど、厳しくなってるのは事実なんですね。それに合わせちゃうと、2000年より前の家って、感覚的に言うと0.7ぐらいなんですよ。だから、できればあと0.3ぐらいあげたほうが完璧なんですけど。

 

残間 耐震をね。

 

大垣 それは、そこまでは要求してなくて、81年にものすごく大きく耐震基準が変わっていて、81年より後のものを新耐震って言って、前のものを旧耐震って言ってるんですけど。旧耐震っていうのは、それじゃあどのくらいかっていうといまを1にすると0.3ぐらい。

 

鈴木 そんなに。

 

大垣 これはもう、危ないです、はっきり言って。

 

残間 さらにその後東日本があるから、みんな1995年の阪神淡路の時にも、2000年で変わったのでも、さらに2011年以降って、やっぱりまだ怖いって思ってる人いるから、81年はうんと古いっていう感じしちゃうよね。

 

大垣 81年はさすがに、時間的にもずいぶん経ってますからね。

 

残間 うん。

 

大垣 それで、直せるんですけど、お金がそれなりにかかるんですよね。古いものとか。場所がいいとこだとそれでもやったほうがいいんですけど、田舎とはいわないんですけど、この方たまたまですけど、家をお持ちになってるのがご実家の広島のほうで、調べてみると、そこの家賃の水準だとかなり長いこともらわないと、かけた耐震の費用が元が取れないぐらいの感じだったんですね。それで、どうなさいますっていうようなお話をしたっていうのが一つで。

 

それから、あともう一つ気をつけていただきたいのが、「耐震」って簡単に言ってますけど、81年に作った家かどうかっていうのを何で見るかって鈴木さんわかります?

 

鈴木 ええっ? 何だろう。

 

大垣 思い出す?

 

鈴木 どこかに書いたものとか。

 

残間 許可の申請みたいなものとか。

 

大垣 そうです。

 

鈴木 書類か。

 

大垣 建築確認っていう資料があって。

 

鈴木 ああ、ありましたね。

 

大垣 それが終わりましたっていうので、済って。これはなぜか済証っていうんですけど。

 

残間 良く工事現場にも看板が立ってるじゃない。

 

大垣 で、建築確認の証明っていうのがお手元にあるはずなので、これに日付が1981年の5月31日までとそれ以降っていうふうにして見るんですけど、これを無くされてる方がいらっしゃるんです。

 

残間 そりゃいますよね。役所にないの、それ。

 

大垣 そうなんです。これが、出してるほうも割と、捨てちゃいましたって最近流行ってるじゃないですか。割と捨てちゃわないほうがいいものを捨てちゃうらしいんだけど、これは割と早く捨てちゃうので。

 

残間 本人が持ってると思ってるからね。

 

大垣 っていうか、もともと、自治体ごとに一応置いとくんですけど、きちんとした基準があるわけじゃなくて、自治体によってはもう1回調べて出してくれるとこもあるんですけど、ある程度になるとそれも元がないので、もう全く分かりませんってなると。

 

残間 30年以上前だからね。

 

大垣 そうすると、あえてもう一回家の診断をしてもらって、どうなってますかとかっていうのを見ないといけなくて、それはそれでまたお金がかかったりっていう話になるんですね。

 

残間 これ、何年経ってるかっていうのを診断してもらうっていうこと?

 

大垣 そういうことですね。ですから、大体、もうそれだけなんです。ですから皆さん、是非きょうお聴きになったら、家を買った後に色々もらった図面とかなんとかって、多分ファイルに入れてほっ散らかしてることないですか?

 

鈴木 どっかにありますね。

 

大垣 だから、いっぺんちょっと引っ張り出してきて、建築確認書っていうのが入ってるので、それ大事にしてください。これ、なくなっても再発行がないので。そうすると、結構いろんなことで面倒くさいことが起きるって言う事ですね。

 

残間 コンピュータに取り込んでおくとか。

 

大垣 そうね。PDFにして置いておかれたりとかね。なさってもいいかもしれません。でも、この方の場合は本当に残念なことになくされてて、なおかつ、台帳も役場のほうも確認したんですけどもうないですって言われちゃって、色々面倒くさい事が重なっちゃったんですね。申し訳なかったですけど。でも、大抵のものはも築40年ぐらい全然大丈夫ですから、ぜひトライしてみてください 。

 

鈴木 大人ライフアカデミー2020でした。



住み替え事例のご紹介 千葉県千葉市から岐阜県に移住

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マイホーム活用大作戦

金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 今週はマイホーム活用大作戦。移住・住みかえ支援機構(JTI)では、マイホーム借り上げ制度を通じて大人世代の皆さんに安定した暮らしを提案しています。このコーナーでは、JTIの斉藤道夫さんに、豊富な事例の中からリスナーの皆さんの参考になるケースをご紹介いただきます。斉藤さん、よろしくお願いします。

 

斎藤 よろしくお願いいたします。今日は、千葉県千葉市から岐阜県に移住された方の話になります。築年数がそれほど新しくないもんですから和風の造りなんですけれども。

 

