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親から相続した住まない家は、半年でボロボロになる!?

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 きょう、30歳の男性の方からお便りをいただいています。

番組で空家コンサルタントの    
エピソードが紹介されていました。    
今年6月には国交省が空家増加に対する手引書が発表しましたが、    
大垣さんが一戸建ての御経験を基に、    
団地の空き室対策を描いておられたら解説してください。    
パッタイさん(横浜市保土ヶ谷区・30歳男性)

残間 これ、私たちの番組でやったんじゃないんでしょう。どこかの番組でやったのを聞いたんでしょう。空き家コンサルタントなんて、あるの。

大垣 あれなんじゃないですか。ただ貸すっていうんじゃなくて、いろんな用途に使うとか、そういうことを。

残間 別に、認定しているわけじゃないんでしょう。誰かが個人的にやっているの。

大垣 そうですね。今、いろんなのが増えてきているんだと思うんですけど。
でも、いつもお話ししているように、そういうことをしないといけなくなるまで放置された空き家は、しょうがないんですけど。前から、未病って言ってますけど、空き家って思わないんですよね、自分の家って、人が住んでいない状態の家のことを。

それって単に、持ってる家とか、親の家とか、もう一軒あるとか。
要するに、それは、ほとんどの方は、国的には「空き家」だけど、自分的には、空き家じゃないっていう。空き家っていうのはもっと違うものだよねっていう。

残間 領域に入れていないんだ、空き家っていう。

大垣 そうだと思います、やっぱり、ボロくなっていて、ヤバい状態になったとか、ポツンと干からびたような感じで建っているのとか、そういうのを思っちゃうじゃないですか、空き家って。でも、本当は、単に住んでないと空き家なんですね。

残間 そうか。この間、そういえば、ある友人が、四国に家があるんだって。お母さんが施設に入ってしまったので、そこを、東京と2地域の、自分の仕事場にして、ちょっと来年定年になるので。と思ったら、お母さんが施設に入ったので、そこに帰る必要がなくなったので、オープンハウスにして、ときどき行って、そこでカフェみたいにしてやろうかなって考えたけど、よくよく考えたらそんなに簡単じゃないっていうのね。東京と四国で。

大垣 そうなんです。もともと別荘を買っても、行かないでしょう。

残間 行かない。

大垣 別荘買うときって、流石に行けないところには買わないんだけど、それでも買わない。

残間 別荘とかセカンドハウスって、2年目には、35パーセントぐらいしか行かないんだってね。2年目には。

大垣 そうだと思うんです。人間はやっぱり2箇所に住めないじゃないですか。そうすると、働いていたら、そんなに時間がないんですよね。で、移動も、そうはいってもそれなりに時間かかるし。

残間 私、ずっと行ってないもん。熱海なんて。

大垣 くださいよ。

残間 1年に1回も行かなかった、去年。

鈴木 ここで取引を。

残間 コロナだったから、どこにも動けなかったし。

大垣 まして言わんや、実家の家とかね。

残間 そのまま、いろんなものが放置してあるし。

大垣 そんなに使い勝手がいいわけでもなかろうし、古いし。なので、じゃあ自分が住み替えたらどうかっていうと、やっぱり戻るしなって思いますから、人に住まれたらとかって思うじゃないですか。でも、これがやっぱり、見ていて、15年やってみて分かったことは、もう半年住まないと、すごい面倒臭い家になるんです。

鈴木 ああ。

大垣 誰かが住んでいないと、家って、ダメなんですよね。

残間 半年ねえ。半年ってあっという間に過ぎちゃいますよね。

大垣 だから、ハードルの低い運用っていうのをやるっていうことが一番いいって思う。だから、別に、JTIのことを我田引水的にいうわけじゃないんですけど、空き家コンサルタントの方がカフェにしましょうとか、シェアオフィスになるとか、いろんなアイデアがあっていいと思うんですけど、面倒くさいんですよね。

結局、お金もかかるし、一番いいのは、単に、若い方に貸せばいいわけで。そういう意味では、ちょっと残念なのは、JTIはこんなに国の支援もいただいて待ってるんですけど、案外、やられる方が少ないんですよね。

残間 思ってるよりはね。みんな、気がついて、頼んでくる人って、結構いるよね。いろんなところで知って。

大垣 で、大体手遅れ。

残間 半年以上経ってる。

大垣 できなくはないんですよ。できなくはないんですけど、前もお話ししたように、流しのところに、コンロの真ん中の、お魚のところが、腐っちゃうんです、水が残ってて。それで、錆びるんですよね。ボロボロになってて、全部替えるんですけど、パーツがないとかって言われて、結局システムキッチン丸ごと替えざるをえないとか。で、そんなことまでして・・・とかっていう話がすごく多くて。

自分の家は、運用するのは面倒くさいって思うんじゃなくて、運用してないと価値がどんどん下がるっていうふうに思って欲しいんです。運用すればお金が入ってきますよね。これまで何回でも1000万もらってる方のご紹介しましたよね。使えば上がるんですけど、使わないと下がるので、その差はめちゃくちゃ大きくなっていくんですよ。

残間 それ、人にも言えるね。半年友達と会わないと、錆びていくよね、人も。

大垣 (笑)。

残間 ねっ。

鈴木 確かに、まあ・・・。

大垣 そうかも。

残間 半年って、すごいんだね。

鈴木 差が大きくなりますね。

大垣 なんて言えばいいのか分からないんですけど、人間でいう未病の空き家。まだ病に至っていない、空き家に至っていない、未空き家みたいなものを。

鈴木 そろそろ空くかな、ぐらいのときに。

大垣 そのタイミングでやってくださいっていうことが、空き家対策の全てだと思います。

残間 ちょっと面倒くさいと思うと、半年って経っちゃうからね。

鈴木 今年最後のアドバイスでした。おとなライフ・アカデミー2021でした。

購入した土地が遺跡だった場合、どうなる?! どうする?!

