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家を借りるのと貸すの、どちらがお得?

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 きょうは、住宅が年金になるかっていう話を計算してみた。ラジオなので、ちょっと難しいんですけど。

残間 うわあ、すごい計算。

大垣 これ、何をやっているかっていうと、家を買うべきか買わないべきかっていう。考えますよね。どっちにしても。

残間 借りるってこと?

大垣 借りたらどっちにしても8万円かかるとしましょう、ということで始めたいと思いますが。そこで、私は買うことにしましたということで。そうするとですね、例えば建物が2000万で土地が1500万。ちょっと郊外のほうで。3500万の家を買って全額借りちゃいました。金利1.5とおきましょう。ちょっと高めですけど、このぐらいだとしましょう。そうすると、10万7000円返すんです。

水谷 月に。

大垣 そうすると、どっちにしても8万家賃が必要だったわけだから、2万7000円ぐらい余計に払ってるってわけよね。そうすると、家を買わない派君はですね、この2万7000円は貯金にまわせるわけですね。そうすると、安倍首相が目標にしてる2%っていう成長がずっと続くとしましょう。で、かたや1.5パーセントで金利を借りられますと。

 35年経つとですね、家を買っちゃった君のほうは借金がゼロになりましたと。で、家が残ってます。で、家を買わなかった君のほうは2パーセントで運用すると、1650万貯金が貯まってるという状態です。こうみると、水谷さん。どっちがお得でしょう。

水谷 えっ、1600万。

大垣 のほうがよく見えますよね。

残間 でも、家がついてる。

大垣 でもない。なんでかというと、家買ったくんはそのまま家に住み続けられるので、もう夫婦二人なので、家賃は6万円しかかからないとしても、6万円で、あとどのくらいずっとその家に住むかなんですけど、今35歳で借りると、35年返してますから、90歳まで生きるとしましょう。20年間です。1440万円分くらい。6万円かける12かける20年分くらいの家賃は払わずにすみますよね。この間、家を買わなかった君は6万円ずつ毎月出してかないといけない。そのかわり、1650万、水谷さんがいいなと思った貯金があるので、これを90歳までで完全に使いきれるように年金にしてもらうと、8万円入ってきます。というわけで、差額で2万円ずつくらい手元に残る。で、これを合計すると、買わなかった人は、実は560万位手元に残る。でもその560万を手元に残すために、もともと1100万円積み立ててるので。27000円ずつ。結局570万、損になってる。

水谷 げっ。

大垣 これに対して、家を買ったくんは家に住み続けるので、そこは大丈夫とすると、土地が減らないので残りますよね。そうするとですね、なんとですね、1790万お得。

水谷 えっ。じゃあ、やっぱり買ったほうが。

大垣 ですから、この金利環境は、どう考えても買ったほうが得です。普通はこういうことは起きないんです。なんでかというと、貸してくれないから。なのに、どうでもいい人に、どうでもいいっていうと怒られますけど、普通、どう見ても、いい企業よりはヤバそうな個人に、何千万という金を貸してくれるわけですよね。これはちょっと異常なことなんです、金融の世界では。で、こういうことが起きているので、お得なことが起こると。これを、どのぐらいやっていくとこの関係が変わるんだろうかっていうことで、例えば金利が2パーセントまで上がりましたと。これはありうるんですけど、2パーセントまで上がっても、やっぱり借りたほうがお得かというと、これは2枚目を見てください。そうすると、実は家を買わなかった君は、これでも300万損で、家買った君は、1400万お得。まだ買ってます。

水谷 まだお得ですね。

大垣 じゃあ、3パーセントまで上がると。これ、3パーセントまで上げるというのは相当勇気がいります。これ、2000年以降、なったことがありません。3パーセント以上に。の場合ですが、依然として家買った君が600万で、ようやく浮上してきます。買わなかった君も300万ぐらい貯金ができるんですけど。

水谷 でも、買ったほうがまだ上ですね。

大垣 じゃあ、いくらか。3パーセント以上に住宅ローンがなることはないので、運用金利でどのくらいで35年間回さないとイーブンにならないかっていうのを、ちょっとコンピューターでシミュレーションしたんですが。そうすると、家買わないくんはですね、2.3パーセントで35年間回し続けることができないと、家買った人と同じにならない。っていう結果になってるということですね。昔はですね、こんなじゃなかったんです。覚えていらっしゃると思いますけど、大体普通に郵便貯金預けてて、5パーセントとか金利をもらえて、逆に住宅金融公庫からローンを借りても5.5パーセントだったわけでしょ、金利が。この状態では、実は貯めてたほうがお得ってことが起きてたんだけど、もうそんな時代には戻らないので。

 なんとなく、普通に考えると、借りて買うほうが損しちゃうような気がするんだけど、現実には、今の恐ろしく金利の低い環境だと、貸してくれるんだったら土地があるんでね。減らないものを買うと、こういうことが起こるんです。だから、今の環境では住宅っていうのは、実は、株を買うより、何をするより、良い投資に。今だけですよ。いつもそうじゃないんですけど。

残間 マンションは違うの。

大垣 マンションは、土地の部分がちょっと少ないんだけど、売りやすくて値段が下がらないので、きちっとしたマンションで、50年とかいう話を何しろしてますので、その間ずっと価値が持続できるっていうことであれば、同じように考えてもいいですね。

残間 ふーん。

水谷 このシミュレーション凄いですね。

大垣 意外と違うっていうのがわかったでしょ。

水谷 よく分かりました。以上、大人ライフアカデミーでした。