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家の売却時、業者に売った家が別の業者に転売される?! 中間省略って一体何?

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣  メールをいただきました。

毎週、土曜日の夜にお風呂に入りながらradikoで聴いています。
メールは初めてです。
さて、質問なのですが、私の友人が自宅を売却することになりました。
不動産業者Aに売却するのですが、
売買契約はその業者Aとするものの登記せず、
その業者Aは別の業者Bに転売し、
所有権移転登記はBがするそうです。
「中間省略」というそうですが、売り主として
は売却代金がもらえればいいものの、
何か後で問題にならないのでしょうか?
(ロングフッサーさん・50代・男性)

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残間 分からない、何、これ。

大垣 こういうことはよくあるんですね。
家をお持ちになっていて、最後に買いたい方がいらっしゃって。
直接言えばそれで終わりですけど、一旦業者さんが持って、うつしちゃって、所有権を。

それで、そこで一旦お金を精算して。
そこからまた売られたりとか。あるいは、事情があって。

残間 なんでそんなことするの。

大垣 例えば、最後の業者さんがその物件をすごいほしいと思っているんだけど、その人にあげたら、今、たまたま見ている業者さんはお金をもらえないじゃないですか。

だから、一旦通したことにして、ちょっと高く。

残間 でも、最初の業者さんに「ごめん、違う業者さんが見つかったからさよなら」って言えないの?

大垣 自分で見つけていればね。大抵はそうじゃなくて、裏側に、お世話になっている業者さんがやってくださってはいるんだけど、最終的に買ってくださる方は、別の業者さんだったり、別の人だったり。

そうすると、何が問題かっていうと、登記は、やった通りにやりなさいっていう、ものすごく厳格な決まりがあるので。

残間 やった通りとは?

大垣 AさんがBさんに売って、BさんがCさんに売ったんだったら、同じ日だから、AさんからCさんにって登記すればいいようなものなんだけど。

それをやったらダメっていうことになっている。

残間 来歴をちゃんと書かないといけないんだ。

大垣 なのだけど、現実にはそういう、間にポンと入って動くっていうことは結構あって、例えば残間さんが、自分の家を売りたいとなったときに、「どうも売却相手は大垣らしい」と分かったと。
売却していること自体を知られたくないので、売りたくないと。

だから、誰かに一旦所有権を移して、それから売るとかね。

色々事情があって、同じ日にピョンピョンと所有権が移ることは、すごくたくさんあるわけ。

残間 へえ。

大垣 昔は、そうはいってもAさんからCさんへと登記してしまうんですよね。

なんでかというと、登記を一回するごとに、登録免許税とかが結構かかるので、無駄なんですよね。

鈴木 手数料が。

大垣 無駄っていうことはないけど。で、結局、飛ばしてたんです。
昔はもう、それは仕方ないねと。やっちゃったんだったら、わざわざあとでやり直すことはないですよっていうようなことがあったんだけど。

割と最近、そういうのもちゃんとやりましょうねっていうことで、結構厳しくなったんです。

そこで、また業界の人や学校の先生が、ものすごく知恵を出して。
ちゃんと契約をした結果、Aさん→Bさん→Cさんといくのが、Aさん→Cさんで登記を移すということに、ならざるを得ないよねというふうな契約をわざわざして、その通りの契約なので、AさんからCさんにしますっていうやり方を、一応、みんなで考えて。

残間 書類を書くの?

大垣 契約が、売買契約なんだけど、変な売買契約をするんです。

そういうことで、登記は最後の人に一気に行っちゃっても大丈夫なようにするっていう工夫をして。
法務局も、いいですよということになっているやり方があるんです。

そのやり方でやると、要するに、中抜きができないと登記の費用分だけ値段が安くなっちゃうんで、そういう形でやりましょうねっていうことで。

そういうのを、中間省略登記っていうんです。
質問者さんは、そういうのをやろうとなさっている。

不正とかはあんまり、関係ないと思いますけど。

素人でご覧になると、「なんでこんなことになってるんだ」と。

残間 わざわざね。つまり、これは、Aっていう不動産屋さんも、Bっていう不動産屋さんも、儲かるってこと?

大垣 儲かるっていうことじゃなくて、何かの事情で、Bが最終的には買いたいんだけど、途中Aさんを中に入れないといけない事情が、AさんとBさんの間にあるんですね。お客さんにはないけど。

残間 変なの。

大垣 うん。あんまり、後ろ暗いことはないと思います。

残間 でも、よく、家を借りるときとかも、ある不動産屋さんに言ったら、そこが占有で持ってるんじゃなくて、そこがいろんなところにっていうのとは違うの。

大垣 それとは違う。それはあくまで仲介なんだよね。そうじゃなくて、所有権を持ってる。

例えば、返せなくなって、色々絡んじゃって、ちょっと曰く付きの家になって。それを直接、その方から買うのはどうかなって買われるなんてときは、業者さんが一回買って。

残間 過去を消すわけね。

大垣 またそういう言い方をして(笑)。
まあ、知らなきゃ別に構わないことっていうのがあったりとか、いうことも、あるかもしれないし。まあ、とにかくいろんな事情です。いろんなことで、割とそういうことはよくあるんです。

鈴木 何か後で問題にならないのでしょうかっていう質問が。

大垣 多分、大丈夫だと思いますけど。特に、その業者さんを、お二人がご覧になって、そんなに変な感じがしなければ。やっていることではあるので。

鈴木 よくあることではある。

残間 知らなかった。

鈴木 私も知りませんでした・・・。ありがとうございました。大人ライフアカデミー2022でした。