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話。大垣さん、きょうは。

大垣 メールをいただいています。

いつも楽しく拝聴しています。
息子が家を建てるための土地を近隣で探していますが、
このあたり、けっこう遺跡が多いんです。
もし買った土地に遺跡が見つかったら、どうなっちゃうんでしょう。
神奈川県 サンダーバード2号

残間 ストップします。でも、その遺跡にもよるんだよね。

大垣 それが、結構実は、自治体ごとに決まってるんですよね。

残間 自治体ごとに違うってこと?

大垣 そうですね。文化財保護法っていうのがあって、これで埋蔵文化財の保護っていうのが。

残間 友達、アルバイトでやってるもん。

大垣 とにかくなんでも出たら止めないといけないっていうことにはなってなくて。

残間 そうなの?

大垣 はい。たとえば、京都市なんて、大抵出るわけですよ。率直なところ。ある程度掘れば、出ない土地のほうが少ないわけですよね、市街地だと。それで、京都のやつを取ってみたんですけど。そうすると、実は、埋蔵文化財保蔵地っていう、遺跡っていうのが決まってるんです。そこでグレードがあって。

残間 それって、最近決まったんじゃないの? 前は全部ダメだったよ。

大垣 たまたま、とんでもないのが見つかったら、また別のお話だと思うんですけど。一般的には、そうでないと、売り買いするのが怖いじゃないですか。

残間 東京なんか、下屋敷の後とかってね。下町のただのどんぶりが出てきたっていうのもあるよね。

大垣 そうそう。京都なんかではよくある話で、めちゃくちゃグズグズ言われるんだけど、掘ってみたら、出てきたものはどう見ても幼稚園児の作った粘土細工じゃないか、みたいなのが、ぶつくさ言ってましたけど。でも、場所が決まっていて。一般遺跡って言われている、大事でないものの場合、木造建築を建てて、地下室なんかを作らない場合は、届出がいりませんっていう感じで。いちいち気にしててもしょうがないみたいな感じ。

残間 京都はね。この人、どこだっけ。

大垣 この人は神奈川。だから、鎌倉のほうとかも同じじゃないかな。その地域ごとの埋蔵文化財とか、埋蔵文化財包蔵地とか。文化財保護とかってググってみると。

残間 個人の家だと少ないけど、大きな建物を建てるときに調べると、やっぱり、敷地のどこかに必ず何かがあるってね。

大垣 大手町の将門塚のところ。

残間 三井物産の。

大垣 はい。あそこ、めちゃくちゃ時間かかってたじゃないですか、隣に建て替えるの。その間にいっぱいビルが建ちましたもんね。ものすごく明るくなっちゃいましたけど、あれは掘ったら結構出たんじゃないかね。

残間 色々? 塚だもんね。

大垣 あれ、面白いですよね。ど真ん中のビル地でも、みんな怖いから。あんなもんでも。

残間 あんなもんなんて言っちゃダメですよ、あのようなもの。

大垣 あんなすごいところのあれでも、将門塚は触ってはいけないと。

残間 大事にしてるよね。

大垣 あれも、予行があったんじゃないですか。江戸の系統の話もありますもんね。というわけで、サンダーバード2号さん。サンダーバードって、いくつぐらいの人までは分かるのかな。残間さん、知らないでしょう。

残間 私、サンダーバードって、電車の名前だと思ってた。

大垣 ゲゲッ。

残間 サンダーバードっていう電車が。

大垣 あります、あります。北陸のほうへ行くやつ。

残間 大阪駅で待ってると、出てくるよ。

大垣 金沢のほうへ行くやつ。くるって、乗ったことないんかい。

残間 見ただけ。

大垣 あれはライチョウっていう意味ですから、ライチョウが出るところへ行くっていうので。

残間 サンダーバード何号が間も無くホームに入りますっていうのを聞きながら、私は黒潮号に乗っていくの。

大垣 イギリスの人形劇のやつを、みんな知ってるやつ。国民は。

残間 サンダーバードってみんなあるじゃない。人形の。セルロイドの人形みたいなやつ。

大垣 これにまつわる話が色々あるのに、最近の若い子見たことないから、そのへんの例え話とか冗談とか、それ系が全部使えなくなっていて、最近。すごい困っているんです。国民の常識の一つだったのに。

残間 そうなの? 我々の世代がいなくなったっていうことですよ。

大垣 まあ、どうでもいいですけど。というわけで、お近くのところを探されるんですけど。業者さんが入ってらっしゃる場合は、事前に確実に見てますから、いいんですけど。個人取引の場合は、役場に聞かれるのが一番よろしいかと思います。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2021でした。

マイホーム借上げ制度なら、持ち家購入後に転勤が決まっても安心です

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鈴木 今週は、マイホーム活用大作戦。移住・住みかえ支援機構・JTIでは、マイホーム借上げ制度を通じて、大人世代の皆さんに、安定した暮らしを提案しています。このコーナーでは、JTI・移住・住みかえ支援機構の今野大輔さんに、豊富な事例の中から、リスナーの皆さんの参考になるケースをご紹介いただきます。今野さん、よろしくお願いします。

