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リスナーメール:在宅ワーク、かつての「内職」とどう違う?

大垣 東京都北区・王子の天ぷらサラダさんから。在宅勤務が流行ってますね。昔の内職とどう違うんでしょうか。

 

残間 内職はやっぱり、内職のイメージって、お裁縫したりね。

 

大垣 手間賃がすごく安かった記憶があるので、これとどうなの? っていう。

 

残間 在宅は、一応、自分で主たる仕事を持っていて、それの空間が変わるわけだけど、内職っていうのは、電球のなんとかとか。

 

大垣 それはいつの話をしてるんですか。

 

残間 昭和の初期はそうよ。

 

大垣 内職と呼んでいた頃はね。うちのおばあちゃんも。

 

鈴木 うちの母も。

 

大垣 というか、あの当時はおばあちゃんは絶対やってましたよね。洋裁とか和裁やる方はね。当たり前だったっていうね。それはそうかも。

 

残間 それとは全然違うけど。でも、在宅勤務と、うちの中でする仕事。

 

大垣 ただ、あれをそんなふうに思ってらっしゃること自体が、団塊近辺の方の、一種の、それってよくないっていうか、マイナスのイメージのもので、やっぱりきっちり職を持って働いて、専業主婦でも食わしていける、一種の生き方っていうんですかね。それが憧れだったような。

 

残間 時代が。

 

大垣 一つの僕、ステレオタイプがあると思うんですよね。でも、よく考えてみたら、男が会社に一生同じとこにいて、それで、仕事は多分若いときのほうがしていて、だんだん仕事しなくなっていくんだけど給料は若い時のほうが安くて、家族のサイズに合わせて増えていってっていう、こんなのが成り立ってた時期ってめちゃくちゃ短い。

 

残間 本当は短いよね。

 

大垣 例外的にしか成立しないことであって、むしろ、家族みんながそれなりに仕事を分担したりとか、働ける人が働いたりとかって。

 

残間 だから、これって家電製品が発達したり、文明が発達したってこともあって。内職って、昭和のイメージから、今度はパートっていう形で、時間を区切って女の人が外に出るようになりましたよね。主婦をやりながら。

 

大垣 でも、それってやっぱり、どこかに勤めるっていうのがパートなんですよね。だから、勤めるのが本来で、パートしかやらないっていう。だから、そこが全部、そういう枠の中に、企業にぶら下がるような感じで来てたのが、今、すごくある意味、うちのおばあちゃんなんかの内職の感覚ってそんなんじゃないんですよ。するのが当たり前。別に、みんなで、おじいちゃんは呉服屋さんやってるし、おばあちゃんは反物やってるし、母は父の仕事を手伝ってたしっていう、それは何か悪い? みたいな。

 

残間 今のはいいんじゃないの。

 

大垣 でも、それがちょっと後になると、それって貧乏な感じがあって、大企業にいいところに。

 

残間 だからみんな作文に母は内職で苦労したみたいなのをね。

 

大垣 そうそう。

 

残間 そういう感じになるのね。

 

大垣 ただ、今回多分現象面としては、わりと副業とかっていうのは、見方ですよね。会社から帰ってきて、そのあと副業やってるわけで、子供から見ると、うちの父は会社の給料では食えないので、帰ってきてから副業までやってると。

 

残間 でも、会社の仕事をやってるわけでしょう。在宅って。

 

大垣 副業は違いますよね。

 

残間 副業は違う。

 

大垣 今は、なんとなく今風になってるじゃないですか。

 

残間 ITを駆使して。

 

鈴木 いろんな働き方が。

 

大垣 それが、お母さんがパートに出ずに、在宅でできることが出てきたので家でやってますとか。見方によってはうちは貧乏なんで母も家で働かないと食えないんですって見えなくもないじゃないですか。

 

残間 そうかなあ。

 

大垣 だから、そこは僕が。

 

残間 感覚だってことね。

 

大垣 感覚だと思うんですよ。だから、一番自然な事っていうのは、みんなが働こうと思えば働けるし、別に、何も専業主婦で家事は全部女がやって、男は外に出てるんだからたまたま在宅で帰ってきても飯作るのは奥さんだろうみたいなことじゃなくて、みんなが同じようにできるようにだんだんITがってなってきたんで、ある意味、昔、たとえば田んぼ耕してるのがお仕事だとしたら、多分ですけどみんなで田植えはするわけで、別にそれは男も女もなくてみたいな、それとはちょっと違うけどね。だんだんそういう、もう1回普通に家族が家族で頑張るみたいなとこに戻っていってるような感じがして。

 

残間 完全にそれがうまくいく、いわゆる家庭の中の人間関係として、家族関係としてうまく定着するまでには、陣地争いとか、どこがどうとかってあるよね。

 

大垣 それを僕は、今、30ぐらいまでよりあとの人たちだと思うんです。多分、それより若い子たちは、そういう固定観念がないから。

 

残間 内職のイメージがないのか。

 

大垣 だから、それを、年取った社会学者の人とかが、なんか、すごいそれを、新しいこととかみたいで、それに行くのはいろいろあるぜとか、確かにコロナ離婚っていうような話もありましたよね。

 

残間 リモートのハラスメントっていうのもあるんだって。

 

大垣 だから、それが多分、僕らも含めて終わってる世代のものなんです。

 

鈴木 若い人たちは軽やかに。

 

残間 会社から、いわゆるおじさんが、奥さんどうしてるとか、子供が泣いたりすると、泣かすなとか、妻はどうしてんだとか、そういうハラスメントがすごい増えてるんですって。

 

大垣 そうでしょう。

 

残間 それから、若い女の子には、彼と暮らしてるんじゃないかとか、すっぴんんかとか、うるせえってみんな言ってたよ。

 

大垣 今何が起きてるかっていうと、若い人たちは何の問題もなくそんなことをやり出すんだけど、僕らが選別されるんです。

 

残間 なるほど。

 

大垣 その感覚でもう一回、家族を見てみようとか、連れ合いを考えてみようとかって思える人はすっといけるんだけど、そうでない人は、古いやつだっていうので、多分すごい不幸になっていくんじゃないかと思います。