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残価設定型住宅ローンの「残価」とは?

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鈴木 聞いて得する、家とお金のお話です。大垣さん、きょうは。

大垣 ずっと言ってるんですけど。ようやく売り出しました、残価設定型住宅ローン。

きょうはパンフレットを持ってきたんですが。

残間 かわいいパンフレット。

大垣 これ、いくつかポイントがあって。一番重要なポイントは、普通ローンって、ある銀行が取り扱ったら、その銀行では必ず借りられるじゃないですか。残価設定型住宅ローンはそうじゃないんです。この家しか残価設定型住宅ローンは付きませんと。

なぜかっていうと、家が返す仕組みなので。

どんな家でも、この銀行から借りれば大丈夫、という仕組みにはできないんです。

こういう家だったら大丈夫ですよっていうことで。認定長期優良住宅っていう、100年住宅を対象にするんですが。今回はその中で、大和ハウス工業っていう住宅メーカーさんの家が第一号で認定をされました。

ということで、今は、大和ハウスのお家しか借りられないんですけど。ちょっとずつ増やしていこうということなんですが。

残価って何かっていうことなんですが「残った価格」じゃないんです。ローンの残高と同じ価格で、残価なんです。それから、もう一つ同じ意味があって。だから、売ってもローンが「残」らない。

だから、今、金利がすごい低いですよね。0.3パーセントとか、びっくりするほど低いんです。変動だと。でもこれ、上がっていかないとも限らないし、最近は上がっていくっていう噂もある。上がる理由はいっぱいあるんですけど。

そうなったときに、今はいいんだけど、あとはどうしましょうっていうとき。

一つは、金利が上がらないように、住宅金融支援機構のフラットって、固定の金利借りるっていうのが一つの保険ですけど。もう一個は、万が一のときには、売ればローンが残らない。JTIが買いますよっていう。それを、20年目ぐらいからは保証するっていう仕組みが、買取のオプション。

もう一個は、返済額が減るオプションっていうことで。だいたい35歳ぐらいで借りられることが多いんですが。

残間 退職後に。

大垣 いや、退職の前に、曲者があるんです。20年ぐらい経つと、55歳ぐらいのところで多くの大企業さんなんかは、役職定年とかっていって。

残間 最近、結構早いのよね。

大垣 カクンと下がったり。あるいは、実際には出向という形で、給料の低いところに動いたりとかっていう方も多くなってきているんです。それは、企業が、65歳、75歳まで雇いなさいって言われると、それはそれでいいんですけど、当然、これまでみたいに、右肩上がりで給料が上がっていく形では雇えないので。どうしても、抑えていきましょうねっていうことに。

残間 帰属先は与えるけれども、お金はそんなに多くないっていうね。

大垣 そうすると、借りたときはいいんだけど。これまでだと、僕らが借りた時は目線が上がってたんですけど、もしかしたら、40歳ぐらいまでは上がるかもしれないけど、そのあとまた下がり出したときに、ローンがだいぶ下がっていますので。

その頃には大体、月の返済額を3割から4割にギュッと縮められる。

残間 ありがたいよね。

大垣 ということですね。そうすると、ちょっとずつしか返さなくなりますので、ある程度は残高が残るんですけど。これはもう、関連のポイントでいうと、亡くなられたときに、相続した方がローンを引き継がないんだったらJTIが買い取りますので、やっぱり相続人さんには影響がないよっていう。

残間 ちょうどローンが、大変になったことと、子供の進学とかと重なるのよね。

大垣 それから、ご両親の介護も出てくるとかね。55ぐらいって、わりと、大変な時期なんですよね。そのときに、せめてローンぐらいはちょっと楽になるように。

それから、三つ目のオプションは貸せますっていうことで。たとえば10万円返済している方の返済額が、4万円返済額が下がったとすると。もうそろそろ、実家に戻ろうかとか、心機一転違うところに転職してみようかというときに。さっきまでは「売って大丈夫」だったんですが、よく考えてみると、売らずにJTIに借り上げてもらえば、いくらなんでも4万円っていうことはないですよね、賃貸の家賃が。家賃で返せるので、売らないでもそのまま家が自分で稼いで、自分のローンを返していってくれるので。

別のところに再出発ができるので。

で、三つ合わせて、家があんまり、人生の邪魔をしない保険がついていると考えてくださっていいんですけど。最近そういうのを「ハウジング・フリーダム」と呼ぼうと思っていて。家からの自由っていうか。家のしがらみから解放されたいねっていう。

残間 家は、作るまでは憧れなんだけど、途中から大変になるもんね。

大垣 やっぱり、長生きしちゃってるっていうのが問題で。前は、色んな意味で良かったんです。たとえばご両親が70ぐらいでは、結構みんな、そろそろ寿命かなって言ってた時代は、家を相続するときの年齢も30ぐらいなんですよね。ところが、今、女性の半分以上が90歳まで生きるっていうときに、最後におばあちゃんが亡くなられて、さああの家を相続だっていうとき、相続人の年齢は60歳とか。

残間 もっと上かもしれないね。

大垣 そうすると、嬉しいか? と。相続して。もういらないですよ、30年前に言ってくれよと。もういらないよと。相続される方の子供も出ていっているし。

家が、うまく人生にマッチしていないんです。

残間 回っていかないんだね。

大垣 だから、自分で、家の切れ目を自分の人生の転機に合わせて変えていく。

残間 変わってきているもんね。ライフステージがね。

大垣 だからっていって、賃貸でいいかっていうと、それはまた90までずっと借家でいいんですかって。怖いじゃないですか。

残間 だって、それ、貸してくれないのよ。だんだん。

大垣 だから、家は買うんだけど、その家とローンがしがらまない、ハウジングフリーダムが得られる家と、得られない家。これはやっぱり、買うときに考えたほうがいいだろうし、それができるようにしようっていう。15年前に考えたんですけど。

残間 15年前に。

大垣 15年前から作り出して、ようやく。だから、なかなかできないんですよね。はい。ということで。ダイワハウスさんが第一号になりましたが、これから続々と増えてくださるんじゃないかなって期待をしていますので、今、家をお買いになると思いになってらっしゃる方は、少し、こんなことにも注意をしてみていただいたらと思います。

鈴木 残価設定型住宅ローンについてでした。おとなライフ・アカデミー2022でした。