今野 よろしくお願いします。今回事例を報告させていただくのは、岡山県倉敷市にマイホームをお持ちのお客さまが、転勤を機に制度の利用をする事例でございます。

大垣 これも、かせるストックで出ているやつですよね。年齢制限のない。最近、増えてますね。

今野 そうなんです。

大垣 やっぱり、こういうのが一つのメリットですよね。

残間 やっぱりみんな、ちゃんと考え始めたんだね。

大垣 それと、昔は、こういうのがなくても、法人借りって、あんまりトラブルにならない借りてくださる会社さんがあったんですけど、最近そういうのが減ってるよね。なので、こういう、JTIみたいなところが、役に立つようになってきているということなんだと思うんです。

今野 実際に、倉敷のお客さまのところまで、私が直接カウンセリングにおうかがいして、制度の申込書の取り付けまでいたしました。

残間 カウンセリングって、どういうことをするの。

今野 まず、どのぐらいの期間を貸したいかとか。

残間 どのぐらいの家賃を本当は欲しがってるかとか。

今野 そうですね。家賃の査定もお伝えして。

大垣 こういうケースだと、いつ帰ってくるかっていうのがすごい重要ですよね。

今野 はい。

残間 転勤って、どこに。

今野 福岡県のほうに転勤が決まりまして。もともと、このお客さまが、転勤が多いお客様で、マイホームを建てるときに転勤してしまったら住めなくなるっていうところが不安材料だったらしいんですね。そのときに、ハウスメーカーの方から、移住・住みかえ支援機構の適合住宅という紹介を受けて、自分たちが住めなくなったときは、制度を利用すれば貸し出しができるということで建築に至ったという経緯をヒアリングで。

残間 倉敷も、もともとの実家とかそういうのじゃなくて、転勤先なの。

今野 奥様のご実家が近いそうです。

残間 倉敷自体もいいもんね、戻ってくるには。

大垣 いいところですよね。ちょうど広さも、ほどほど。お二方で戻ってこられてもいい感じですもんね。

今野 はい。

大垣 で、倉敷だったら、これ、いくらっていうと、月額9万円か。かなり。

残間 いいよね。

大垣 いいほうかもしれませんね。

今野 2LDKという間取りと、駐車場2台という部分なので、ご夫婦と、小さなお子様の利用を見込んだ査定をさせていただきました。

大垣 で、まさにそういう方が入ったんですよね。

今野 そうなんです。ご入居した方も、30代後半で、共働きで、まだ赤ちゃんがいらっしゃる3人家族。

残間 そうか、赤ちゃんだと、こういう戸建てのほうがいいよね。泣くしね。気になるもんね。

大垣 気になりますもんね、マンションだと。

今野 なので、制度を利用されたお客さまと、家族構成とか、転勤が多いという仕事背景もマッチしていて、今回タイミングよく、この物件にご入居されたと。

大垣 よく当たりましたよね。築8年だもんね、絶対ないよね、こういう物件。

今野 そうですね。

大垣 こうやってみんなが、自分の家を持つんだけど、一種、シェアしてるみたいな感じでね。なっていく感じは、いいことなのかも。

残間 やっぱり、若いからみんな、軽やかだね。決めるのも早いし。

大垣 最近、本当のシェア住宅みたいなのもありますよね。でも、ああなると、それでいいと思わないと入りにくいんですけど、こういうのは普通の家ですもんね。

鈴木 ありがとうございました。JTI、移住・住みかえ支援機構の今野大輔さんに、幸せな住み替えの実例をご紹介いただきました。ありがとうございました。

一同 ありがとうございました。

心理カウンセラーの下園壮太さんと語る、大人世代とカウンセリング(ラジオ放送書き起こし)

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●おとなの花道
鈴木 では、ご紹介しましょう。きょうのゲスト、下園壮太さんです、よろしくお願いします。

一同 よろしくお願いします。

鈴木 下園壮太さんのプロフィールをご紹介します。

心理カウンセラー、メンタルレスキュー協会理事長。    
1959年、鹿児島のお生まれで、防衛大学卒業後、陸上自衛隊に入隊されました。
陸上自衛隊初の心理教官として、多くのカウンセリングを経験され、2015年に定年退官。
その後もカウンセリングを続けられる一方で、カウンセラーの育成や執筆活動など行っていらっしゃいます。
ご著書は、先ほどご紹介した『自衛隊メンタル教官が教える 50代から心を整える技術』や
『とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたら良いですか?』ほか数多くございます。

残間 下園先生のホームページを見たら、「子供の強さ」は我慢とか、努力だけど、大人の強さは柔軟さやしなやかさよ、大垣さん。

大垣 諦めるとかっていうことですよね。私ちょうど、同い年なんです。私も1959年なんです。やっぱり、50代のあたりが転機なんですか。僕は今みたいな気がするんですけど。

下園 私が色々なクライアントさんを見ていると、ま図、40代に一つ節目があるような気がします。

大垣 それはあるかも。

下園 若い頃の自分と、それがうまくいかなくなってくる自分。それから次は、人生100年ってなったときに、50、60。このあたりにどうプランを変えていくか、バージョンアップしていくかっていうのが大きな問題になりつつある。

大垣 先程の新書なんかですと、自衛官の方は、50代だけれどもって書いてらっしゃるんだけど。実は私も、ごく最近なんですけど、大手の企業の方と取引をさせていただいているときに、ミーティングのあとに「ちょっと大垣さん、二人で」って言われて、52歳の方なんですけど、「実はもう、私ももう、ほとんど同期で残っていなくて、今回出ることになりました」って言うんですね。

残間 企業で? 普通の。52で?