大垣 綺麗ですね。

 

斎藤 はい。地図を見て頂きたいんですけど、なんと駅から歩いて3分ぐらいなんです。私も行ったことあるんですけど、近くて明るくていい高台なんです。

 

鈴木 でも、住宅街で。

 

斎藤 そうなんです。

 

鈴木 いいところですね。

 

斎藤 こちらから、実を言うと、その次の写真を見ていたとびっくりなんですけど。

 

鈴木 これはびっくりです。

 

残間 何、これ。

 

鈴木 小さく見えるのが・・・。

 

斎藤 小さく見えるのが家です。次の写真、航空写真を見ていただくと分かるんですが、上空から見ると、赤く囲ったところがご自宅だそうです。

 

鈴木 ちょっと待ってください。

 

大垣 大平原の。いいお家だよね。

 

斎藤 そうなんです。こんな方なんですけど。実を言うと、仕事で千葉市の、地元の工務店でマイホームを建てて、退職が近づいてきて、よく考えたら私は帰らなきゃいけないんだということで。じゃあ、いつ帰る? ということになったときに、もう帰るということで。60歳よりも前に岐阜県にお帰りになることを決めて、広大な畑を耕しながら素敵な家に住んでいるという生活を始めたということになります。

 

大垣 ここ、これだけ駅に近いと、検見川町のあたりでもそれなりには。

 

斎藤 そうですね。実際には、売ってもそれほど安くはならないと思うんですが、やはり、バブルのことを知っていたりすると、納得できる金額ではなくて、どうしようかなと思っていたところ、テレビで移住住みかえ支援機構のことを知り、相談をしてみたら「マイホーム借上げ制度」をうまく使えますよという話になりまして。じゃあ、ということで、賃料の査定をして。こちらも一回り建物が小さいんですよ。ですから、8万円代の金額で入居が決まると。

 

大垣 85平米ぐらいでしょう。これで8万5000円で、築年数だってだいぶ経ってるよね。

 

斎藤 そうですね。現状だと、築40年に近いんです。

 

大垣 でも、JTIからお支払いした賃料、軽く1000万円を超えますよね。

 

斎藤 そうですね。実はこの方、12年、すでに借り上げていまして。ちょうど1000万を超えたところなんですね。これだけの財産残しておきながら1000万円が手に入って

、実を言うと、検見川も気に入っていて。田舎の仕事がけりがついたら建て替えてもう一回千葉に住むか、なんていう気持ちもあるそうなんですよ。ですから、使えるうちは是非移住・住みかえ支援機構でお願いしようという風に思っているということなんですね。

 

残間 精神的にもいいね。いずれあっちにも帰れるかもって。

 

鈴木 選択肢がありますね。

 

斎藤 気持ち的に余裕が出ますよね。

 

大垣 体も、少し不安になってくるとね。

 

残間 仕事とかもあるんでしょう、こっちにきたら。

 

斎藤 そうですね。そのへんのことがうまく、すぐにバトンタッチができたりしたらいいですね。

 

大垣 これ、贅沢に見えますけど、普通の人ですよね。

 

斎藤 そうですね。実を言うと。親の土地ですからね。

 

大垣 元々田舎から出てきて、買われたおうちだって、そんなにびっくりするようなお家ではないですもんね。だから、本当に普通の人だけどこうやって見ると、めちゃくちゃ。

 

斎藤 いい形になってますよね。

 

大垣 贅沢な。

 

残間 すでに1000万円ぐらいって。

 

斎藤 そうですね。

 

大垣 普通の庶民の方が手の届く贅沢。

 

斎藤 そうですね。決断さえ間違えなければこんな選択肢が出来るんだなというご報告ができた感じですかね。

 

鈴木 ありがとうございました。JTIの斉藤道夫さんに、幸せな住み替えの実例をご紹介頂きました。ありがとうございました。

リスナーメール:住宅金融支援機構のリバース60を使ったリバースモーゲージ、本当に使っても安心なの?

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 聞いて得する家とお金のお話。大垣さん、今日は。

 

大垣 今日はね、ラジオネーム「シウマイ娘」さん、62歳会社員って、年齢を書いてくださってますけど。「中華街でシュウマイ食べ歩きが大好き」な女性の方。これをシュウ活って呼んでるんだって。

 

鈴木 (笑)。

 

残間 シュウマイのシュウ活ね。いいね。

 

大垣 なかなかいいですね。ずっと独身を通して来られたんだそうですね。気軽な借家、アパート、マンション転々と過ごしてきました。飲食や趣味にお金を費やしてきたので大した資産もありませんが、先日コマーシャルで「60歳からの住宅ローン」ってこれは、住宅金融支援機構のリバース60っていうのを使ったリバースモゲージだと思うんですけど、グッと気持ちが揺れました。そんなうまい話あるのかということで。

 

残間 家を新しくしたら孫が遊びにきた、とかいうの。R60だかなんだか。

 

