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空き家はなぜ増える? 「家はすみつぐもの」の実態とは

水谷 きょうはどんなお話でしょうか。

大垣 今日はね、なぜ空き家が増えるかっていう話をちょっと。そもそも論で。意外と言われないことをお話ししてみようと思うんですけど。もともと、ちょっと前にサザエさんが出て来たじゃないですか。もともと家って、代々ついでいけるものみたいな気がしてません。

水谷 してます。

大垣 で、ところが、サザエさんそうで、波平の娘はまだ9歳とか、そういう話でしょう。

水谷 ワカメちゃんね。

大垣 あれがどうかっていうのはともかくとして、昔僕らが思ってた「家の引き継ぎ方」って、だいたい、60か70になったら寿命っていう時代を想定していて、そうすると、だいたい30から40で買って、子供が二十歳になって、10年ぐらい経つと結婚してますよね。そのあたりで子供が産まれたかなっていうと、だいたい寿命が尽きる。

残間 親のね。

大垣 親の。そうすると、ちょうど子育てした家が相続できて、ちょうどいいわっていう感じで、子供が住んで、また同じことが起こるっていうことになってたんだと思うんですよね。だから、なんとなく、家は住み着いでいけるっていう漠然とした感覚があるでしょう。

残間 特に地域はそうだね。

大垣 でも、冷静に考えてみると、90ぐらいまで生きちゃうじゃないですか。

残間 息子60ぐらい。

大垣 でしょう。そうすると、息子が子供のために家が欲しいなと思ったときは、まだ実は残間さんとか私ぐらいの年なんですよね。

残間 親が元気でいる。

大垣 それが終の住処とか思っちゃってるじゃないですか、割と。そうすると、開かないですよね。だからって、2DKのアパート住んでるわけには行かなくなってきますよね。というわけで、買っちゃうわけですね。

水谷 ダブついていくわけですね、どんどん、家が。

大垣 そう。で、買っちゃうっていうのは別に不都合ではなくて、例えば、政権的にいうと、家は建ってくれたほうがいいですよね。メーカー的にいうと、家は建ててくれたほうが儲かりますよね。銀行的には、住宅ローンを借りてくれると嬉しいですよね。というわけで、誰も止めないので買っちゃうわけですよ。そうすると何が起こるかっていうと、その子供が退職する頃には、ようやく家が空くんですけど。

残間 おじいちゃんおばあちゃんの家がね。

大垣 でも、それってもはや買ったときから60年ぐらい住んじゃってますよね。ので、もうボロ屋。というわけで、迷惑空き家とか言われちゃったりして。

残間 特に、住まい方が畳だったりしてるところから、椅子の生活になったりしてるのに、なかなかね、そうなってないからね。

大垣 きっと、畳の上で亡くなられる方ってそんなに多いわけじゃないので、実はその前10年ぐらい空いてたりするわけ。で、きちゃうんだけど、なんだかいらないものみたいな感じになってる、その私は、まだ住んでるんですよね、今の家に。というわけで、私の子供は、また買っちゃったりなんかしますよね。そうやってどんどこグルグル回っていくうちに、家はだぶついてるんだけど、思ってるほど家は多くない。ぜひ、聞いてるみなさんにご提案したいのは、やっぱり、住み続けちゃうと、そういう不都合なことが起きてくるので、やっぱり動いたほうがいいんですよね。

残間 途中で。

大垣 60ぐらいのところで、5人ぐらいで住みやすい家なので、その時点で引き継いじゃって、場合によったらその家を子供に売ったらローン組めますのでね。そうすると、直しますよね、ちょっとは。そうすると、息子に売るんだったら安くで売ってもいいわけですよね。そうすると相続気にならないですよね。で、入ってきたお金で、二人で住めるいいところを、もうちょっと広い土地が安いところで作るとか買うとか、そういうふうにしていくか、そうでないにしても、家は絶対にほっておかないで、お金が出てくるものだっていうふうに考えておかないと、身にあまる財産を腐らせていくっていうんですかね。どう考えても無駄ですよね。だから、あんまり国に物事が悪くなってから考えさせるっていうと、もうつぶせっていう話にしかならないので、よく考えてみたときに、本当に我が家って、じいちゃんが90まで家にすみ続けて、そこまでは住まわしてやらねえ、部屋はあるけどね、みたいな。私、金がないけど、新しい家買いますかな、とかって言ってる尻から、そろそろ退職か、とかいって、俺の息子にまた買えよってやるほどね、贅沢なことができるだろうかっていう。

残間 それと、基本的に、世帯数も少ないし、人口も減ってるから。

大垣 だから、もっとひどいことが起こるので。なんか、ちょっと家がそうやって売れなくなったら困る人たちがいるから止めたい、あえて言わないことになってるんだと思うんですけど、ここのスポンサーの人も家を売ってたりするからあれなんだけど、実は、ここのスポンサーの方は分かってるんですよ。分かってるから、家がお金になるようにしようっていうことで頑張ってくださってて。だから、途中から、家のまま持ってるとやたらと無駄が出るので、お金になるっていう考え方をもっと強くして、無駄をしないようにしていったらと思います。

残間 使いこなす。

大垣 という話をこれからもうちょっとして行こうかと思います。

水谷 また具体的にお願いします。まさに、家とお金を考える、大人ライフアカデミーでした。