大垣 はい。「私なんかは遅いほうなんですけど」っておっしゃるので。案外、早いこと動き出しているんじゃないかなと。

残間 最近、経済界の人も、40代はいらないとか、いろんなことを言ってるからね。

大垣 そう。率直に、受け止め方としては叩かれている感じでしょうね、肩を。

下園 そういうところもあると思うんです。が、とくに去年からコロナがありまして。前から続いている波もあって、むしろ、積極的に自分から、このキャリアではないキャリアを、自分で進まれる方も結構いらっしゃる。

大垣 そうなると、逆にあんまりメンタルっていうのは起きないんでしょうね。

下園 いえいえ、そうでもないですね。

大垣 そうでもないですか。

残間 私、経歴を拝見していて、陸上自衛隊で始めての心理教官。初めて知ったんですけど。そこに採用されるっていうのはどういうことだったんですか。

下園 これは、米軍などがもともと持っていた機能があったんです。災害派遣とか、まさに戦争とかで、命をかけて戦う、あるいは同僚が亡くなるときに、仕事を続けなきゃいけない。で、なんらかのサポートが欲しいわけですよね。米軍は、牧師さんがやるんですよ。

大垣 ああ、そうなんですね。

下園 で、その牧師さんというのは、たとえば歩兵とか、戦車兵とかの軸と同じように、牧師さんのグループ、職種があるぐらい、とても重要視されているんです。

残間 だって、ベトナム戦争の後なんて、ものすごくたくさんね。心にみんな。

大垣 アフガンだってね。

残間 打撃を受けた人たちがいっぱいいましたもんね。

下園 一説によると、ベトナム戦争の場合は、戦場でお亡くなりになった方より、帰ってきて自殺された方のほうが多いというくらいだったんです。自衛隊でも、いよいよ活動するようになったときに、やっぱりメンタルをどうやってケアしようかとしたときに、なかなか日本っていうのは、宗教観をベースにすることは難しかったので。それを、心理学的な知見で支える専門家を部内で育成しようということでやりました。

残間 自衛官になろうと思って入ったんじゃないんですか。

下園 自衛官になろうと思って入ってました。

大垣 防衛大学に行かれたんですよね。

下園 そういうムーブメントがあったのが、私が35。実際に心理職に手を染めたのは40ぐらいです。

大垣 じゃあ、大学でおやりになっていたっていうよりは、お仕事の中でっていう感じだったんですね。

下園 はい。

残間 でもやっぱり、適性があるからやってって言われたわけですよね。

下園 適正と。あと、自衛隊の場合、命令が来ますので(笑)。

残間 命令を下すからには、そこに何か。

下園 そうだと思います。私もそういうのに興味があったことと、上司が私のなんらかのね。

大垣 それは、おありになったんでしょうね。

下園 なんとかやってまいりました。

●大人の一曲
鈴木 まだまだ下園さんにお話を伺ってまいりますが、ここで音楽を挟みたいと思います。

人生100年時代研究所
残間 今のインフォマーシャルでも、「カウンセリング」っていう言葉が出てきたけど。

下園 そうですね。

大垣 これは単に、アドバイスみたいなものだけど。

残間 そういうところにも使われるようになったのは、なかなかのことで。私たちも、何か困ったときに、カウンセリングを受けるとか、精神科に行くとか、そういうのって、すごく抵抗があった時代が長かった。

大垣 でも、僕、下園さんにお聞きしたいんですけど、先生の本を読んでいましても、自分自身のことを考えても、ものすごいたくさんの人が、ほぼ100パーセント、男なんてこのぐらいの歳になると、カウンセリングしてもらったほうがいい状態になるっていうか。ある種日本って、定年なんていうのがはっきり決まってるので、ある意味で、ゴソッとそういうふうな年になるっていうことが起こりますよね。どこに行くんですかね、カウンセリングって言われたときに。

下園 なるほど。結局カウンセリングって、今のお話でもそうですけど、先程の、コロナになってからメンタルが弱くなりましたとかっていうのも、要は、人に相談すれば私、カウンセリングだと。

大垣 へえ。

下園 カウンセリングというよりも、相談ということがとてもパワーを持つんだと思うんです。そこで、皆さんがちょっと誤解されているのは、相談というのが、新しい知識や情報を得ることだと思ってらっしゃるんです。

残間 回答がくると思っている。

下園 これだったら、グーグルに負けちゃうんですよ。

大垣 そりゃそうですね。

下園 もう今、誰に相談するよりも、ネットに相談したほうが、情報は入ります。でも、実際は私のところに、いろんな方が来るのはなぜかというと、私からの情報ということじゃなくて、人は、ある程度いろんなピンチになると、感情がたくさん出てくるんです。不安とか、怒りとか、妬みとか。そうすると、大脳が冷静なコンピューターで亡くなっちゃいます。ところが、人にお話をするとなると、まず言葉でゆっくりお話をするので、イメージがポンポンと続く、不安に乗っ取られた思考じゃなくなるんです。

大垣 なるほど。

下園 まず、言葉でゆっくりとお話をするということがとても重要なポイントになります。もう一個は、その相手が、おそらく、残間さんなんかの場合は、相手の人の話をすごく分かってくださる感じがあると思うんです。分かってもらえるとすると、落ち着きますよね。安心します。安心すると感情が落ちて、頭が冷静に働きだします。これを「脳の再起動」と私は呼んでいますけど。再起動プロセスとして、相談を活用すればいいと。

大垣 そうすると、やっぱり、身近に相談できる人がいることが大切ですね。

下園 一番大事です。

残間 でも、男の人って苦手でしょう。

大垣 そう。

残間 威信が傷つくとか。どうやって相談していいか分からないとか。

大垣 っていうか、相手がいませんよね、あんまり。奥さんに聞くかっていうと、それと違った相談になっちゃうし、聞いてもらえることもあるけれども、違うこともありますよね。

