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リスナーメール:住宅金融支援機構のリバース60を使ったリバースモーゲージ、本当に使っても安心なの?

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金融・住宅のプロフェッショナルである大垣尚司(青山学院大学法科大学院教授)さんと、団塊世代のプロデューサー・残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。

この記事では、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「マイホーム活用大作戦」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。

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鈴木 聞いて得する家とお金のお話。大垣さん、今日は。

 

大垣 今日はね、ラジオネーム「シウマイ娘」さん、62歳会社員って、年齢を書いてくださってますけど。「中華街でシュウマイ食べ歩きが大好き」な女性の方。これをシュウ活って呼んでるんだって。

 

鈴木 (笑)。

 

残間 シュウマイのシュウ活ね。いいね。

 

大垣 なかなかいいですね。ずっと独身を通して来られたんだそうですね。気軽な借家、アパート、マンション転々と過ごしてきました。飲食や趣味にお金を費やしてきたので大した資産もありませんが、先日コマーシャルで「60歳からの住宅ローン」ってこれは、住宅金融支援機構のリバース60っていうのを使ったリバースモゲージだと思うんですけど、グッと気持ちが揺れました。そんなうまい話あるのかということで。

 

残間 家を新しくしたら孫が遊びにきた、とかいうの。R60だかなんだか。

 

大垣 もともとリバースモーゲージって本当は若い時に家を買った方が住宅ローンを返し終わって、お家が残ってるので、それを死んだ時に家で返すっていうことで生きてる間にローンを借りようっていうことで始まった制度なんですけど、実際にですね、私も結構そういうのをいろいろ関わったりもして。ただ、うまくいかないんです、それは。なんでかって言うと、東京とかにお住まいの方はいいんですけど、地方だと、土地が元々1000万ぐらいのとこが非常に多いんですね。そうすると、上に家建てても、これもお家はもう20年、30年経つと元の価値が無くなるので。そうすると1000万ぐらいでしょう。この1000万を当てにしてお金借りるわけですけど、そっからまだ2、30年生きるわけじゃないですか。そうすると、貸すほうもちょっと怖いから、じゃあまあ半分にしときましょうってことで、500万くらいしか貸してくれないわけ。500万借りられたらわりといいほうなわけ、地方だと。そうすると、500万円借りて死んだ時家取られるってなんか釣りあってないので、あんまりうまい感じがしないっていうことで、あんまり普及しないんですね。アメリカで普及してんのは、ずーっと家の価値が上がってるのでうまくいくっていうのがあるんですけど、日本はそうでもない。

 

それでね、やってみたら、なんと、これを住宅メーカーの方とかが大変上手に使われて、60歳になったら逆に住宅ローンが借りられないじゃないですか。そこで、今住宅機構というとこがやってるこのそういう商品なんですけど、これは、今みたいなその教科書に載ってる使い方じゃなくて。新しく家を買う時にも使えるし、それから今借りてるローンをそれに切り替えて、もう、家は死んだ時はいいので、そっちに切り替えると利息しか払わないでいいので、10万返してる方だと3万円ぐらいになるんです。返すお金が。価格的に言うとね。だから、すごく楽になると。そういう使い方もできるっていうことにしたわけ。したら、一番使ってらっしゃる使い道で多いのが、新築の家買うっていう最も予想してなかった使い方が一番たくさん使われるようになってきて。それは、他の銀行とかが60以上の方にお金を貸さないからで。それはそれなりにしょうがないんですけど。それで、60でこれを借りてお家を建てて、亡くなったときは家を持っていって頂戴っていうことで、亡くなるまでは住んでていいわけなので。それで住宅ローンだとその間元本返さないっていうことで。普通の住宅ローンだと、80歳までに返しきらないといけないので、60歳で借りたら20年しか借りられないので若い方よりも1.5倍からもっとぐらいのお金になっちゃうんです、返すお金が。それが、最後に家で返しちゃうっていうことで、金利しか払わないので、数万、本当にすごく少ないお金で家が建っちゃうんですね。そういう使い方が出てきて。お年を召してから、そんなでかいものは買わないっていうことで、うまくいってるケースが出てきてるんですね。ですからシュウマイ娘さんの場合は、もしかしたらそういう買い方っていうのはなさったら面白いかもしれないですね。

 

借りてると、やっぱり2〜3年に1回更新料払ったりとか、自分のもんじゃないってのもあるし、壁ひとつ釘打つのだって気を使いますよね。

 

残間 経年劣化はいいんだよね。

 

大垣 なんだけど、やっぱり、要するに、借りてるような借りてないようなって、僕はこれを持たない持ち家って呼んでるんだけど。

 

残間 デラシネ

 

大垣 なんかそういう、今のは反応できなかったよ。どうデラシネなの(笑)。

 

残間 移りゆくわけよ。

 

大垣 それはそうですよ。

 

残間 賃貸住宅を。

 

大垣 ああ、そういうことね。

 

残間 お金がなくなったら小さい家、ちょっといいかな、この2〜3年、でちょっと大きめ。一人になったから小さめと。

 

大垣 残間さんはそれで。

 

残間 根無草、デラシネ。でも今62じゃない、微妙な年なのよ。これがもうちょっと行くと、やっぱり、いらなくなるよ、家。

 

大垣 いや・・・(笑)。そういうことじゃないのよ。

 

残間 だっていつ死ぬか分からないじゃない。

 

大垣 ずっと借家だと、ずっと家賃払わないといけないんだもん。

 

残間 だけどいつ死ぬか分からないんだもん。

 

大垣 でも、お一人で住まわれるときに、猫が50メートル走できるようなところに住んでないでも、もうちょっとこのぐらいだったらいいわって1500万円、中古のお家だったらあるわけ。

 

残間 いや、絶対ここまできたんだから、シュウマイ娘さんはデラシネで行くべきよ。

 

大垣 デラシネで、シュウマイ食って?

 

残間 うん。いいじゃない、こうやって。

 

鈴木 どっちを選んでも結構なんですけれども。

 

残間 美味しいシュウマイの村に住むとか。

 

大垣 なんだよそのシュウマイの村っていうのは。

 

鈴木 喧嘩しないでって思っているかもしれません。どちらを選んでも結構なので、経過報告もぜひ教えてください。

 

残間 シュウ活。

 

鈴木 大人ライフアカデミー2020でした。