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水道管の破裂・断水のニュース、実はものすごく根の深い問題です(リスナーメールのご紹介)

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 メールが届きました。

先日、水道管が破裂して6万世帯が断水というニュースがありました。
断水も困りますが、それよりも突然橋が落ちたというのが
気になっています。
後からの調査で、橋のあちこちに細かい破談があったとのこと、
怖いですね。
家ではこのようなことは無いのでしょうか。
微妙に風に揺れる、軽量鉄骨の3階建ての家に住んでいるので、
急に壊れたらと思うと不安です。
(みずみちばしさん・横浜市鶴見区

後の質問は、おそらく軽量鉄骨って、軽いからそういうふうに思われてるのかもしれませんが、非常に頑丈なものなので、メーカーの軽量鉄骨にお住まいになっているんでしたら、あんまりご心配になることはないですけど。20年ぐらい経ってらっしゃったら、やっぱり一度点検をなさったほうが良いのと。

それから後、実は、軽量鉄骨の家って、この時期に、ちょっと基準が微妙に変わっていたりすることがあるそうで、そのへんのところがあるところで、一度見ていただいたらと。

残間 どういうところに気をつけて見ればいいんですか。

大垣 見ても分かりません、普通の人は。

残間 私たちにはね。

大垣 来てもらって、作った方は分かっているので、メーカーの方に来ていただくのが一番よろしいんじゃないかと思いますが。それより、前の水道管が破裂っていうのは。

残間 腐食していたんじゃなかったっけ。鳥の糞で。

大垣 結局、実は1980年、90年代ぐらいのときに、アメリカで最初に、America in ruinって、もう、壊れかけのアメリカみたいな本が出たんですけど。
まさに、一番盛んだった、アメリカだとパックスアメリカーナって言われて、本当にアメリカの時代みたいな、そこから何年か経ってくると、そのころに作ったものが全部老朽化するんです。

残間 日本も同じですよね。

大垣 そうなんです。それがちょうど20年ぐらいずれているので。これが。

残間 今来てる。

大垣 今というより、もうちょっと前にもうきちゃってるんですけど。

残間 この間、水道管って、かなりすごいよね。

大垣 とんでもないことに本当はなってるし、道も大変だし、全部入れ替えないといけなくて。それが全部やると、190兆円。道を入れたら400兆円近くになるとかって議論があるんですけど。結局、人が減ってきてるじゃないですか。だから、インフラとして、これまであったものをそのまま入れ替えればいいっていう話にならないわけですよね。

残間 民営化の話もあって。そうすると、じゃあ、この先の水道管引いたはいいけど、1キロで1億円。すごいんだよね。

大垣 そうなんです。

残間 で、行った先に3人のおばあさんしか住んでなかったら、そこは水道なしって言われる時代が来るかもって。

大垣 それを民間でやったほうがいいって。それはなんで民間でやるかっていうと、結局、今、1100兆円超えちゃって、国の借金が。それを全部国でやるっていうのは、明らかにうまくいかないし、だからといって、PFIっていうんですけど、民間と国の強調みたいな形でやる仕組みっていうのも作ったりして。私もちょっと関与したことはあるんですけど。これも、今ひとつうまく回らないんですね。

残間 この間、一つの街で、民間に委託して、コンペをしたら、2業者が名乗りを上げたけど、結局見て、入札価格を。辞退してきたって。やっぱり、今は、公が作っても民間が作っても、そんなに民間が作れば安いって思い込んでるけど、そんなことはなくて。いいものを作ろうと思うと、両方とも同じ値段が。

大垣 ちょっと前までは、国は、どこで作っても公平にやらないといけないっていう考えがあって、競争して安くするんじゃなくて、この材料で作ったらこれぐらいの価格になるよねっていうことで。これって別におかしい話じゃなくて、公平になるようにしてたんですけど。結果、やっぱり競争するよりはかなり高かったんです。それを、競争していい枠組みっていうのを作ったんですけど、作っちゃったらやっぱりもう、おっしゃっている通りで、似たような値段になっちゃって、最初のところの民営化の効果っていうのは、食い尽くしちゃってるので、あんまり、民営化したからすごくよくなるっていう議論じゃないんです。

残間 ないよね。

大垣 ヨーロッパなんか見てても、要するに、国の借金が増えないような形で、うまいことやろうぜ、みたいな仕組みになっちゃってて。一番大事なのは本当によく考えて、残さないといけない街のインフラは残さないといけないので、それが、今みたいなやり方だと、まだ、どこはなくしていいっていう決断が一切ないので。

残間 水道料金は値上げせざるを得ないって言ってたら、水道料金って、都道府県でも全部違うのね。東京は2400円ぐらいだっけ。だけど、どこだっけな。6000円ぐらいのところもあったよ。街によって水道料金全然違うのよね。

大垣 はい。支える枠組みがなくなってきていて、1世帯の負担がどうしても大きくならざるを得ないとかって。一時期盛り上がったんですけど、今は非常に下火になっていますね、メディアとかではね。ものすごく深い問題として残っちゃってるんです。

残間 あちこちで、大雨が降ると水道管が。

鈴木 ちょっと心配ですよね。

残間 噴水みたいになってるよね。

大垣 起きちゃうんですよ。

残間 あれ、応急処置だけにせざるを得ないんでしょう。この間、水道局のおじさんが、この季節にTシャツ一つで、自分で必死でバルブを閉めてたもんね。

鈴木 大変ですよね。

大垣 これはかなり骨太にやっていかないと。

残間 インフラがあちこちでひどくなっているからね。

大垣 ちょっとそういうことを思い出しました。

鈴木 おとなライフ・アカデミー2021でした。