残間 それは聞かないよね。親友もあんまりいないしね。

大垣 うん。で、親友って言っても、会社が絡んじゃってると、結局そんなには聞けないので、すごく違ったところの。

残間 といって、幼なじみになんの仕事も関係ない人に言っても、これまた分からないんですよね。

大垣 そうですよね。だから本当は、聞いてくださる、学校なんかそういうのがあるんだけどね。

残間 どういう人が、下園さんのところには、昨今。男の人だと。

下園 まさに相談というのの難しさを今お話しいただいたと思うんですけれども。ジャンルがある程度わかっていたほうが、話は早いですよね。一方で、分かりすぎていると、アドバイスのほうをもらっちゃって、私のほうが分かってもらった感じがしない。それと、弱いところをお話しすると、吹聴されそうで、特に男性の場合は弱音を吐けないというのはあります。そこでお金を払えば、カウンセリングという場を確保できる。昔は、親戚のよくできるおじさん・おばさんとか、かっこいいおばさんとか、そういう方々。あるいは、近所の「あのおじさんはすごい」っていうような方々がいらっしゃったんですけど、なかなか本当にいなくなりましたね。

残間 いなくなりましたね。

下園 男性は、実は、カウンセリングというのを、上手に活用できるのは女性のほうなんです。

大垣 そうですね。

下園 圧倒的に。男性はどうしても、自分のことを表現できにくいので。そうすると、男性の場合、先ほども言った、しっかり前々から知っていた人に、例を尽くして、人間関係を保っておくか、割り切って、コーチングとかカウンセリングとか。

残間 ああ、コーチングがありますね。

大垣 コーチングとか書いてあるようなものが、それに当たるんですか。

下園 そうです。私のところでも、1ヶ月にいっぺん、何もなくてもお話をされて、自分の感情も含めて、あらいざらいお話しを。

残間 講座をやってらっしゃいますよね。

下園 はい。

大垣 アメリカの映画なんか見ててもよくありますけど、カウンセラーっていうのは、本当に、法律で守秘義務が保護されていたりとか、非常にキチッとした制度で、でも気軽にみんなが行けるところがありますよね。

残間 アメリカの女性映画なんかみてると、インド人の女の人とかがお香焚いたりしていて、フニャフニャーって。

大垣 だから、そんなんじゃなくて。

残間 そういうところに、「私カウンセリングに行ってくる」って言って、行くような場面って結構出てきますよね。占いともつかず。

大垣 普通のところはありますよね。もうちょっと、怪しくないやつが。

残間 怪しいっていうのでもなくて、やっぱり話を聞いてもらって。

大垣 そうなんだけど。日本はそういう意味での、職業としてのカウンセリングっていうと、ちょっと病気に近くなるんですか。それとも、そういうのがあるんですか。

下園 どうしても、カウンセリングが、ちょっと学問的っていうか、医療的な教育をする人たちが多いので。ただ、私自身が現場で考えていると、カウンセリングっていうしゃちほこばった感じじゃなくて、相談だと考えると、占いでも。

大垣 ああ、そうですね。占いってそういう機能がありますもんね。

下園 要は、その方が整理ができれば、なんでもありじゃないかと。

残間 心の整理をして差し上げるんだね。

大垣 京都では、そういう意味では、霊能師の方が。

残間 陰陽師みたいな。

大垣 いや、「ウーン」とかやってて、何が見える、とかっておっしゃるんですけど、案外それでも納得して。

残間 恐山にでも行ったほうがいいよね、そういう方は。

下園 みなさんから、昔はお坊さんのお説教とか、神父のお説教とかね。そういうもので、自分の「こう考えたらいいのかな」ってヒントになりさえすれば。

残間 それと、自殺をする人が増えているのも、アフターケアっていう言い方も変ですが、自殺を遂げる人の数もすごいんですが、実は、未遂でとても傷ついている人、倍ぐらいの数がいますよね。そのへんもやっていらっしゃるんですよね。

下園 そうですね。

大垣 なるほど。

下園 私のキャリアの中で、かなりその部分はたくさん関わってきました。自衛隊っていうのは、規模が大きいので、どこかで、1週間に1回ぐらい・・・今はだいぶ下がりましたけど、1週間に1回ぐらい、どこかの隊員が自殺でお亡くなりになってしまうっていうことがあったりするんです。そういう時に、私たちのスタッフが飛んで、周囲の人たちの心のケアをするっていうのをたくさんやってきましたよね。

残間 未遂の人たちのケアも大変ですよね。

下園 実は、未遂のほうが大変です。

残間 そうですよね。二度とそういうところに行かないようにするっていうのは、難しいんですってね。

下園 周囲の方の動揺がですね。本人にこれからどう接していこうかっていう、新たなテーマがありますので、本当に大変ですね。

残間 これから高齢者、私たちもだんだん増えていくし、大変ですけれども、ある意味ではやりがいもおありになる仕事でしょう。

下園 この仕事は、実際に、サポートすれば、それなりに元気になってくださることが多いので、本当、それは励みになります。

残間 お会いしているとやっぱり、柔和なね。穏やかな感じが、なんでも聞いてくれそう、みたいに思うもんね。

大垣 フラッと、下園さんに。ホームメンタルカウンセラーみたいな、できるといいのになと思って。

残間 お一人じゃ大変だから、そういう仕組みをつくってね。

下園 それを作るために・・・。

大垣 あっ、メンタルレスキュー協会っていうのが。

下園 はい。メンタルレスキュー協会で、現場の、非常に強い力を持っているカウンセラーを育成しようと。

大垣 ああ。

下園 単に知識だけじゃなくて、本当に、実技で。

残間 気持ちに寄り添う。

下園 そうです。そういうことが実際にできるカウンセラーを。

残間 この名刺はなんですか。

下園 それが原始人なんです。

残間 こっちは。

下園 サイですね。私の展開している理論が、原始人理論と言いまして。いわゆる「ストレス」というのは悪くないですよって言ってるんですね。ストレスっていうのは、原始人が、サイとかクマに会ったときに、身を守るための反応であると。たとえば不眠っていうと、みなさん病気って思うと、「不眠になっちゃった、どうしよう」と思うじゃないですか。逆に、原始時代は、サイに会ったら、その夜は、あんまり寝ないほうがいいわけです。なぜかというと、猛獣が近くにいるということで、寝たら、襲われるかもしれない。