大垣 もともとリバースモーゲージって本当は若い時に家を買った方が住宅ローンを返し終わって、お家が残ってるので、それを死んだ時に家で返すっていうことで生きてる間にローンを借りようっていうことで始まった制度なんですけど、実際にですね、私も結構そういうのをいろいろ関わったりもして。ただ、うまくいかないんです、それは。なんでかって言うと、東京とかにお住まいの方はいいんですけど、地方だと、土地が元々1000万ぐらいのとこが非常に多いんですね。そうすると、上に家建てても、これもお家はもう20年、30年経つと元の価値が無くなるので。そうすると1000万ぐらいでしょう。この1000万を当てにしてお金借りるわけですけど、そっからまだ2、30年生きるわけじゃないですか。そうすると、貸すほうもちょっと怖いから、じゃあまあ半分にしときましょうってことで、500万くらいしか貸してくれないわけ。500万借りられたらわりといいほうなわけ、地方だと。そうすると、500万円借りて死んだ時家取られるってなんか釣りあってないので、あんまりうまい感じがしないっていうことで、あんまり普及しないんですね。アメリカで普及してんのは、ずーっと家の価値が上がってるのでうまくいくっていうのがあるんですけど、日本はそうでもない。

 

それでね、やってみたら、なんと、これを住宅メーカーの方とかが大変上手に使われて、60歳になったら逆に住宅ローンが借りられないじゃないですか。そこで、今住宅機構というとこがやってるこのそういう商品なんですけど、これは、今みたいなその教科書に載ってる使い方じゃなくて。新しく家を買う時にも使えるし、それから今借りてるローンをそれに切り替えて、もう、家は死んだ時はいいので、そっちに切り替えると利息しか払わないでいいので、10万返してる方だと3万円ぐらいになるんです。返すお金が。価格的に言うとね。だから、すごく楽になると。そういう使い方もできるっていうことにしたわけ。したら、一番使ってらっしゃる使い道で多いのが、新築の家買うっていう最も予想してなかった使い方が一番たくさん使われるようになってきて。それは、他の銀行とかが60以上の方にお金を貸さないからで。それはそれなりにしょうがないんですけど。それで、60でこれを借りてお家を建てて、亡くなったときは家を持っていって頂戴っていうことで、亡くなるまでは住んでていいわけなので。それで住宅ローンだとその間元本返さないっていうことで。普通の住宅ローンだと、80歳までに返しきらないといけないので、60歳で借りたら20年しか借りられないので若い方よりも1.5倍からもっとぐらいのお金になっちゃうんです、返すお金が。それが、最後に家で返しちゃうっていうことで、金利しか払わないので、数万、本当にすごく少ないお金で家が建っちゃうんですね。そういう使い方が出てきて。お年を召してから、そんなでかいものは買わないっていうことで、うまくいってるケースが出てきてるんですね。ですからシュウマイ娘さんの場合は、もしかしたらそういう買い方っていうのはなさったら面白いかもしれないですね。

 

借りてると、やっぱり2〜3年に1回更新料払ったりとか、自分のもんじゃないってのもあるし、壁ひとつ釘打つのだって気を使いますよね。

 

残間 経年劣化はいいんだよね。

 

大垣 なんだけど、やっぱり、要するに、借りてるような借りてないようなって、僕はこれを持たない持ち家って呼んでるんだけど。

 

残間 デラシネ

 

大垣 なんかそういう、今のは反応できなかったよ。どうデラシネなの(笑)。

 

残間 移りゆくわけよ。

 

大垣 それはそうですよ。

 

残間 賃貸住宅を。

 

大垣 ああ、そういうことね。

 

残間 お金がなくなったら小さい家、ちょっといいかな、この2〜3年、でちょっと大きめ。一人になったから小さめと。

 

大垣 残間さんはそれで。

 

残間 根無草、デラシネ。でも今62じゃない、微妙な年なのよ。これがもうちょっと行くと、やっぱり、いらなくなるよ、家。

 

大垣 いや・・・(笑)。そういうことじゃないのよ。

 

残間 だっていつ死ぬか分からないじゃない。

 

大垣 ずっと借家だと、ずっと家賃払わないといけないんだもん。

 

残間 だけどいつ死ぬか分からないんだもん。

 

大垣 でも、お一人で住まわれるときに、猫が50メートル走できるようなところに住んでないでも、もうちょっとこのぐらいだったらいいわって1500万円、中古のお家だったらあるわけ。

 

残間 いや、絶対ここまできたんだから、シュウマイ娘さんはデラシネで行くべきよ。

 

大垣 デラシネで、シュウマイ食って?

 

残間 うん。いいじゃない、こうやって。

 

鈴木 どっちを選んでも結構なんですけれども。

 

残間 美味しいシュウマイの村に住むとか。

 

大垣 なんだよそのシュウマイの村っていうのは。

 

鈴木 喧嘩しないでって思っているかもしれません。どちらを選んでも結構なので、経過報告もぜひ教えてください。

 

残間 シュウ活。

 

鈴木 大人ライフアカデミー2020でした。