リスナーメール:銀行から何度もかかってくる自称フィナンシャル・プランナーの電話。うんざりしているのですが・・・
今を楽しく生きるおとな世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。
残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。
このブログでは、ラジオを聞き逃した方や、放送内容をもう一度確認したい! という方のために、人気コーナー「大人ライフアカデミー」の内容全てを、文字に起こしてお届けしています。
自称・フィナンシャルプランナーからの度重なる電話・・・
鈴木 聞いて得する、家とお金のお話。大垣さん、きょうは。
大垣 きょう、いくつかお便りをいただいてるんですけど。横浜市緑区「白いお山の住人」さんって、女性の方なんですけど。
「銀行のフィナンシャルプランナーを自称する方から、やたらとアドバイスをしたいのでっていう電話がくるんです」って。それがまた、銀行口座の内容を把握して電話してくる。「通知される電話番号も、実際、近所の銀行のものなので、アポ電強盗とは違う、本当のプランナーのような感じですが、正直なところうんざりしています」と。そうですよね。
こんなことやりだしてるんですね。
残間 銀行に知られてるのはしょうがないと思うんだけど、銀行の中のAさんがそうやってアプローチしてくるのは嫌だね。
個人情報の利用を許諾しているかどうかをチェック
大垣 ねえ。で、原則論として、個人情報の利用っていう話なんですけどね。最初に預金をなさってるんだったら、本来の原則は、預金をするという関係だけで私の個人情報を使ってくださいっていうのが大原則なんです。だから、多分、きっと、預金を入れられたときには読んでないと思うんだけど、個人情報を利用する許諾っていうのがいっぱい書いてあって。
鈴木 細かな字で。
大垣 で、そういうこともするよっていうことに合意しちゃっているという前提じゃないとかけちゃいけないんですね。
個人情報保護法ができて以降に、約款を銀行が変えた可能性も
大垣 で、でも、きっと口座を開いているときに、個人情報保護法ができていたかどうかっていう問題があって。多分、途中で約款を変えたりしてやってるだけなので、現実にはそんなに明確に、Permissionっていうんですけど、を、ハンコ押してまでやらされてるっていう可能性は一般的には低いと思うんですね。
そうすると、ちょっとグレーエリアに入ってくるんです。
DMを送付するのは良くても、電話は・・・?
大垣 そのときに、例えばある支店で、「鈴木さん、へそくり1500万円も貯めてるから、ちょっと株を買わせてやれ」と思っても、「あなたそんなにお持ちですよね」っていうのは、普通は言わないで。
残間 言えないよね。
大垣 リストを作って、口座の残高が多いリストで上のほうに鈴木っていうのが上がってくると、投資信託のご案内っていうのを送ったりとか、そういうのは過去もやってるし、それは許容範囲だと思うんですけど。
残間 そういうのってくるんだ。
大垣 私は、ちょっとあんまり知らないです。自称フィナンシャルプランナーという行員が、「あなたの口座はいくらあるよね」まで、俺は知ってるぞということが分かるような話の仕方で。
残間 何をしてくれるっていうの?
大垣 アドバイスをしたいって(笑)。
鈴木 うわあ。
大垣 一応、急にアドバイスをしちゃいけないから、Permissionをくれっていうことなんでしょうけど、なんかね、これは結構グレーだと思いますね。
残間 うん。
全国銀行協会に問い合わせを!
大垣 だから、まず、その方の、何支店のどなたですかっていうことを、お名前をお聞きになって。
残間 銀行当局に問い合わせる?
大垣 まず全国銀行協会っていうところの相談窓口があるんです。
大垣 そこで、こういうことを言われているんですけど、大丈夫なんでしょうかって言うと。
あんまり味方になって対応はしてくれないかもしれないけれども・・・
大垣 これはやってみると分かりますけど、意外と「そんなの大丈夫ですよ、いいに決まってるじゃないですか」っぽいことを言われることのほうが多いんですけど。
残間 ええっ、本当。
大垣 あんまり消費者の味方ではない感じのところなんです。私も何回かやったことありますけど。それで、なんですけど、裏で連絡がいってるみたいなので。
残間 こういうのがきたよと。
大垣 「ちょっとうるさめのおばさんだからやめといたほうがいいよ」となることはあるような気がします。
銀行員が自分の判断で踏み込みすぎてしまっていることも
大垣 それから、ちゃんと状況が完全にはよく分からないんですけど、グレーに近い、ブラックに近いような感じになってる。それは、担当者が最近の銀行員ってちゃんと訓練を受けてないので、現実には、銀行全体でそんなことはやらせていないっておっしゃっても、個別にちょっと踏み込んでやってることはあるので、そういうようなところがあると。
残間 それは行員の人の、どこかで成績につながるわけでしょう。
大垣 それはそうですよ。
残間 じゃあ、普通預金を何かにしたとか。
大垣 そうそう。普通預金を入れておくと、貯まってますよね。最近、お金が貯まりすぎて困ってるわけですよね。どっちかっていうと、貸すところがないので。それで、それを投資信託に変えれば手数料になるので。
銀行が投資信託を勧めるべきなのか?
大垣 それだって僕は、私が自分で論文書いたりするときはおかしいって言ってるのは、預金取引って金利を使わなくていいから元本を預かっておいてくださいねっていうことをお願いしてやってるときに、
それを、儲からないですから崩して、元本が減るかもしれないものにするよっていうのは。
それはやっぱり、預金を預かってる人がやるんじゃなくて、その子会社の証券会社の人が、別途してくれればいいわけで。何かそれは、ちょっとやっぱり、良くないことだと思うんですよね。
残間 逸脱してるよね。
銀行は、信頼されているからこそ、節度を持った行動をとってほしい
大垣 それとやっぱり、銀行は、信頼されてるので。そこが、鈴木さんだって、なんとか銀行ですとかって投信売られるのと、なんとか証券でございますって、なんか、ドアの前に立ってピンポンピンポンやられて同じもの売られるんだと、なんとなく銀行のほうが本当のこと言ってそうな気がしません?
鈴木 しますね。
大垣 その部分がやっぱり、僕は、そういう、鬱陶しいやつから話を聞くとより眉に唾つけて話を聞くということはいいことだと思っていて。その踏み台が高いところの人は、やっぱり、自分である程度気をつけるべきで。なんかね、これ、面白いなと思いました。ここまで。
鈴木 やってるんですね。
大垣 それをやるんだったらもうちょっときちっとやったほうがいいような気がしますけどね。
金融庁にも相談窓口があります
大垣 最後、らちがあかずに腹たってきたら、金融庁のほうにもそういう窓口がありますので。
そういうことをやってるうちに、うるさ方の人だっていうことで、結果的には解決するっていうことは意外とあるかもしれない。
鈴木 まずは協会の窓口、それでもダメなら金融庁の窓口ということで。おとなライフ・アカデミー2021でした。
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