大垣 基本的にそういう構造になっているんですね。

下園 そうです。だから、あなたはきっちり原始人モードで対応できてるよって言ってあげたほうが、そうなんですね、と落ち着く。

残間 ちゃんと意味があるんだね。

鈴木 そうだったんですね。

大垣 そうかあ。

下園 一つの解釈を差し上げれば、どう捉えるかで、自分の不安っていうのはだいぶ変わってきますからね。

大垣 最初にアドバイスとしては、そうは言ってもあんまり肩肘張らずに、まずは誰かにしゃべってみようよっていう。

下園 それは本当に大きいです。ただ、男性の場合は練習しないとダメです。

大垣 そういうことなんです。

下園 話す練習というか、打ち明ける練習ですね。女性は得意ですよ。

大垣 ポイントは。練習の。

下園 練習なので、実は、たとえばぬいぐるみに話すとか、そういうことから始めてもいいわけです。

残間 飼ってる犬とか、猫とか。

大垣 ペットとかね。下園人形みたいなものがあれば。

一同 (笑)。

大垣 話したくなるな、みたいな。

下園 今後は、カウンセリングってだいぶAIがやれるようになると思うんです。

大垣 これ、AIができるんですかね。

下園 AIのほうが優秀だと思います。

大垣 そうですか。それは期待が大きいな。

下園 というか、AIを使えるぐらい、人間が優秀っていったらいいでしょうか。どういうことかというと、AIBOっていたじゃないですか。AIBOは、あんまり反応しませんよね。でもそこに、先ほどのぬいぐるみと同じように、感情移入が簡単にできちゃうんですよ。

鈴木 心を寄せることができるということですね。

下園 そうです。

大垣 AI人形カウンセリーとか出てきて、喋りかけて。

鈴木 まだまだお話はつきませんが・・・。

大垣 えっ、もう終わり。残念だな。

残間 壮太ちゃんっていいんじゃない。

下園 いいですねえ。

鈴木 きょうは自衛隊出身の心理カウンセラーで、メンタルレスキュー協会理事長、下園壮太さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

残間 またぜひお会いしたいです。

大垣 またぜひよろしくお願いします。

結局、GDPって何? GDPから何が分かるの?

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 質問をいただいていまして。

GDPが大幅に悪化した、というので大騒ぎしていますね。
専門家の大垣先生に教えていただきたいのですが、
なぜGDPの数字はそんなに重要なのでしょう。
GDPを当てるギャンブルでもどこかでやってるのでしょうか。

狛江市 数学に弱い妻(52歳)

残間さん、知ってる。GDPって。

残間 えっ?

大垣 聞いてなかったでしょう。

残間 いや、いや。GDHって。

大垣 何、GDHって。

残間 Happiness.

大垣 ああ、Growth Domestic Happiness。ブータンの王様ね。

残間 幸せで測りましょう、経済で計りましょうって。

大垣 そんな素晴らしい話ではなくて。プロダクト、生産をしたかっていうことなんですけど。途中を省略すると、みんなの所得と、企業の儲けと、政府が使ったお金とが、だいたい足したものがこれになるので、増えてるっていうことは、所得が増えているっていうことなんですね。所得が増えると、それが消費につながるので、また景気が上がって言ってっていうことになるので。これがマイナスになるっていうことは、逆向けのスパイラルになりがちなので、やっぱり嫌だなっていうお話になるっていうことなんですけどね。

それにつけてもあんまりやっぱり伸びなくなっているんだよね。

残間 男の人は、すぐGDPGDPっていうね。

大垣 男の人・・・。

残間 うん、女の人はあんまり言わないじゃない。

大垣 男の人も、そんなにGDPって言うかな。

残間 指標に使うじゃない。

大垣 確かに、GDPが上がっていないのに、どこかの会社がすごい儲かっているとすると、それは、儲かっていないやつも結構いて、全部足したらGDPなので。伸びてないっていうのは、あんまりいいことじゃないわけで、高度成長のときは、14とか15とか、それぐらいあったんですよね。

残間 特に日本が今、下降線を辿っている。

大垣 下降はやっぱり、まずいだろうと思うんですね。下がっていると色々、男の人が言うのはそうなんでしょうね、会社の仕事に関係してくるからかな。

残間 結構、番組なんか見ていても、政治もそうだけど、すぐGDPって。

大垣 よく考えてみると、ちゃんと分かって使っているかっていうと、なんとなくザックリ、これが増えていると成長してるんだ、みたいな感じなんですけど。国民所得と一緒になってくる。

残間 「まずいですよ、GDPが下がって」みたいな感じの話をするよね、男の人。

大垣 まあ、所得が落ちてね。増えてれば結局、さっきも言いましたように、国内のことなので、増えていればそれがどこかで投資に回るか消費に回るので、そうするとそれが誰かの給料になるので、また。それで次のが入っていってって、大きくなっていけるんですよね、自分で。一番やばいのは、逆が起こることなんですよね。デフレ。

