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リスナーメール:管理会社が家の貸し出しをやめさせてくれない

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 メールをいただきまして。品川区にお住まいのFさん。70代の女性の方なんですけどね。ちょっと困ってらっしゃるみたい。

バツイチで元夫との共有不動産があります。ローンの返済のため、2階の3部屋をアパートにして貸してきました。返済が終わったんですけど、元夫が3年前に倒れ入院、そのまま介護施設生活になってしまって、いろいろ結局バックアップせざるを得ず、アパートの管理もやっています」と。「建物の痛みもひどくなってきたので、管理会社のほうに入居者の方に今回の更新で最後ですよと伝えてくださいとお願いしたのですが、その後入居者が入れ替わって、その意向は無視されて、今年になってまた契約更新と言われてお断りをしてるんだけども、相手方は、いやこれはもう借り手の方が強いんだからと言うことで認めてくれないってことなんです。だんだん水漏れがひどくなってきて心配で、早く終わらせたいんですけどどうしたらいいんでしょうか」っていうことなんですけど。

水谷 ややこしい、厄介ですね。

大垣 これ、やっかいですね。これね、やっぱり権利がどうなってるかっていう問題と、業者さんとしてはどうなってるかっていう問題とは分けて考えたほうがいいと思うんですけど、権利としてはやっぱりですね、これはどうなっているかというと、サブリースって言いましてね。管理会社がまず、借主になって借りて、そこが転貸って言って。

残間 サブリースをする。

大垣 サブにリースをなさっているって言う形なんですね。もともとこういうのには借地借家法っていうのは、もともと戦後まだまだ家を持ってる人が全然少なくて、借家住まいの人が多いときに、借りた家を大家の都合で出て行けって言われると非常に不幸なことが起こるので、借りた人の権利を非常に強く保護してあげようということでできている。今もそれが残ってますので、普通借家っていう、普通に書面で書いて「絶対に3年だからね」って言う、定期借家っていう別のものがないとですね。

残間 定期借家法とかね。

大垣 借家法の中に入ってるんですけど。それをやらない時は、正当な事由がないとやめられないっていうことに。

残間 あれって、適応されないんですか、自然には。そういうようなものをちゃんと締結してないと。

大垣 はい。だから、自分が使うからっていうことでは出て行ってもらえないんです。

残間 世の中にはこういう法律があるので、もう3年が経ちましたから出て行ってくださいとは言えないんだ。

大垣 定期借家の契約をしていれば、もちろんいいんです。

残間 してないとダメなの。そうなんですか。

大垣 そうじゃないと、普通借家っていうことになって、基本的には出ていけないんですね。でも、議論がありましてね。私がテナントの方にお貸ししてる時は、だからってどっちが強いかって言われると、戦後の大家と店子の関係だとは思わないですけど、それはそういうこともあるかなってことなんですけど。

 でも、中に業者が入ってやったげるよって言ってやってるときに、よくあるのはこのケースで、その法律を持ち出して業者のほうが居直るんですね。要するに、返してくれっていうことになると、自分たちの儲けのたねがなくなっちゃいますから。毎月の家賃からいくらか取ってますのでね。「これ見なさい、あなた、借地借家法でね、これは普通借家なんだからね」ってことで、業者が結局居直ってしまうっていうことがすごく多くて。一度その中で議論になったことがあって、私もそういう立場なんですけど、業者さんがやってる部分については、元々の趣旨からし借地借家法っていう法律で、借りてる方が弱いって言ったって、どう考えても会社のほうが強いですよね。だから、借りてるほうが弱いっていうことを前提にした法律がそんなところに適応されるのはおかしいんじゃないかっていう議論もおかしいんですけど。

 これみたいに更新の話じゃないんですけど、家賃を下げられるかっていう議論で、最高裁までそれを争った方がいらっしゃって、結局最高裁の方が「適応されるんだ」ということを言っちゃったもんだから、またそれが当然みたいになってるんですね。

 ただ一方で最初の話に戻すと、でもやっぱり違うだろっていう議論はあって。最近は、これって消費者の立場に貸してる方があって、管理会社の方が事業者側なんだから、そういう立場できちっと説明しないといけないんじゃないかとか、消費者保護の観点も入れないといけないじゃないかっていう議論も強くはなってるんです。

 だから、法律論だけでいうと、おそらく読ませていただいた感じだと、業者さんの言ってることの方が正しいっちゃ正しいっていうことになっちゃうんですね。いろいろ細かいこと言うと、やれないこともないかなと思いますけど、まずはこういうのを処理してるセンターみたいなところがあるので。でも、どっちにしてもストレスが溜まりますね。

水谷 そうですね。解決しないとね。気が重いですよね。状況によってね、色々と違いますものね。

残間 道はあるかもしれないっていうことですよね。

大垣 道は色々、やりようはあると思うんですけど。ちょっと相談してもらえると。

残間 関係性はわかりましたね。

水谷 また何かあったらぜひ、メールやお手紙をいただきたいと思います。