鈴木 マイナスのスパイラルに。

大垣 GDP当てるギャンブルってやってるのかな。でも、案外やってますよね。なんとか生命調査部の人とか、予想とかって。当たって何かもらえるのかは知らないけど。まあ、というわけで。数学に弱くても、強くても、あんまり関係ないですけど。ざっくり言うと、増えていると、自分たちのお給料も、傾向としては上がっていくっていうことだし、もっと大事なのは投資ですよね。貯金とか、投資信託も、長い目で見ていれば、GDPの成長率ぐらいは上がっていくものなので。

残間 でも、国際間の比較が最近ね。いろんな問題になってるからじゃない。

大垣 ああ。それは、政治をやっている方は気になるんでしょうね。まあ、家計的にはやっぱり、上がっているほうがいいって。

残間 お父さん、GDPが上がったから、いいわよ、今日すき焼き。とか言わないもんね。女はね。

大垣 まあ、言わないでしょうね。

残間 あんたの給料が上がったか。

大垣 GDPが上がっているのに? とかって言われて、すいません、私の実入りが悪くてって(笑)。

鈴木 そうか、逆で言われるかな(笑)。

大垣 GDP上がったらしいわよ? とかって言われるんじゃないですか。

残間 言わないけどね。

大垣 言わないでしょうね。何言われてるか分かんないもんね。

鈴木 参考になりましたでしょうか。

大垣 ならないね、全然ならないね(笑)。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2021でした。

孫世代は大人世代の7倍、自然災害に遭う・・・大人世代、逃げ切り厳禁です!?

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話。大垣さん、きょうは。

大垣 ちょっと前に、10月の頭に、サイエンスっていう雑誌がありましてね。そこに、記事が載っていて。何かっていうと、えらい先生方が、世代ごとに、生きている間に何回ぐらい巨大災害に遭うかっていうのを確率でずっと調べたんですって。最近それが、だいぶ遅れて、ネタがないからか知らないけど、新聞にも出たんですけど。約2ヶ月遅れて。これは面白い論文だったんですけど。だいたい、今年生まれたぐらいの子は、我々の7倍なんですって。

残間 きゃー、本当。

鈴木 災害に。

大垣 はい。

残間 災害に、遭う率が。

大垣 はい。

残間 自然環境がそうなっている。

大垣 そう。だから、ヤバさ度が過激に違うっていうことで。論文だから「そうです」なんだけど、結構面白い話で。グレタ・トゥーンベリさんの。

鈴木 環境活動家の。

大垣 女の子。頑張っているじゃないですか。あれ、案外、「何をカリカリしているの」みたいにちょっと思う人もいるかもしれないんだけど、よく考えてみると、もしこういうスタディが正しいんだとすると、確かに僕らは7分の1ぐらいしかシリアス度がない。

残間 それでも、ないことはなかったもんね。

大垣 でしょう。だから、多分、ああいうのの対策って、時間がかかるじゃないですか。というわけで、きっと、下から見ると、私らの世代って、死ねぐらいのことは思っているもんね。

残間 彼女はそう言っているもんね。あなたたちはいいって。今まで。でも、私たちの問題ですって。

大垣 それが、なんとなくあれだけ聞くと、「あんたらはもう死ぬんだから」みたいにも聞こえるじゃないですか。でも、リアリティ度が7倍って言われると、なるほど、ちょっと、そういうことを前提に僕らの世代が考えないと、いけない話になっているんだなと思いました。

残間 それは、気候変動とか、そういうことなの。

大垣 そう、そう。

残間 何が一番起こりやすいとかは言っていないの。

大垣 特定のっていうのはないんですけど、気温が動くことによって、一番起きやすい災害は・・・。一番ヤバそうな色をしているのは、干魃。

残間 ああ。

大垣 それから、川の氾濫とかも結構。

残間 一方では大雨だけど、アフリカ大陸なんかは干魃が本当に、子供たちが水も得られないし。

大垣 熱波もすごいし、穀物不作とか。一個一個、こうやって。

鈴木 真っ赤になってますね。

残間 紫にまでなっているのが。

大垣 なるほどね、とか思って。

残間 それだけ頻度が違うっていうのはすごいことだな。今生まれたことが、今年生まれた友達の孫たち、みんないるけど。7倍かあ。

大垣 そう。だから、学生にも「お前らの前に立ってるおじいさんとか、全然意識が低いから、ちゃんと声を上げないと、結局、だいぶしてからヤバいことになるので。結構割食ってるぜ」って。

残間 今の学生って、18、9の子達も、相当な色々なものに出会うわけですよね。

大垣 そうですよね。

残間 相当歳をとってからも出会うわけだよね。

大垣 もっとひどいことになってるんでしょう。関係ないけど、債務問題も、国債も1100兆を超えて、まだ使ってみたいな。

残間 そうか。

大垣 あれも、要するに最近の理論だと、アルゼンチンとたいして変わらないのに、なんで日本は大丈夫なんだっていうと、底力があるから、ぐらいの大雑把な議論になっていて。じゃあ、いつ底力が切れるんですか、とかっていうと、それについて議論している論文はないんですよね。だから、どこかでくるぜ、みたいな。そりゃそうだよな、みたいな。大丈夫なのかな。

残間 想定されている災害だって、今、みんなきたら大変だもんね。南海トラフにしてもね。直下型地震も。

大垣 富士山とかも、爆発するんでしょうね、きっと。

残間 だって、軽石があんなに来るなんて。海底火山の爆発でね。

大垣 あれもびっくりしましたね。そんなわけで、若い人が、グレタさんみたいに我々をぶち上げてくれるっていうのもあるんだけど、ちょっと、下の世代のことを考えて動かないと。

残間 大垣さんも孫がいることだしね。

大垣 そう。だから、これは割と、数字で示されていて、結構すごいなと。

残間 『サイエンス』っていう雑誌もすごい雑誌ですよね。

大垣 これは、極めて権威のある雑誌なんですけど。

残間 分かりました。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2021でした。

ガソリン代はもう下がらない?! 投資の現場から見る事実とは(リスナーメールのご紹介)

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 きょうは、質問のメールをいくつかいただいているんですけど。

ガソリンがあまりに高いので、クルマの外出を控えて家にいたら
寒い時期になって灯油を買おうとしたら灯油もバカ高くて
にっちもさっちもいきません。
大垣先生、ガソリンや灯油はいずれまた下がりますか。
それとも上がったまま、あるいはさらに上がり続けますか。
それによってガマンするか、受け入れるか、考えようと思います。


川崎市 そろそろ本気(マジ)でオイル断ち(42歳 主婦)

上がったり下がったりはもちろんあるものなんですけれどもね。

前は、産油国がたくさん作りすぎたとか、ちょっと制限したとか、そんなようなことで政治的に動いていたことが多くて。だから、上がっているけどそのうち下がるよとか、そんな感じを僕らは持ってるんですけど。

ここ1〜2年、やっぱりものすごく違ってきたなっていうのは、いわゆるSDG。

残間 ああ、SDGsのことを言ってる?(笑)。

大垣 ・・・今僕、なんて言いました?

残間 SDG。

一同 (笑)。

大垣 SDGs。ESGとか言ってるやつですね。

残間 ゴールがあるっていうことね。

大垣 SDGsは、これまで経済って成長するもんだよねっていうことでずっときていて、そのときに、僕らが生きているときに空気あるよねっていうのといちいち気にしていないのと同じように、石油っていうのはあるんじゃないのとか。

残間 どこかにはあるよね。

大垣 二酸化炭素を出しすぎたから、北極海の氷が溶けるとか、そこまで「何を」ってみんな思ってたわけですよね。あるかもしれないのは。その切迫感がものすごくリアルになっていることと、それに対して、これまでは政府とか、国際機関とかで規制していかないといけないよねっていう話が主体だったんです。それってやっぱり、すくみあいっていうか、大丈夫なの? みたいなことになると、案外ものすごく極端なところに行きにくいんですけど。

ここのところ、ものすごい勢いで起きてるのが、火力発電所を作っている電力会社の株は買わないとかね。これから社債を出して、お金を借りようと思ってるんだけどっていうときに、「何に使うんですか?」っていうのが、格付けになっていて。

グリーン系のものを使っていないと、基本的に誰も買ってくれない。それから、今起きているのは、そういうものを逆にやらないで、いろんなものを買っちゃってると、今度はファンドを運用している方の中身を色々見られて、「あんたは、こんなに石炭ばっかり使っている会社に投資していていいの?」ってやられて。

今度は、投資信託が売れなくなったりとかっていうことが。

残間 起きていますよね。

大垣 そう、起きているんですけど、起き方が。

残間 かなり。

大垣 僕は、そういうのの格付けをしている会社の監督をする委員っていうのを、頼まれてやっていたことがあるんですけど。そういうのが、やりだされた頃っていうのは、もう10年ぐらい前で。
そのころは、あんまり、ものすごいそういうものは。あるでしょうねとは思いましたけど、どちらかというと、そっちが主たる仕事になるぐらい大きいような仕事になるっていうんですかね。
環境格付けっていうんですけど。あるいはグリーンボンド格付けっていって、この社債を出すんだけど、この社債は、昔は、ちゃんと返ってきますかっていう格付けを出していたんですけど。
最近は、使い道がグリーンですかっていう、度合いの格付けが出て。
あんまり、返してもらえますか格付けよりは、そっちの格付けを見てみんな買うっていうようなことが、そんなに急激に怒るっていうのは、率直なところ想像していなくて。そういうことが起きている。

残間 株価も、すごく。

大垣 ですから、規制だと、いっぺんにブワーッとかけないといけないので、やっぱり、あんまりキツいことしたらおかしくなるよねっていう問題になりがちなんですけど、お金と絡めたり、株価と絡めたりっていう話になると。
個別具体的っていうか、もっとマーケットを通じて、きめ細かくできちゃうもんだから、縛り方がものすごく、ある意味、きつくなってきているっていうことなんですよね。

残間 確かにね。

大垣 だから、多分、今は間違いなく、ガソリンが上がり出しているのは、そっち系の要素が非常に大きいので。
ある種、やっぱり、中長期的に見ると、もとに戻るよっていう、昔の、中東で戦争があったから高くなったねとかっていうのとは全く構造的に違う流れになっているということですね。だから、多分ですけど、そういう意味でいずれまた下がるって思っていると、下がらないと思います。
もちろん、上下はあると思いますけど。長い曲線で見ると、非常に使いづらいものになっていくっていうことです。

残間 結構、ガソリン車のこととか、色々。ただ、バッて行きがちでしょう。右って言うと右、左って言うと左、上って言うと上。

大垣 そういうのはありますね。間違いなくあります。

残間 そのへんがもう少し冷静にならないと、難しいよね。

大垣 短期的なやつもあれば。だけど、中長期的に見れば、やらざるを得ないっていうところへ。

残間 機関投資家は、全部そのへん、加味してしかね。

大垣 うん。そういうことがやりづらくなる。度合いはすごいんですよね。

鈴木 ある意味、受け入れていかないと。

大垣 ある程度はね。もっと言うと、だからこそ、多分、蓄電池の開発がもっと進んだりとか、今高くなっているものを使わないで済むようなところが安くなっていくんだろうとは思いますけどね。

残間 飛行機だって、便数減らさざるをえないとか、いろんなこと言われてますもんね。

鈴木 そうですよね。

大垣 ある種は、受け入れるっていうことになっていくんじゃないかなと思います。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2021でした。